第7戦オートポリス450km、予選はコースレコードで16号車 ARTA MUGEN NSX-GTが今季2度目のポール獲得【スーパーGT 2023 GT500】

■8号車ARTA MUGEN NSX-GTがクラッシュから奇跡の復活

10月14日(土)、15日(日)に大分県のオートポリスで開催の2023 AUTOBACS SUPER GT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』。10月14日(土)には公式予選が行われました。

8号車 ARTA MUGEN NSX-GTのアクシデント
8号車 ARTA MUGEN NSX-GTのアクシデント

午前中に行われた公式練習の終盤、コース自体はドライコンディションでしたが早朝まで降っていた小雨の影響でコースサイドのグリーンエスケープはまだ若干湿っていた状況でした。

8号車 ARTA MUGEN NSX-GTのアクシデント
8号車 ARTA MUGEN NSX-GTのアクシデント

コースアウトの際にそのグリーンに乗ってしまった8号車ARTA MUGEN NSX-GTの大湯都史樹選手。

8号車 ARTA MUGEN NSX-GTのアクシデント
8号車 ARTA MUGEN NSX-GTのアクシデント

スピン状態からアンダーパスの出口でガードレールに激突しマシンは大破してしまいます。

奇跡の復活をした8号車 ARTA MUGEN NSX-GT
奇跡の復活をした8号車 ARTA MUGEN NSX-GT

しかしARTAのメカニックやスタッフは持てる力を結集し、この大破したマシンを4時間足らずで修復。GT500クラスの予選Q1に間に合わせるという快挙を成し遂げました。


●NISSAN Z勢が全車Q1敗退

その予選Q1は曇り空の下、気温18℃、路面温度23℃という中、15時33分にコースオープン。

Deloitte TOM'S GR Supra
Deloitte TOM’S GR Supra

公式練習でトップタイムだった37号車Deloitte TOM’S GR Supraが1分31秒895を叩き出してトップに浮上。ドライブする笹原右京選手は2021年のオートポリスで16号車MUGEN NSX-GTでポールポジションをとっており、オートポリスは得意とするところ。

STANLEY NSX-GT
STANLEY NSX-GT

2番手には前戦SUGOでクラッシュした山本尚貴選手の留守を預かる牧野任祐の100号車STANLEY NSX-GTが1分32秒038を記録。立川祐路選手のオートポリスラストランにいい状態でバトンを渡したい38号車ZENT CERUMO GR Supraの石浦宏明選手が、1分32秒437で3番手となります。

Niterra MOTUL Z
Niterra MOTUL Z

このQ1、8番手までの中にNISSAN Zの姿はなく、ドライバーズランキングトップの3号車Niterra MOTUL Zの9番手が最上位という事となりました。

また、奇跡の復活を果たした8号車ARTA MUGEN NSX-GTは大湯選手が雪辱を晴らすべくQ1に臨みますが10番手でQ2に進出することはできませんでした。しかし予選Q1に臨めなければ最後尾スタートとなっていたため、チームの努力が無駄となることはありませんでした。

●渾身のコースレコードで16号車 ARTA MUGEN NSX-GTがポール獲得

予選Q2は午後4時11分にコースオープン。

山本尚貴選手の欠場によりこのオートポリス戦がGT500デビューをとなった木村偉織選手も、STANLEY NSX-GTでQ2に臨みます。

16号車 ARTA MUGEN NSX-GT
16号車 ARTA MUGEN NSX-GT

いきなり16号車ARTA MUGEN NSX-GTの福住仁嶺選手がウォームアップ2周からコースレコードを破る1分31秒131を叩き出してトップに立ちます。DENSO KOBELCO SARD GR Supraがそれに続く1分31秒997で2番手となりますが、その直後に19号車WedsSport ADVAN GR Supraが1分31秒604として2番手に浮上。

WedsSport ADVAN GR Supra
WedsSport ADVAN GR Supra

16号車ARTA MUGEN NSX-GTは文句なしのコースレコードで第5戦鈴鹿以来、今シーズン2度目のポールポジションを獲得。またARTAのチームとしては3戦連続のポールポジション獲得となります。2位はWedsSport ADVAN GR Supra、3位はDENSO KOBELCO SARD GR Supraとなりました。

DENSO KOBELCO SARD GR Supra
DENSO KOBELCO SARD GR Supra

またオートポリスでのラストレースに臨む立川選手のZENT CERUMO GR Supraは予選7位で自身の持つ最多ポールポジション記録の更新ならず。

ZENT CERUMO GR Supra
ZENT CERUMO GR Supra

注目のチャンピオン争いのランキング上位勢ではランキングトップのNiterra MOTUL Zが9位、ランキング2位の36号車au TOM’S GR Supraが12位の位置から決勝を戦うこととなりました。

16号車 ARTA MUGEN NSX-GTのドライバーと監督
16号車 ARTA MUGEN NSX-GTのドライバーと監督


●スーパーGT2023第6戦 SUGO GT500予選結果

順位 ゼッケン 車名 ドライバー タイム
1 #16 ARTA MUGEN NSX-GT 福住 仁嶺、大津 弘樹 1’31.131 R
2 #19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資、阪口 晴南 1’31.604
3 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛、中山 雄一 1’31.997
4 #14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也、山下 健太 1’31.999
5 #37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原 右京、ジュリアーノ・アレジ 1’32.038
6 #17 Astemo NSX-GT 塚越 広大、松下 信治 1’32.206
7 #38 ZENT CERUMO GR Supra 立川 祐路、石浦 宏明 1’32.357
8 #100 STANLEY NSX-GT 牧野 任祐、木村 伊織 1’34.464
9 #3 Niterra MOTUL Z 千代 勝正、高星 明誠 1’32.681
10 #8 ARTA MUGEN NSX-GT 野尻 智紀、大湯 都史樹 1’32.690
11 #24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹、平手 晃平 1’32.768
12 #36 au TOM’S GR Supra 坪井 翔、宮田 莉朋 1’32.892
13 #1 MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴、ベルトラン・バゲット 1’32.941
14 #23 MOTUL AUTECH Z 松田 次生、ロニー・クインタレッリ 1’33.097
15 #64 Modulo NSX-GT 伊沢 拓也、太田 格之進 1’33.363

ポールポジションを喜ぶレースクイーン
ポールポジションを喜ぶレースクイーン

(文:松永 和浩 /写真:吉見 幸夫、松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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