ヤマハがネイキッドスポーツ「MT-09」をモデルチェンジ。車体や前後サスをアップデートした新型が2024年春以降に登場

■EICMA2023で欧州モデルを初披露

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、2023年11月7日からミラノで開催されるEICMA2023(通称ミラノショー)に、900ccのネイキッドスポーツ「MT-09」をモデルチェンジした新型を出展することを発表。日本では、2024年春以降に発売を予定していることを明らかにしました。

細部に渡るアップデートを受けた新型MT-09(写真はEU仕様車)
細部に渡るアップデートを受けた新型MT-09(写真はEU仕様車)

新型モデルでは、フェイスデザインや燃料タンクのデザインを刷新。また、車体まわりや前後サスペンションを改良するなど、細部に渡るアップデートを行っていることがポイントです。


●軽快な走りが魅力のスポーツネイキッド

アグレッシブなスタイルや、街中からワインディングまで軽快に走れることが魅力のヤマハMTシリーズ。

1000ccの「MT-10/SP」や700ccの「MT-07」、320ccの「MT-03」、250ccの「MT-25」、そして2023年11月10日に発売予定の125cc「MT-125」といった豊富なラインアップを誇るスポーツネイキッドです。

なかでもMT-09は、初代が2014年に発売。シリーズ最初のモデルとして登場して以来、日本はもちろん欧州などの海外でも根強い人気を誇っています。

現行モデルのMT-09
現行モデルのMT-09

2021年にフルモデルチェンジを受けた現行モデルは、3気筒エンジンの排気量を845ccから888ccにアップし、ピストンやコンロッドなど多くの主要パーツを新設計することで軽量化も実現。

CFアルミダイキャスト製フレームや、独自技術により超軽量に仕上げた「スピンフォージド・ホイール(SPINFORGED WHEEL)」などの装備により、軽快なハンドリングを実現します。

●新作タイヤの採用で前後サスもリセッティング

その新型となる2024年型MT-09では、まず、車体を改良。エンジン懸架を変更して剛性を高める一方、フロントまわりの剛性をやや抑え気味にチューニングするなどで、より幅広い領域での安定感と軽快さの両立を実現しています。

ブリヂストン製「バトラックス ハイパースポーツS23」を採用し、前後サスもリセッティング(写真はEU仕様車)
ブリヂストン製「バトラックス ハイパースポーツS23」を採用し、前後サスもリセッティング(写真はEU仕様車)

また、タイヤには、新しく発売されたばかりのブリヂストン製「バトラックス ハイパースポーツS23」を採用。これに連動し、前後サスペンションのバネ定数と減衰特性のリセッティングも実施しています。

さらに、乗車姿勢の自由度に配慮して、ライディングポジション関連装備にも新機構を採用。ハンドルバーの位置を2段階に調整できることで、好みの高さを設定できます。また、フットレストもアジャスタブルタイプを採用。これらにより、ライダーの体格やラインディングスタイルの違いに対応したセッティングを行えます。

新型MT-09のフロントビュー
新型MT-09のフロントビュー

外観では、新型のバイファンクショナルLEDヘッドランプを採用するなどで、フェイスデザインも刷新。燃料タンクも新デザインとすることで、従来イメージを踏襲しつつも、より精悍なフォルムを実現しています。

電子制御システムでは、出力特性やトラクションコントロールなどのモードを統合的に切り替えることができる「YRC(ヤマハライドコントロール)」を搭載。スポーツ走行やツーリング、雨天時など、走行状況や天候などに応じたセットアップを可能とします。

なお、高速道路などで、アクセル操作なしで設定速度を維持する「クルーズコントロールシステム」も、現行モデルと同様に採用。ロングツーリングなどで、ライダーの疲労度軽減に貢献します。

新型MT-09のサイドビュー
新型MT-09のサイドビュー

ほかにも、スマホとの連携が可能な5インチフルカラーTFTメーターや、Type-CのUSBソケットなどの便利な機能も採用。フラッシャーなどの灯火類も新設計とするなど、細部に渡る改良が施されています。

日本仕様のMT-09は、まだ価格などは未発表。また、現行モデルに設定がある上級グレード「MT-09SP」が、新型にも登場するのかなども明らかになっていませんが、アップデートされた2024年モデルが一体どんな乗り味を体感させてくれるのか、今からとっても気になりますね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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