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■レインウェアを着ていてもお尻が濡れる
少し前に「雨具を着ていたのに、お尻がびしょびしょ……股間に水が侵入したのはなぜ?【バイク乗りがやっちまった失敗談・その4】」という記事を書きました。このときは、私のレインウェアのシール部が劣化していたことが原因だったわけですが、ネット検索をしているとあることに気づきました。
私はあまり雨の日に乗らないのではっきり認識していなかったのですが、どうやら股間に水がしみてくるというのは、劣化していないレインウェアをはいていてもよくあることのようなのです。いわれてみると、私も過去にそういう経験をしたことがあるような気がします。
それにしても、なにかいい対策はないのか? ということで試みた“外パンツ”方式が、いちおうの成功を収めたので記事を書いてみました。
●水産業者用の防水パンツを流用した
前述の「雨具を着ていたのに、お尻がびしょびしょ……股間に水が侵入したのはなぜ?【バイク乗りがやっちまった失敗談・その4】」の記事を書いたあと、どういう反応があるのかな、と思って、Twitterの書き込みをみてみました。
すると、この記事をメンションしてくれているツイートの中に『バイク用レインパンツだけはGORE-TEXでも解決しない 昔ながらのゴム引きの方が優れてる』というコメントが見られました。そうか。ゴム引きか! たしかに防水性能だけを考えたらゴム引きのパンツはありかもしれません。
そこで「ゴム引き 合羽」で検索してみたのですが、そこでヒットしてきたのが、ゴムというよりPVC(ポリ塩化ビニル)コーティングのカッパでした。PVCなら、完全防水(っていっていいのかな?)のはずです。そこで、PVCの合羽を試してみることにしました。
私が選んだのは、MRINE EXCELLというブランドのズボンです。漁師や水産加工業のひと用のヘビーデューティーなものです。中途半端なものを選んで失敗したくないので、ゴツいのを選んでみました。
製品が到着。ゴツい! あたりまえですが、このままではバイク用には向きません。丈が長くないし、厚くて柔軟性や伸縮性に欠ける。畳んでもかなりかさばるので、バイクで携行するにはつらい。そして、なによりPVCは透湿性がない。
バイク用のレインパンツは、膝を曲げた状態でも裾が足りなくならないように、かなり長めの丈になっているし、バタつかないように裾が面ファスナーなどで絞れるようになっています。ムレないように防水透湿素材が使われているものも多くなっています。
とはいえ、浸水が問題なのは股の部分だけです。じゃあ、下のほうは必要ないじゃん。というわけで、短パン状にカットしてみました。これを、バイク用レインウエアの上に、“外パンツ”状態ではいたらどうかと考えたのです。それでもそれなりにかさばるのですが、バイクで携行できないサイズではなくなりました。
●本降りの中で半日以上走行
そして、ある日、バイクで出かける予定だったのに雨予報の日が訪れました。またとないチャンス! 私はゴールドウィンのバイク用レインウエアの上に、“外パンツ”状態になったPVCズボンをはいてみました。まぁ、ちょっと変ですが、そんなことをいっていられる天候じゃありません。
そして雨の中高速道路を約1時間半走行。天気予報の雨量は5〜7mmくらいで、じっさいけっこうな本降りでした。レイングローブは雨がしみてしまい、アンダーシャツの袖の部分まで濡れてしまいました。高速を下りてからも、けっきょく昼過ぎまで1〜2mmの雨は残り、その中でも休み休み走り続けました。完全に止んだのは夕方でしたが……結果、雨が股に染み込むことはありませんでした!
成功です。もちろん、バイクの種類にもよるだろうし、雨量や風にもよるかもしれません。しかし、少なくともこの日、バイク用レインウエア+PVC外パンツという組み合わせは、本降りの雨の中、股への浸水をシャットアウトしてくれました。また、透湿性のなさも特に気にはなりませんでした。
●ドライスーツなんかも使えるかも?
メットインスクーターで通勤に使う、なんていうひとなら、あるいはPVCズボンをそのままはいてもいいかもしれません。いっぽうで、このPVCズボンもそんなに安いものじゃありません。今回は新品を買ってしまったのですが、どうせカットして“外パンツ”として使うのだから、ヤフオクなどで中古品を買えば安上がりにはなるでしょう。
また、ダイビング用のドライスーツなんかも、同様に短パン状にカットして使うことができるかもしれません。
雨でも乗るライダーにとっては深刻な(?)「カッパを着ていても股に水がしみてくる問題」ですが、この“外パンツ”方式が解決のヒントになれば幸いです。
(まめ蔵)