ドゥカティが新型ツアラー「ムルティストラーダV4 RS」を発表。スーパースポーツの高性能V4エンジンを搭載した最強仕様

■サーキット走行にも対応する高速ツアラー

イタリアのバイクメーカー「ドゥカティ」は、スポーツツアラーの新型モデル「ムルティストラーダV4 RS(Multistrada V4 RS)」を公開し、2024年1月から国内導入することを発表しました。

数多くのカーボンファイバー製パーツを採用することで、スポーティな雰囲気や上質感を演出
数多くのカーボンファイバー製パーツを採用することで、スポーティな雰囲気や上質感を演出

20年の歴史を誇るドゥカティのツーリングバイク、ムルティストラーダ・シリーズの最新モデルとなるのが、ムルティストラーダV4 RS。

注目は、スーパースポーツ「パニガーレV4」用の1103cc・90度V型4気筒エンジン、通称「デスモセディチ・ストラダーレ・エンジン」を搭載すること。

また、乾式クラッチや数多くのカーボンファイバー製パーツ、チタニウム製サブフレームといった数々の高性能な装備を持つことで、シリーズ最強のスペックを誇っています。

●数多くのカーボンファイバー製パーツを採用

ムルティストラーダV4 RSの外観は、シリーズ共通のクチバシを思わせるフロントフェイスやアップライトなポジションを生むバーハンドル、高速巡航での快適性を生むウインドスクリーンなど、シリーズ共通のスタイルを継承しています。

ムルティストラーダV4 RSのサイドビュー
ムルティストラーダV4 RSのサイドビュー

他のモデルと違うのは、MotoGPマシン「デスモセディチGP」にヒントを得たというエキサイティングなカラーリングを採用していること。

また、フロントフェンダー、ハンドガード(このモデルのために特別に設計)、ヒートシールド、ビーク(クチバシ)などには、カーボンファイバー製パーツを採用。よりスポーティなスタイルを演出しています。

ヒートシールド、ビーク(クチバシ)などには、カーボンファイバー製パーツを採用
ヒートシールド、ビーク(クチバシ)などには、カーボンファイバー製パーツを採用

また、シートサポート・フレームにはチタニウム製を装備することで、上質な雰囲気と、標準バージョンのフレームと比較して2.5kgの軽量化も実現。シリーズ最強といえる高次元な走りに貢献します。

●全域でパワフルな1103cc・V4エンジン

パワートレインは、前述の通りスーパースポーツのパニガーレV4に搭載するデスモセディチ・ストラダーレ・エンジン。独自のデスモドロミック・バルブ駆動システムを採用した1103cc・90度V型4気筒エンジンを採用しています。

専用のアクラポヴィッチ製サイレンサーを装備
専用のアクラポヴィッチ製サイレンサーを装備

最高出力180PS/13500rpmを発揮するパワートレインは、低回転域でスムーズで安定したパワーを提供する一方、高回転のリミッター付近ではデスモドロミック・バルブ駆動システムにより圧倒的なパワーを発生。

また、専用のアクラポヴィッチ製サイレンサーを装備することで、低回転域では心地よい音色を発し、高回転域を使った加速時はスーパースポーツを彷彿とさせるエキサイティングなサウンドを堪能できます。

足まわりには、オーリンズ製「Smart EC 2.0サスペンション」を採用。最新の電子制御サスは、ライダーのライディングスタイルに基づいて設定を自動的に調整する「イベントベース」システムを採用しており、特にスポーティな走行で最高のパフォーマンスを発揮するといいます。

また、片持ち式アルミニウム製スイングアーム、前後17インチの鍛造ホイールなどにより、ムルティストラーダ・シリーズの中で、もっともスポーティなライディング・フィールを実現します。

●電子制御システムもスーパースポーツ並み

さらに、最新の電子制御システムも採用。4つのパワーモード(フル、ハイ、ミディアム、ロー)、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)、エンジンブレーキ・コントロール(EBC)、ドゥカティ・クイックシフト(DQS)など、幅広いスキルのライダーが高性能なポテンシャルを発揮しやすい装備が満載です。

最新の電子制御システムが、高性能な走りをアシスト
最新の電子制御システムが、高性能な走りをアシスト

また、これら数々の制御は、モデルのキャラクターと使用目的に合わせて調整されており、「レース」「スポーツ」「ツーリング」「アーバン」といった4つのライディングモードに統合。ライダーは、好みや路面状況などに応じて、簡単にセッティングを変更することが可能です。

なお、このモデルにはフロントおよびリヤにレーダーシステムも搭載。アクセルなどを操作しなくても、高速道路などで一定の車間を保持しながら前車を追従する「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」や、斜め後方など死角を走る車両があることをウインカーのインジケーターで知らせる「BSD(ブラインド・スポット検知)」も採用し、高い快適性や安全性を誇ります。

片持ち式アルミニウム製スイングアーム、前後17インチの鍛造ホイールなどにより、スポーティなライディング・フィールを実現
片持ち式アルミニウム製スイングアーム、前後17インチの鍛造ホイールなどにより、スポーティなライディング・フィールを実現

ほかにも、6.5インチTFTメーターパネルは、スマホなどモバイル機器のミラーリング機能を備えたドゥカティ・コネクトも装備し、ナビゲーション・マップを表示可能。スマートフォン収納スペースはベンチレーション機能も備えることで、ナビゲーション機能の使用中や充電中にスマートフォンを冷却することもできます。

なお、ムルティストラーダV4 RSには、1台1台にシリアルナンバー(製造番号)も付いており、ナンバーはトリプルクランプに取り付けられたプレートに刻印。より特別な仕様であることを証明します。

価格(税込)は497万4000円で、前述の通り、2024年1月からドゥカティ正規ディーラーネットワークで販売される予定です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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