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■乗用車用アラウンドビューモニターを「アトラスF24」に応用
2013(平成25)年1月25日、日産自動車は「アトラスF24」の特装車にマルチビューモニターを搭載した「ドライバン」と「冷蔵・冷凍車」を追加設定し、発売を始めました。
マルチビューモニターは、日産が世界で初めて「エルグランド」に搭載したアラウンドビューモニターをトラック用に応用したものです。
●世界で初めてアラウンドビューモニターを搭載した日産「エルグランド」
マルチビュー(アラウンドビュー)モニターを世界で初めて搭載したのは、2007年10月に発売された日産「エルグランド」です。
アラウンドビューモニターは、車両の前後左右に取り付けた4個の超広角(180度)高解像度カメラから得た映像を合成して、周辺の映像を映し出す機能です。それぞれの映像の切り替えや同時映像に加えて、合成処理して車を真上から見た映像も映し出せます。
これにより、縦列駐車、車庫入れなどを行うときに、自車と路面の駐車枠との関係が一目で分かり、安全に留意しながら駐車がスムーズにできることから、現在は軽自動車でも標準装備やオプション設定された車が増えています。10万円程度で社外品も後付けすることも可能です。
日産は、現在インテリジェントアラウンドビューと称していますが、パノラミックビューモニター(トヨタ)やマルチビューカメラシステム(ホンダ)、360度ビューモニター(マツダ)、マルチアラウンドモニター(三菱自動車)、全方位モニター(スズキ)、パノラマモニター(ダイハツ)と、メーカーによって呼称は異なりますが、基本的な仕組みは同じです。
●運転状況に合わせて映像が切り替わるアトラスF24のマルチビューモニター
小型トラック初となるマルチビューモニターを搭載したのは、1.5tトラック「アトラスF24」の特装車「ドライバン」と「冷蔵・冷凍車」。搭載されたマルチビューモニターは、乗用車で採用されている「アラウンドビューモニター」をトラック用に応用したものです。
荷台の上面4箇所に設置されたカメラの映像を、運転席上部のモニターに映し出し、運転状況に応じて自動的に映像が切り替わり、以下のように安全運転をサポートします。
・ドライブモード:ルームミラーで後方を見ているのと同じ映像「ルームミラービュー」
・リバースモード:駐車時に車両を上方から見ているような映像「トップビュー」
この他にも、建物の軒下との干渉を確認できる車両後部上方の映像「ルーフビュー」や、車両後方障害物の確認をサポートする「リアビュー」、さらに右左折の際のターンレバー作動時は、車両の前部から後部までの側面周囲の映像「サイドビュー」が表示され、特に左折時の巻き込み防止に有効です。
●アラウンドビューモニターの進化
現在普及が進んでいるアラウンドモニターは進化を続け、様々な機能を持つものが登場しています。
例えば、車の周囲で動くものがあるとディスプレイ表示と警告音を発する機能。日産のアラウンドビューモニターの「移動物検知機能」、トヨタのパノラミックビューモニターの「左右確認サポート機能」がその代表例です。
また、トヨタのパノラミックビューモニターには、真上からの映像に加えて鳥が車の上空で一周するような「ムービングビュー」を表示できる機能もあります。さらに、ドライバー目線でボディやシートを透視したような映像を表示する「シースルービュー機能」もあり、より分かりやすいモニター機能へと進化しています。
アラウンドビューモニターは、ドライバーにとっては非常に便利な装備です。ただし、説明書にはカメラが映し出す範囲は限られており、実際より遠く見える場合があるので、周囲の安全をミラーや目視で確認するように記載されています。モニター映像を過信せず、頼り過ぎずに利用することが大切ですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)