■微量のアルコールを含むものに注意!
運転をしなければならないけど、ビールを飲んだ気分を味わいたい! そんな欲求を叶えてくれるのが、ノンアルコールビールです。果たして、このノンアルコールビールはいくら飲んでも本当に飲酒運転にならないのでしょうか。
ノンアルコールビールはビールテイスト飲料といわれているもので、アルコール度数が1%未満で酒税法上「酒類」に属さないビール風味の飲み物です。現在、国内外の各メーカーから、このノンアルコールビールをはじめ酎ハイ風味やハイボール風味など、さまざまなノンアルコール飲料が発売されています。
しかし、このノンアルコール飲料ですが、完全なアルコール0%のものから、0.1〜0.9%の微量のアルコールを含んでいるものまで、さまざまな商品があるのが現状です。
アルコール0%のものであれば、飲んでもアルコールは検出されませんが、微量のアルコールを含んでいる商品を短時間に大量に摂取すると、体内のアルコール濃度が上昇する可能性があります。そのような状態でクルマを運転すると、酒気帯び運転、酒酔い運転にあたる場合があります。
道路交通法によると、呼気中のアルコール濃度が0.15mg以上検出された場合には「酒気帯び運転」、そして検出した数値に関わらずアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態にある場合は「酒酔い運転」になると規定されています。
なお、違反点数は次のとおり。
・呼気1リットル中のアルコール濃度0.15mg以上0.25ミmg未満酒気帯び運転→13点
・呼気1リットル中のアルコール濃度0.25mg以上の酒気帯び運転→25点
・酒酔い運転→35点
また、酒気帯び運転には「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、酒酔い運転には「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則も課せられます。
さらに、車両提供者や車両の同乗者、酒類を提供した人にも処罰が課される可能性がおおいにありますので、運転手以外も注意が必要です。
結論として、検出されたアルコール濃度が低くても飲酒運転と判断されてしまうケースもありうるのです。
呼気中にどの程度アルコールが検出されるか、アルコールが運転にどのように影響するかは、摂取したアルコールの度数及び量のみならず、1人1人の体質やその日の体調等によって大きく変わります。ですので、ノンアルコール飲料といえど、油断はできません。
違反点数や罰則はさておき、なによりアルコールの影響下では人は正常な判断や行動ができません。「ちょっとだったら大丈夫」という根拠なき自信で、人生を棒にふることのないようにしましょう。
どうしても、ノンアルコール飲料で喉を潤したいときは必ず「アルコール0.00%」の「完全ノンアル」商品を探してください。
(萩原文博)
※2022年1月18日の記事を2023年12月22日に追記・再編集しました。
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