■競合のライトジェット機よりも20%以上燃費を向上
ホンダは四輪・二輪だけでなく、身近な除雪機や耕運機などのパワープロダクツ、そしてロボットや航空機まで幅広く手がけています。航空機事業(ホンダジェット)は、2018年12月に型式証明を受けています。もちろん、コロナ禍などもあり黒字化という課題もあるものの、三菱重工による国産ジェット(撤退)とは明暗が分かれています。
このほどホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company/HACI)は、2023年10月17日から19日までネバダ州ラスベガスで開催されている、世界最大のビジネス航空機ショー「2023 ビジネス アビエーション コンベンション アンド エキシビション(2023 NBAA-BACE)」において、新型小型ビジネスジェット機の名称「HondaJet Echelon(ホンダジェット・エシュロン)」を発表しました。
なお、「Echelon」の名前の由来は、「梯形編隊飛行」を意味し、航空機では高効率な空力性能を実現する飛行パターンとして、燃費や二酸化炭素排出量削減などに効果があると言われているそうで、HondaJetの特徴が表現されています。
また、フランス語で梯子の「段」の意味もあるそうで、現在ではプレミアムカテゴリーを指す言葉として使われることから、「ホンダジェット」ブランドの最上級モデルという意味を込めて命名されています。
同会場では、「ホンダジェット・エシュロン」のモックアップモデル、現在販売されている「HondaJet Elite II(ホンダジェット・エリートII)」が展示され、HACIとして初めて2モデルが紹介されました。また「HondaJet Echelon」の2028年の型式証明取得に向けた計画として、2026年の初飛行を目指し、今後開発を推進するとしています。
「ホンダジェット・エシュロン」は、全方位で移動効率を高め、ライトジェット機より上位の機体カテゴリーと同等レベルの飛行体験を提供。同社独自技術である主翼上面のエンジン配置、自然層流翼型・ノーズ、コンポジット胴体がさらに進化しています。
これらにより、乗員・乗客合わせて最大11名が搭乗可能です。競合のライトジェット機(最大離陸重量が12,500ポンド以上、20,000ポンド以下の双発エンジンが搭載された機体。HondaJet Elite IIの一つ上のカテゴリー)より20%以上燃費を向上。
さらに、上位カテゴリーの中型ジェット機(最大離陸重量が20,000ポンド以上、35,000ポンド以下の双発エンジンを搭載された機体)に対しては40%以上燃費を向上(ニューヨーク-ロサンゼルス間)させることで、ライトジェット機として世界で初めてノンストップでのアメリカ大陸横断が可能になるそうです。
客室も、長距離飛行にも適した広いキャビン空間と優れた静粛性を実現。オーナーに快適で高効率な移動を提供するとしています。
(塚田 勝弘)