第7戦オートポリス450kmでドッグファイトを逃げ切った埼玉トヨペットGB GR Supra GTが優勝【スーパーGT 2023 GT300】

■序盤から絡み合うmuta Racing GR86 GTと埼玉トヨペットGB GR Supra GT

2023年10月14日(土)、15日(日)に、大分県のオートポリスで開催の2023 AUTOBACS SUPER GT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』。10月15日(日)には決勝レースが行われました。

埼玉トヨペットGB GR Supra GT
埼玉トヨペットGB GR Supra GT

気温17度、路面温度25度で風が強めの中、13時30分、大分県警察の白バイやパトロールカー先導の交通安全啓発パレードラップの後、フォーメーションラップを経て450kmの決勝レースがスタート。

スタートの様子
スタートの様子

ポールポジションからスタートした2号車 muta Racing GR86 GTが序盤に後方との差を広げていき、続く61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、31号車 apr LC500h GT、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTによる2番手争いのバトル勃発。

muta Racing GR86 GT
muta Racing GR86 GT

6周目にapr LC500h GTがピットイン、タイヤ交換を行う作戦にでて後半に備える様子を見せます。その後、埼玉トヨペットGB GR Supra GTは激しかった2番手争いから抜け出し、muta Racing GR86 GTに迫り、18周目に追い抜いてトップに立ちます。

埼玉トヨペットGB GR Supra GT
埼玉トヨペットGB GR Supra GT

その埼玉トヨペットGB GR Supra GTは、32周目に最初のピットイン。なんとタイヤ無交換作戦で、スタートドライバーだった川合孝汰選手が2スティントを走ることになりました。

リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rのピット
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rのピット

また、48周目まで1回目のピットを遅らせた56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、ピットアウト後に一時トップに立ちます。さらに、わずか2周の50周目にもう一度ピットインして給油を行い、2回の給油ピット義務をクリアするという、とんでもない作戦を行います。


●ほぼ20周に届かんとするドッグファイトに魅了される終盤

トップの埼玉トヨペットGB GR Supra GTは、2回目のピットインを45周目で済ませ、ドライバーを吉田広樹選手へ交代。この後の残り45周ほどを、このタイヤセットで走り切る作戦です。

終盤のトップ争いのバトル
終盤のトップ争いのバトル

ほぼ全車が給油を伴う義務ピットイン2回を終えると、埼玉トヨペットGB GR Supra GTが再びトップとなります。57周目に2回目のピットインを終え、堤優威選手にチェンジしたmuta Racing GR86 GTは、前を走るapr LC500hを抜き去り、埼玉トヨペットGB GR Supra GTに迫ります。

当初その差は4秒でしたが、ペースの速いmuta Racing GR86 GTは、徐々にその差を詰めて行きます。その後方はapr LC500hとSUBARU BRZ R&D SPORTの3位争いが繰り広げられていきます。

muta Racing GR86 GTのピット
muta Racing GR86 GTのピット

埼玉トヨペットGB GR Supra GTとmuta Racing GR86 GTは、70周目にはテール・トゥ・ノーズとなり、1秒を切るようなバトルが延々とゴールまで続くことになります。

終盤のトップ争いのバトル
終盤のトップ争いのバトル

そのバトルは、埼玉トヨペットGB GR Supra GTがギリギリで勝利。わずか0.612秒差でmuta Racing GR86 GTが2位となりました。

埼玉トヨペットGB GR Supra GTは第6戦SUGOに続く連勝で、ドライバーズランキングはトップをキープ。このオートポリス戦の2位でランキング2番手となったmuta Racing GR86 GTとのポイント差は20ポイントとなります。

チェッカーの瞬間
チェッカーの瞬間

チャンピオン争いはこの2台の一騎打ちになりますが、最終戦もてぎでmuta Racing GR86 GTがチャンピオンを獲るためにはポールtoウィン以外の選択肢はありません。

優勝した埼玉トヨペットGB GR Supra GTのドライバー
優勝した埼玉トヨペットGB GR Supra GTのドライバー

一切のサクセスウェイトが外される最終戦もてぎで、この2台がどんな戦いをするのか? 興味が尽きないところとなります。

●スーパーGT 2023第7戦 オートポリス GT300決勝結果

GT300表彰式
GT300表彰式

順位 ゼッケン 車名 ドライバー 周回数
1 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 吉田 広樹、川合 孝汰、野中 誠太 91
2 2 muta Racing GR86 GT 堤 優威、平良 響、加藤 寛規 91
3 31 apr LC500h GT 嵯峨 宏紀、小高 一斗、根本 悠生 90
4 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人、山内 英輝 90
5 56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R J.P.デ・オリベイラ、名取 鉄平 90
6 4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口 信輝、片岡 龍也 90
7 88 JLOC ランボルギーニ GT3 小暮 卓史、元嶋 佑弥 90
8 7 Studie BMW M4 荒 聖治、ブルーノ・スペングラー  89
9 11 GAINER TANAX GT-R 富田 竜一郎、石川 京侍、塩津 佑介 89
10 10 PONOS GAINER GT-R 安田 裕信、大草 りき 89
11 50 ANEST IWATA Racing RC F GT3 I.オオムラ・フラガ、古谷 悠河、小山 美姫 89
12 55 LEON PYRAMID AMG 蒲生 尚弥、篠原 拓朗 89
13 20 シェイドレーシング GR86 GT 平中 克幸、清水 英志郎 89
14 360 RUNUP RIVAUX GT-R 青木 孝行、大滝 拓也 89
15 6 DOBOT Audi R8 LMS 片山 義章、R.メリ・ムンタン、神 晴也 89
16 30 apr GR86 GT 永井 宏明、織戸 学 89
17 18 UPGARAGE NSX GT3 小林 崇志、小出 峻 88
18 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林 勇佑、松井 孝允 88
19 87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦 孝亮、坂口 夏月 88
20 60 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本 大樹、河野 駿佑 88
21 48 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田 太陽、田中 優暉 87
22 22 アールキューズ AMG GT3 和田 久、城内 政樹  87
23 9 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG 阪口 良平、リアン・ジャトン 85
R 27 Yogibo NSX GT3 岩澤 優吾、伊東 黎明 24
R 96 K-tunes RC F GT3 新田 守男、高木 真一 21

(文:松永 和浩 /写真:吉見 幸夫)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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