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■福岡県北九州市で日本初の競輪「第1回小倉競輪競争」が開催
1941(昭和16)年11月20日、福岡県小倉市(現、北九州市)で日本初の公営競輪「第1回小倉競輪競争」が開催されました。4日間行われ、観客動員数は延べ5万5千人、総売り上げ1973万円(現在の約20億円に相当)を記録して大成功し、競輪ブームに火を付けました。
●公営競技として始まった日本発祥の競輪
競輪は、日本発祥であり、公営競技のひとつとして80年以上の歴史を持ち、公営ギャンブルとして今も根強い人気を獲得しています。一方で、2000年のシドニーオリンピックでは「ケイリン」が、2012年のロンドンオリンピックからは「女子ケイリン」が正式種目となり、世界的にもスポーツとして認められました。
競輪は、1948年6月に自転車競技法案が可決されたことに始まり、同年11月20日に国民体育大会の自転車競技会場として作られた小倉競輪場で第1回小倉競輪が開催される運びとなったのです。
4日間行われ、観客動員数は延べ5万5千人、総売り上げ1973万円(現在の約20億円に相当)を記録して大成功となりました。これを受け、多くの自治体が競輪事業に乗り出し、2年後には50ヶ所、3年後には63ヶ所の競輪場が建設されました。
その後、運営面でのトラブルなどで人気が低迷する時期もありましたが、現在は公営競技では中央競馬に続いて2位の人気を誇っています。ちなみに3位以下は、ボートレース、地方競馬、オートレース、宝くじの順です。
●速さを追求する競輪用自転車(レーサー)の特徴
競輪は、バンクの最大傾斜角24度~36度を持つ周長255m、333m、400m、500mの周回コースを、333mなら6周、400mなら5周、500mなら4周が基本で、約2000mの距離を競います。
速さを競うレーサーは、クルマと同じように軽量化と空気抵抗の低減がポイントで、その構造は一般の自転車やロードバイクやクロスバイクとは、大きく異なります。レーサーは、規格に準じた上で選手の体型や脚力などを考慮して、選手自身でカスタマイズされるので、最高速度は70km/hにも達します。
・耐久性に優れた軽量フレーム構造
不要な装備が一切ないシンプルな構造で、フレームには軽量化と耐久性を考慮してクロムモリブデン鋼、カーボン、アルミなどが使われます。一般的な自転車の重量が15kg~20kg程度に対して、競輪用は7kg~8kgしかありません。ハンドルは、空力低減のため選手が前傾姿勢になるようにドロップハンドルが使われます。
・変速機構のない固定ギア
ギア比は、4.0以下という規定があり、速さを追求するため4.0に近い3.9前後が採用されます。例えば、ギア比3.9ではペダル1回転で後輪は3.9回転することになります。一般的な自転車のギア比は2.1~2.4ぐらいなので、レーサーはその分速く走れますが、選手には大きな踏力が必要です。
・最大の特徴は、ブレーキ装置がないこと
止まる場合は、ペダルを逆に踏んでタイヤと直結クランクの回転を抑えることで減速させます。ブレーキがないのは、構造の単純化、軽量化のためであり、またレース中のブレーキ操作による急激な減速による接触事故を防ぐためでもあります。
・ほとんど溝のない細いタイヤ
タイヤのサイズは、外径675mm、太さは22mmと決められています。タイヤ幅を細く地面との接地面積を小さくすることで、転がり抵抗を小さく、空気抵抗も減らす効果を狙ったものです。タイヤ表面には、小さな粒状の凹凸がありますが、パッと見はスリックタイヤのようで、そのためか雨のレースでは転倒事故が多いそうです。
昨今はロードバイクブームで、公道を走るロードレーサーやロードバイクをよく見かけるようになりました。競輪に行かない人は、競輪用レーサーを見ることはありませんが、まれに競輪選手が練習のために公道を走る姿を見かけ、太ももの太さとタイヤの細いのに、驚かされます。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)