■「プレミアム チャージング アライアンス」の急速充電器数は356基(2023年12月21日時点)
日本のCHAdeMO規格に対応する150kW出力器が徐々に発売されている中、アウディジャパン、ポルシェジャパンの対応は早く、アウディはアウディe-tron取扱店に設置済みの86基のCHAdeMO規格急速充電器のアップグレードを完了し、150kW出力での運用を2023年12月20日に開始しました。
同時にポルシェジャパンも、全国のポルシェ正規販売店49拠点に設置される53基の急速充電器「ポルシェ ターボチャージャー」の150kWの運用をスタートさせています。
この取り組みは、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンの日本法人が進める「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)」として、3ブランドのバッテリーEVモデルのオーナー向けに提供する充電サービスを拡充するもの。
アウディジャパンでは、2022年8月に導入された150kW急速充電器「アウディ ウルトラ チャージャー」のソフトウェアのアップグレードを完了し、150kWの本格的な稼働が可能になっています。
アウディは、充電ネットワークの拡大をバッテリーEVの普及の要としていて、充電インフラを整備。目的地充電として旅先のレジャー施設で使用するデスティネーションチャージャーでは、2023年5月に連携が発表された、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会に加入する宿泊施設をはじめ、ホテルや温泉施設、高級レストラン、ゴルフコースなどにアウディ純正の普通充電器の無償での設置を進め、100基以上が運用されています。
ドイツ本国のAUDI AGは電動化戦略の「Vorsprung 2030」に基づき、2033年以降は全モデルの販売をBEVとする計画のもと、今後2025年までに10車種以上のBEVを導入予定。日本では2023年9月から新たに「Q8 e-tron」「Q8 Sportback e-tron」が、12月には「SQ8 Sportback e-tron」が発売されたばかりです。
また、ポルシェジャパンが展開する急速充電器「ポルシェ ターボチャージャー」は、2020年から順次運用を開始。今回、急速充電器設置済のポルシェセンターでのアップデートが完了しています。ポルシェジャパンによる充電インフラ展開は、正規販売店のほか、都市部に展開する急速充電器(150kW)「ポルシェ ターボチャージングステーション」を主に東京、名古屋、大阪に10拠点18基設置。
さらに、ホテルや温泉施設、レストラン、ゴルフ場などのレジャー施設などで長時間滞在に適した普通充電器(8kW)の「ポルシェデスティネーションチャージングステーション」が、103拠点で213基運用されています。ポルシェは、2030年までに新車の80%以上をフル電動モデル化にするという目標を掲げています。タイカンのほか、マカン、718、カイエンが将来的にそのラインナップに加わる予定です。
なお、「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)」のホームページ(2023年12月21日時点)によると、月額会員プランで利用する際は、基本料金が1800円(登録料金2000円)、150kWの急速充電は75円/分、90kWは45円/分。都度会員プランは、基本料金は無料(登録料金は不要)、150kWは200円/分、90kWは120円/分となっています。
150kW対応により充電時間の大幅な短縮が可能になり、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェのBEVの利便性の向上が図られることになります。
(塚田勝弘)