■レーシングカーを彷彿させる手作業によるドア・ラウンデル
ジャガーは、バッテリーEV(BEV)ブランドに生まれ変わり、2025年にはBEVのラグジュアリーブランドになると宣言しています。
内燃エンジンを搭載するスポーツカーのFタイプも、2024年モデルをもって生産を終了しますが、1960年代を象徴するEタイプの2台のレーシングカーにインスピレーションを得たという限定車「F-TYPE ZP EDITION」が発表されました。
世界限定150台の「ZP EDITION」は、日本にクーペモデルが12台導入されます。
「JAGUAR CLASSIC」による限定車の「E-TYPE PROJECT ZP COLLECTION」のテーマが反映されていて、「オウルトンブルー」と「クリスタルグレイ」のボディカラーに「デュオトーン」のインテリアが組み合わされています。
日本向けは「オウルトンブルー」「クリスタルグレイ」ともに各6色限定になります。
「オウルトンブルー・グロスペイント」は、1961年の発売直後にレースに参戦し、初勝利を挙げた「E-TYPE PROJECT ZP」を想起させるボディカラーで、「マーズレッド」と「エボニー」の「デュオトーン・レザーインテリア」が組み合わされています。
「クリスタルグレイ・グロスペイント」には、「ネイビーブルー」と「エボニー」の「デュオトーン・レザーインテリア」が組み合わされています。
エクステリアには、手作業によるレーシングスタイルのドア・ラウンデル(ポーセリン・ホワイトグロス仕上げ)をはじめ、グロスブラックのアクセントや「ZP EDITION」のフェンダーバッジ、20インチ鍛造アロイホイール(グロスブラック・ダイヤモンドターンド仕上げ)、グロスブラックのブレーキキャリパーなどが用意され、ひと目で特別なモデルであることが伝わってきます。
さらに、フルーテッドシートパターンのインテリアや「F-TYPE ZP EDITION」のスクリプトが配された配したトレッドプレートとダッシュボード、「ONE OF 150」と刻印された「SV BESPOKE」のプレートも、最後の内燃機関仕様のFタイプを記念するにふさわしい仕立てになっています。
搭載されるパワーユニットは迫力あるサウンドを満喫できる5.0L V8スーパーチャージャー。最高出力575PS・最大トルク700Nmによる圧倒的な加速フィールを堪能できます。駆動方式は「インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス(IDD)テクノロジー」を備えた全輪駆動システム(AWD)で、0-60mph(96.56km/h)加速はわずか3.5秒でクリア。最高速度はリミッターにより186mph(約299km/h)に制御されています。
電動化が進む中、こうした純ガソリン車のスーパースポーツモデルは排ガスなどの環境規制や騒音規制などで生き残りが難しくなっています。価格面と限定台数からも、限られたジャガー・ファン向けの、まさに特別な1台の登場です。
●価格:2363万円
(塚田勝弘)