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■現役レースクイーンがドライバーとコ・ドライバーでコンビを組む
11月26日に豊田スタジアムを中心に開催されたTOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in豊田。このラリーに現役レースクイーンのコンビがエントリーしていました。それも、メディバンネップリ日本レースクイーン大賞2023にエントリーしている人気のレースクイーンです。
Wellpine Motorsport「DL 高崎くす子 ヤリスCVT」でエントリーのこのコンビ。ドライバーが荏崎ろあさん、コ・ドライバーが赤城ありささんです。
荏崎ろあさんは、昨年のRALLY JAPAN 2022から、Wellpine Motorsportでメカニックとして活躍していましたが、本業はレースクイーン!SUPER GTのGT300クラス 5号車 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号を応援するマッハ車検ギャルとして、またドリフト競技の最高峰なD1GPのイメージガールとして活躍しています。
赤城ありささんは、今年の7月2日に開催されたTOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in 渋川伊香保でラリードライバーとしてデビューしていましたが、今回はコ・ドライバーとして参戦。
その赤城ありささんも現役レースクイーンで、D1GPの「俺だ!レーシング」を応援するエヴァンゲリオンレーシングの綾波レイ役レースクイーンとして、またスーパー耐久では富士24時間レースでクラス優勝、シリーズランキング2位のデミオディーゼル、DIXCELアラゴスタNOPROデミオを応援するサーキットのメイドさん「TEAM NOPROレースクイーン」として活躍しています。
今回の豊田戦は荏崎ろあさんのドライバーデビューとあって、緊張した面持ち?と書きたいところですが、荏崎ろあさんに緊張の様子は見受けられません。むしろ、楽しんでいるような雰囲気。
スバル・インプレッサSTIと日産・S15シルビアを愛車に持つ荏崎ろあさんにとって、CVTのヤリスは恐るるに足らず!と言ったところでしょうか?
前述の通り、スポーツカー乗りの印象を持ってしまう荏崎ろあさんなので、6点式シートベルトはお手のもの。しかしHANSデバイス(ヘルメットの下部に取り付ける安全アイテム)は初装着とのこと。これをシートベルトに挟み込んだりするのを赤城ありささんが手伝う様子は、2人が協力し合いながらラリーに臨んでいく、ということを象徴するかのようでした。
●ラリチャレ豊田はフォーラムエイト・ラリージャパン2023のコースを使う!
今回、このコンビが参戦するTOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in豊田は、他のRally challengeと大きく異なる部分があります。それはこの日の最終SS、つまり最終の競技計測区間に、世界ラリー選手権 FORUM8 RALLY JAPAN 2023で使用した豊田スタジアムSSSをそのまま使うところ。
今回の大会は、あのTOYOTA GAZOO Racing Wrold Rally Team(TGR WRT)が表彰台を独占したことも記憶に新しいラリージャパン2023の翌週に開催されたため、わざわざコースを残してあったのです。参加者は、このSSのために必ず豊田スタジアムに戻ってくると固く心に誓います。
11時のスタートから競技車両がこの豊田スタジアムSSSを走行開始する15時ころまで、来場者が楽しめるようにとデモランまで用意されています。有料観覧席はあるものの、それを除いて入場料は無料。
ラリージャパン2023で、SS10本をベストタイムでクリアした勝田貴元選手のヤリスWRCと、TGR WRTのヤリ・マティ・マトバラ代表が操るサファリラリー仕様のST185セリカGr.Aの豪快なドリフトが無料で見ることができるという太っ腹。さすがトヨタ自動車の地元開催イベント!というほかありません。
そんなデモランが始まる直前、DL 高崎くす子 ヤリスCVTに乗る荏崎ろあさんと赤城ありささんのコンビは、豊田スタジアムから矢作川をはさんで反対側にある白浜公園の河川敷に設定されたSSを走り抜けます。
その後、2ヵ所のSSを走り抜けてから豊田スタジアムに戻ってくるDL 高崎くす子 ヤリスCVT。途中のリエゾン区間で道に迷って5分の遅着があったとのことですが、無事に豊田スタジアムに戻ってくることが出来ました。
初ドライバーの荏崎ろあさんに、ここまでの感想を聞いてみました。
「監督から車を壊さないように慎重に完走を目指そうと言われていたので、それを忠実に守って基本的には安全運転で走っていきましたが、コ・ドライバーの赤城ありささんの指示に従って、SSで飛ばせるところは少しペースを上げていく感じで走行しました」。
しかし、ボイスレコーダーの電源を切ると「マジで楽しすぎですよ、林道のSS。ヤバい! もっと走りたい!」とスゴイ本音が出てきます。
これまで3本のSSを走ってきての順位に合わせて走行の順番を組み替えるリグループがあるため、マシンを車両保管場所に移動して、しばしの休憩。昼食もこのタイミングで取るのですが、二人の手には参加者へのサービス、五平餅が!
昼食後にはいよいよ最終SS、豊田スタジアムSSSへ。ヘルメットをかぶり準備万端で豊田スタジアムの特設コースへと向かいます。
●2台が一緒に走るバトル形式のスーパーSS
豊田スタジアムSSSのイン側のスタートラインへとつくゼッケン32 DL 高崎くす子 ヤリスCVT。アウト側にも何やらキャラクターが貼られたヤリスが並びます。ゼッケン31 こうめちゃんレーシングヤリス。このマシンのドライバーは現役女子高校生、JK!
場内アナウンスでは、現役JK vs. 現役レースクイーンの戦いをやたら煽ります。
2台が並走してのバトル形式のスーパーSS。このバトル形式の罠に乗ってしまってペースを乱すのが一番危険だということは、ラリージャパン2023でも何度も見てきました。
しかし、DL 高崎くす子 ヤリスCVTは自分のペースを守り抜いての走行をみせてくれます。ジャンプ台で飛び出しそうなペースに見えたところも、頂上目前で減速しジャンプを避けて丁寧に走り、コーナーもアウトinアウトを忠実に守っての車を労わる走りを見せていました。
ラリーはマシンを確実にサービスパークに戻して来ることが大事…と、どこかのラリーの大御所の方が言っていたのを思い出しますが、荏崎ろあさんと赤城ありささんのDL 高崎くす子 ヤリスCVTは、その言葉通りのドライブで豊田スタジアムSSSを走り抜けました。
現役レースクイーンの中でも屈指の車好きな2人が、コンビとなって挑んだTOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in豊田。またこんな素敵なチャレンジが観てみたい。そう願って止みません。
(写真・文:松永 和浩)