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■660cc・3気筒エンジンは最高出力95PSを発揮
イギリスの老舗バイクメーカー「トライアンフ・モーターサイクルズ(以下、トライアンフ)」が、フルカウルの新型スポーツモデル「デイトナ660」を、2024年1月9日より国内販売することを発表しました。
デイトナといえば、1990年の「デイトナ700/1000」を筆頭に、トライアンフのスーパースポーツモデルに与えられてきた伝統の車名。2020年に限定販売された「デイトナ Moto2 765」以降はラインアップから消えていましたが、660cc・3気筒エンジンを搭載して見事に復活を遂げました。
エンジン出力は、ベースとなったネイキッドモデル「トライデント660」からパワーアップ。最高出力を81PSから95PSにアップさせたほか、最新の電子制御システムなどの搭載で、ハイパワーながら軽快で快適なライディングが楽しめるといいます。
●エンジンのパワーを17%アップ
新型デイトナ660の外観は、歴代フルカウルモデルの雰囲気を継承しつつ、現代的なテイストも融合されていることがポイントです。フロントカウルには、ツインLEDヘッドライトを採用し、カウル中央部にはエアインテークも装備。最小限のボディワークが力強いフォルムを強調し、LEDライトの輪郭を際立てます。
搭載するエンジンは、660cc・3気筒。トライアンフ製の3気筒エンジンの特徴といえば、2気筒エンジンのような低回転域での太いトルクと扱いやすさを持ちつつも、高回転域では4気筒エンジンを彷彿とさせる心地よい吹け上がりも両立していること。
特に、デイトナ660のエンジンは、前述の通り、ベースとなったトライデント660と比較して、パワーを17%アップ、トルクも9%向上していること。しかも、ピークトルク69Nmの80%以上を、わずか3125rpmから発揮させることが可能で、発進から胸が空くような加速感を味わえます。
マフラーには、3-in-1ヘッダーとステンレス・スチール製フィニッシャー付きのコンパクトなアンダーサイレンサーを採用。このモデル専用のエキゾーストシステムを採用することで、独特なトリプル(3気筒)エンジンのサウンドを楽しむことが可能です。
●3つのライディングモードを用意
さらに、ライド・バイ・ワイヤ スロットルの採用により、最新の電子制御システムも搭載。「スポーツ」「ロード」「レイン」といった3つのライディングモードを用意し、路面状況や好みなどに応じ、スロットルレスポンスとトラクションコントロールの設定を選択することが可能です。
特に、スポーツモードでは、ワイディングやサーキット走行などに最適な反応の高いスロットルレスポンスを体感できます。なお、トラクションコントロールは機能をオフにすることも可能。自らの制御下でライディングを楽しみたいライダーにも対応しています。
また、スリップ・アシストクラッチの搭載により、急減速時の強いエンジンブレーキによる後輪のスリップなどを抑制。コーナー進入時に高いコントロール性能を発揮します。
●価格は108万5000円〜109万8000円
一方、足まわりには、フロントサスペンションにショーワ製の倒立式ビッグピストン41mmフォークを採用。リヤサスペンションには、同じくショーワ製のモノショックタイプを装備し、リモート式油圧プリロード調整機能も備えることで、素早いセットアップ変更も可能とします。
また、フロントブレーキには、310mmツインディスクとメッシュホースのブレーキラインを備えたラジアル4ピストンを装備。コンチネンタルABSモジュレーターと相まって、優れた制動力やブレーキフィールに貢献します。
加えて、スリムな車体やナローなシート形状などにより、足着き性も良好。シート高は810mmですが、785mmへと25mm下がるローシートもオプション設定することで、幅広い体型のライダーに対応しています。
ちなみに、純正アクセサリーには、いわゆるクイックシフターの「トライアンフ シフトアシスト」も用意。クラッチやアクセル操作をせずにシフトアップを可能とするほか、シフトダウンにも対応。オートブリップ機能も持つことで、スムーズな減速操作などを可能としています。
カラーバリエーションは3色。「スノードニアホワイト/サファイアブラック」「サテングラナイト/サテンジェットブラック」「カーニバルレッド/サファイアブラック」から選べます。
価格(税込)は108万5000円〜109万8000円で、2024年3月中旬の入荷予定です。
(文:平塚 直樹)