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■新時代のスマートシティを実現するための街づくりをスタート
トヨタは、2020(令和2)年1月7日~10日に米国ラスベガスで開催された“CES 2020”において、人々の生活を支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」プロジェクトの概要を発表しました。
コネクティッド・シティは、「Woven City(ウーブン・シティ)」と名付けられ、静岡県裾野市で新時代のスマートシティを実現するための壮大な実験都市です。
●コネクティッド・シティ(ウーブン・シティ)の狙い
トヨタの豊田章男社長(当時)は、世界最大の家電見本市“CES 2020”(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、静岡県裾野市の東富士工場跡地を活用して展開するプロジェクトである、新しい街づくり、コネクティッド・シティの構想を明らかにしました。
このプロジェクトは、人々が生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム、AI技術などを導入して検証できる実証都市を新たに作るという壮大な計画です。
プロジェクトの狙いは、人々の生活を支えるあらゆるモノやサービスが情報でつながっていくことを想定して、この街で技術やサービスを開発し、その効果を実証することで、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けること。トヨタは、網の目のように道が織り込まれ合う街の姿から、この街を「Woven City」(ウーブン・シティ)と名付けました。ちなみに、Wovenは「織られた」という意味で、糸と糸が交わり強い絆で結ばれることを象徴したものです。
●具体的な街づくりの構想
ウーブン・シティの街づくりの骨格となるのは、3つに分類された道です。
1つ目の道は、完全な自動運転車や自動運転シャトル「e-Palette(イー・パレット)」などのゼロエミッションのモビリティのみが走行する、比較的スピードが速い車両専用道路。
2つ目は歩行者とスピードが出ないパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道。
3つ目は公園内のような歩行者専用の道です。
またトヨタは、このウーブン・シティの取り組みを世界に広げていくため、2020年3月にNTTと業務資本提携に関する合意書を締結。この協業では、両社が従来から取り組んでいたコネクテッドカーに加えて、ウーブン・シティの「スマートシティ・プラットフォーム」を構築・運営し、国内外で展開することを明らかにしています。
●今後の展開計画
ウーブン・シティは、発表の翌2021年2月23日に着工し、フェーズ1の工事が2024年夏頃に終了し、居住スペースなどの建物が完成。2025年から段階的に実証実験を開始する予定です。
実際にこの街に最初に住むのは、トヨタの従業員やプロジェクトの関係者が暮らして、ということからになるそうですが、その後はパートナー企業の担当者、報道関係者、小売店舗で働く人、プロジェクトに参画することに関心がある人、先進的なスマートシティで暮らすことを希望する人、退職した夫婦など、一般の人も含めて2000人程度の街になることが想定されています。
まだ、具体的な住民の募集はされていませんが、今後どのような形で募集がされるか、多くの人が注目しているのではないでしょうか。
もしウーブン・シティの住民になれば、最先端の技術を他の人よりも早く体験でき、誰も経験したことない新しい生活が実現できることになります。そう考えると、移住を希望する人が多いかもしれませんね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)