第7戦オートポリス450km、au TOM’S GR Supraが予選12位から大番狂わせの優勝へ【スーパーGT 2023 GT500】

■ポールシッターの16号車 ARTA MUGEN NSX-GTがレースをリード

10月14日(土)・15日(日)に大分県のオートポリスで開催の2023 AUTOBACS SUPER GT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』。10月15日(日)には決勝レースが行われました。

スタートの様子
スタートの様子

気温17度・路面温度25度で風が強めの中、13時30分に大分県警察の白バイやパトロールカー先導の交通安全啓発パレードラップの後、フォーメーションラップを経て450kmの決勝レースがスタート。

16号車 ARTA MUGEN NSX-GT
16号車 ARTA MUGEN NSX-GT

レース序盤はポールポジションからスタートした16号車 ARTA MUGEN NSX-GTがップを独走し、予選3番手から19号車 WedsSport ADVAN GR Supraを抜いて2番手に浮上した39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supraを20秒弱引き離していきます。

DENSO KOBELCO SARD GR Supraに抜かれたWedsSport ADVAN GR Supraは全くペースが上がらず、7周目までに6番手まで順位を落としていきます。

ZENT CERUMO GR Supra
ZENT CERUMO GR Supra

一方、オートポリスラストランとなる38号車 ZENT CERUMO GR Supraの立川祐路選手は、9周目には4番手に浮上。14周目にも17号車 Astemo NSX-GTとDENSO KOBELCO SARD GR Supraを次々に抜き去り2番手に浮上!最後のオートポリスでの見せ場に観客は歓声をあげていました。

ZENT CERUMO GR Supraピット作業
ZENT CERUMO GR Supraピット作業

19周目に入るとトップの16号車ARTA MUGEN NSX-GT、ZENT CERUMO GR SupraとAstemo NSX-GTが1回目のピットイン。そして23号車 MOTUL AUTECH Zが21周目に最初のピットイン。

その後方では予選9位スタートでまだピットインしていない3号車 Niterra MOTUL Zが14号車 ENEOS X PRIME GR Supraをぬいて2番手に浮上。

ENEOS X PRIME GR Supraの後ろには予選12位だった36号車 au TOM’S GR Supraが4番手まで上がってきています。そのNiterra MOTUL Zは29周目にピットイン、そしてau TOM’S GR Supraは34周目にピットインし、最初のピット作業。ここで36号車は坪井翔選手からから宮田莉朋選手に交代します。

16号車 ARTA MUGEN NSX-GTピット作業
16号車 ARTA MUGEN NSX-GTピット作業

36周目の順位は、トップが16号車ARTA MUGEN NSX-GT 、2番手にMOTUL AUTECH Z、4番手にZENT CERUMO GR Supra、5番手にNiterra MOTUL Zとなります。

●気が付けば36号車がトップ集団!そして優勝へ!

全車が1回目のピットを終えた36周目にau TOM’S GR Supraは11番手でしたが、宮田選手はペースが速く、39周目には24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zを抜いて8番手に、MOTUL AUTECH Zが40周目に2度目のピットインをしたことで7番手となります。

Niterra MOTUL Zのピット作業
Niterra MOTUL Zのピット作業

その後は50周目にはZENT CERUMO GR Supraが2度目のピット作業を行なって立川選手から石浦宏明選手に交代。2番手でコースに復帰。

au TOM’S GR Supraは、65周目にピット作業を行なって、5番手でコースに復帰します。

16号車 ARTA MUGEN NSX-GTピット作業
16号車 ARTA MUGEN NSX-GTピット作業

Niterra MOTUL Zは67周目にZENT CERUMO GR Supraを捉えて2番手に浮上。トップを走行する16号車との差を徐々に詰めていった。au TOM’S GR Supraも70周目にZENT CERUMO GR Supraを抜いて3番手。そしてNiterra MOTUL Zに迫り熾烈なドッグファイトを繰り広げながら77周目の第1ヘアピンで抜き去って2番手に。

終盤のトップ争い
終盤のトップ争い

そして87周目の第2ヘアピンでau TOM’S GR Supraは16号車を抜き去ってトップに躍り出ます。その後は徐々にリードを広げて97周を走り切って見事11台抜き!の優勝を手に入れました。

au TOM'S GR Supra優勝の瞬間
au TOM’S GR Supra優勝の瞬間

au TOM’S GR Supraが第2戦富士以来の今季2勝目となります。

2位はau TOM’S GR Supraに抜かれた後にNiterra MOTUL Zにも執拗に追われてはいましたがポジションを死守した16号車 ARTA MUGEN NSX-GT。3位は Niterra MOTUL Zとなりました。

優勝パルクフェルメでの坪井選手、伊藤監督、宮田選手
優勝パルクフェルメでの坪井選手、伊藤監督、宮田選手

これによりドライバーランキングは36号車のau TOM’S GR Supraが69ポイントとなりランキングトップ。Niterra MOTUL Zは62ポイントでランキング2番手。16号車 ARTA MUGEN NSX-GTは53ポイントとなり、ランキング3番手となりました。

GT500クラス表彰式
GT500クラス表彰式

11月14、15日のモビリティリゾートもてぎで開催される最終戦では、この上位3組がGT500クラスのタイトルを争うことになります。

au TOM'S GR Supra
au TOM’S GR Supra

最終戦もてぎでは全てのサクセスウェイトが外され、またオートポリス戦では唯一だった燃料リストリクターによるハンデを背負っていたNiterra MOTUL Zも燃料リストリクターとサクセスウェイトを外されます。

これによりマシンとドライバーの素のポテンシャルによるガチな戦いが繰り広げられることとなります。

次戦ではいよいよチャンピオンが決まります。これは絶対に見逃せませんね。

●スーパーGT2023第7戦 オートポリス GT500決勝 正式結果

GT500クラス表彰式
GT500クラス表彰式

順位 ゼッケン 車名 ドライバー ラップ
1 36 au TOM’S GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 坪井 翔、宮田 莉朋 97
2 16 ARTA MUGEN NSX-GT 福住 仁嶺、大津 弘樹 97
3 3 Niterra MOTUL Z 千代 勝正、高星 明誠 97
4 38 ZENT CERUMO GR Supra 立川 祐路、石浦 宏明 97
5 1 MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴、ベルトラン・バゲット 97
6 17 Astemo NSX-GT 塚越 広大、松下 信治 97
7 37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原 右京、ジュリアーノ・アレジ 97
8 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也、山下 健太 97
9 100 STANLEY NSX-GT 山本 尚貴、牧野 任祐 97
10 23 MOTUL AUTECH Z 松田 次生、ロニー・クインタレッリ 97
11 64 Modulo NSX-GT 伊沢 拓也、太田 格之進 97
12 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹、平手 晃平 95
13 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資、阪口 晴南  95
14 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛、中山 雄一 68
8 ARTA MUGEN NSX-GT 野尻 智紀、大湯 都史樹 41

(文:松永 和浩 /写真:吉見 幸夫)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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