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■藤野選手、ランキング首位陥落もポイント差はわずか

10月最後の週末、大分県・オートポリスで2023グランツーリスモD1GPシリーズの第7戦・第8戦が行われました。
ラウンド前にランキング首位に立っていた藤野選手は、第8戦で不運のエンジントラブルに見舞われたこともあり、5位にまで下がってしまいましたが、首位とのポイント差は9pts。主役のひとりに名を連ねて、最後のお台場2連戦に臨むかたちとなりました。
●第7戦、川畑選手は同じTOYOTIRES勢の松山選手に惜敗

前戦のエビスラウンドでは、川畑選手、藤野選手が連続優勝するという好調さをみせたTEAM TOYOTIRES DRIFT。オートポリスでの第7戦、第8戦も同じくGR86の2台体制で臨みます。
特に大きなアップデートはなく臨んだ土曜日の第7戦、川畑選手、藤野選手ともに1本目から難なく98点台の高得点をマーク。藤野選手が11位、川畑選手が12位で単走決勝を通過しました。

追走トーナメントに入ると、川畑選手のベスト16の対戦相手は、同じTOYOTIRES勢の松山北斗選手。川畑選手も進入速度はかなり速いほうなのですが、松山選手のGRスープラはそれを上まわるスピードを見せます。川畑選手は後追いから距離を詰めることができず、先行時にはいい走りをしたものの、松山選手に寄せられてしまい敗退。ラウンド順位は12位に終わりました。
川畑選手は「松山選手は速かったですね。今日はなにもできませんでした。2本目の先行は思い切っていい走りをしようと切り替えて走ることができましたが」とのことでした。

また、藤野選手はベスト16で追走初進出の久保川選手を倒すと、ベスト8ではシルビア(S15)に乗る末永選手と対戦。藤野選手の後追いは前半近い距離につけられず、後半で角度が浅くなってしまったこともあり、アドバンテージがとれません。
2本目の先行時にも、藤野選手は通過指定ゾーンを外してしまい逆転ならず。第7戦は8位で終了。ポイントランキングも3位に後退してしまいました。
また、藤野選手はこの日、やや不安材料を抱えたまま走っていました。「振動がすごくて、原因がまだわかってないんです。加速するとワーってすごい振動が出てて…」。
結局、この日はトランスミッションを下ろし、クラッチなども見直し、マフラーがエンジンに当たっていた部分も調整しましたが、作業が夜までかかったのでエンジンの再始動はできないまま、翌日の第8戦を迎えることになります。
●第8戦、藤野選手のマシンがチェック走行でエンジントラブル

そして、その第8戦。朝のチェック走行でトラブルが起こります。1本走行後に藤野選手のエンジンがストップ。ピットに戻ってエンジン載せ替えに入ります。あいにく藤野選手は単走決勝の第1走者で、この時点で残り約1時間半。メカニックは迅速に作業を進めましたが、出走には間に合わず、リタイヤとなってしまいました。
「昨日の時点ではエンジンじゃないだろうという判断になって、今日も多分、大丈夫だろうって行ったんですけど、チェック走行の1本目で、いや、これ絶対やばい!みたいな状態になって、すぐ戻ってこようと思ったら、エンジンが途中でプッて止まってしまいました」と藤野選手は話します。

一方の川畑選手は、前日の内容からリヤサスペンションのセッティングを変更し、よりトラクションを上げて第8戦に臨みました。それによって前日よりも高い進入速度をマークし、8位で単走を通過。追走でもベスト16で植尾選手に勝利して、ベスト8に進出しました。
ベスト8の対戦相手は、やはりGR86に乗る中村選手。1本目は後追いの川畑選手が中村選手に接近ドリフトを見せ、接近ポイントでは+10を獲得します。しかし、やや角度が浅かったこともあって機械審査(DOSS)のベース点が低く、アドバンテージは3にとどまりました。
そして入れ替えた2本目、今度は中村選手にキレイに合わせられてしまい逆転負け。これで川畑選手は6位に終わりました。

川畑選手は、「直線でちょっと捕まえきれなかったのもあって、進入してから飛び込みで追いつこうとして寄っていったときに減速が入るんですけど、その減速にちょっとひるんじゃったんですね。次のアクセルをちょっと踏み遅れてしまう形になって、角度が浅くなっちゃいました。昨日よりトラクションは良くなってるんですけど、スピードのコントロールと、アクセルのメリハリをもっとちゃんとつけれるようにしないといけないと思いました」と話しています。

終わってみれば、ポイントランキングの首位と2位だった田中選手と松山選手も単走で敗退。中村選手と蕎麦切選手が上位に浮上し、藤野選手は5位に後退しましたが、ポイント差はトップと9pts。残り2ラウンドあることを考えると、わずかな差です。

藤野選手も「まあ、これでね、シリーズ的には面白くはなったと思うので、お台場がんばります」とのことです。
2023年11月11日、12日に東京・お台場の特設会場で行われる第9戦、第10戦は、大混戦の激闘となること間違いありません!
(文:まめ蔵/写真提供:サンプロス、まめ蔵)