■ステージ上には自動車メーカーの垣根を越えたモリゾウさんの愛車が並ぶ
車好きにとって初詣とも言える年始のイベントが、カスタムカーの祭典・東京オートサロンです。2024年も1月12日~14日に千葉県にある幕張メッセで開催されます。
東ホール8にあるトヨタGAZOOレーシングではプレスブリーフィングに代わって、モリゾウさんの新年の挨拶が行われました。
冒頭で、能登半島で発生した大地震ならびに飛行機事故で亡くなった方々、また被災された方々へのお見舞いの言葉が述べられました。
モリゾウさんは、2023年にトヨタ自動車の社長そして日本自動車工業会会長を退きました。挨拶の中で、「ようやく私は普通の車好きのおじさんに戻ることができました」と話し、さらに「東京オートサロンは、車好きが愛車を自慢げに披露するお祭りです。このお祭りに普通の車好きのおじさんとして参加するのが夢でした」と語りました。
そのモリゾウさんの夢が叶い、今回のトヨタガズーレーシングブースのメインテーマは「MORIZO Garage」で、モリゾウさんの愛車がステージ上にズラリと展示されています。
そのほか「新型車・カスタマイズ」「モータースポーツ」と3つのコンセプトで構成されています。
挨拶の直前までステージ上の車にはヴェールが掛かっていました。アンヴェールされると会場からどよめきが起きました。
センチュリーGRMN、LBX MORIZO RR CONCEPT、GR COROLLA MORIZO CUSTOM、iQ GRMN スーパーチャージャーのトヨタ・レクサス車に加えて、ヤマハVino、スズキジムニーが壇上に置かれていて、メーカーの垣根を越えたモリゾウさんの愛車たちが並んでいたのです。
なかでもLBX MORIZO RR CONCEPTは、2023年11月に販売開始したクラスレスコンパクトのレクサスLBXをベースに、GRヤリスやGRカローラに搭載されている1.6L直列3気筒ターボエンジンをレクサスで初めて搭載したコンセプトモデルです。
ハイパワーなターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせにより胸のすくようなトルクフルなパワーを提供。またそのパワーを惜しみなく活かしきるためにボディ、8速ATのトランスミッション、サスペンション、タイヤなどは専用開発となっています。
また新型車・カスタマイズゾーンには、進化型GRヤリスと特別仕様車のレクサスRZ450e “F SPORT Performance”を展示しています。
進化型GRヤリスはその名前のとおり、2020年の東京オートサロンで公開されたGRヤリスのアップデートモデルです。
進化したポイントを挙げると、外観はサイドロアグリルを開口部の大きな形状に変更し、冷却性能を確保。さらにバンパーサイドにアウトレットを設けることにより、サブラジエターおよびATFクーラーの熱を効果的に排出できます。
インテリアは、スーパー耐久シリーズ参戦車および全日本ラリー参戦車をモチーフに、操作パネルとディスプレイをドライバー側へ15°傾けることで、視認性と操作性を改善しました。また、スポーツ走行時だけでなく、日常でも使いやすいようにスイッチ類の配置にもこだわっています。
搭載している1.6L直列3気筒ターボエンジンは最高出力304ps・最大トルク400Nmへとパワーアップ。組み合わされるトランスミッションは、新開発の8速AT「GR-DAT」が採用されています。
トランスミッションを多段化しクロスレシオ化することで、パワーバンドを活かした走りを実現。またRZハイパフォーマンスには、アクセル操作による駆動力コントロール性能向上のためトルセンLSDを設定しています。
一方、レクサスRZ450e “F SPORT Performance”は、限定100台の特別仕様車で、2024年1月12日~2月19日まで全国のレクサス販売店で抽選申込を行っています。
専用装備として、航空機に用いられている空力技術を応用したカーボンウイング、カーボンターニングペインなど17点のエアロパーツを装備することで、ダウンフォースを増加させています。
さらに足回りでは21インチアルミホイールを装着し、スプリングやショックアブソーバーは専用チューニングが施されています。
ボディカラーは、白銀とブラックのコントラストが際立つボディにブルーのアクセントを配しています。一方インテリアではブルーステッチの施されたウルトラスエードのシートを採用するなど内外装でスポーティなスタイルを表現しています。
トヨタガズーレーシングのブースは、ガソリン車だけでなく、HEVやPHEVなど様々なパワートレインを搭載した車が並んでいます。
これはモリゾウさんの「動力はなんでもいいんです!真実はひとつ。敵は炭素ということだけです!」というメッセージに基づいたラインアップということなのです。
トヨタGAZOOレーシングのブースは、モリゾウさんの好きなものそして想いのつまった空間となっています。
(文、写真:萩原文博)