日産自動車から「キャラバン MYROOM」が登場。木目を多用した簡易キャンパーモデル

■期間限定の特別仕様車「キャラバン MYROOM Launch edition」も同時設定

キャピングカーがレジャーの相棒として定番化する中、日本の自動車メーカーの中で積極的に車中泊仕様を設定しているのが日産自動車(日産モータースポーツ&カスタマイズ)です。

キャラバン・マルチベッド、セレナ・マルチベッド、NV200バネット・マルチベッド、キャラバン・トランスポーターを展開しています。

「キャラバンMYROOM Launch edition」の車内
「キャラバンMYROOM Launch edition」の車内

2023年10月11日、日産は新たな車中泊のカタチを提案する「キャラバン MYROOM」を発表しました。2024年夏の発売が予定されています。

「キャラバン MYROOM」の発表と同時に、期間限定の特別仕様車「キャラバン MYROOM Launch edition」の注文受付が開始されました。

ベース車は「GRAND プレミアムG」で、2.0Lガソリン(2WDのみ)、2.4Lディーゼル(2WDと4WD)から選択できます。

同特別仕様車は、「キャラバン MYROOM」の魅力を最大限体感できる「MYROOM」専用オプションが標準装備されるのが特徴。デリバリー開始は、2024年2月以降の予定です。

MYROOM折り畳みベッド仕様の内装
MYROOM折り畳みベッド仕様の内装

なお、「キャラバンMYROOM Launch edition」は、2トーンカラーが2023年12月末、モノトーンカラーは2024年1月末まで注文が可能です。ただし、車両生産、架装スケジュールなどにより計画台数に達した場合、注文受付が終了になる場合もあります。

同モデルは、「MYROOM」の車名からも分かるように、自分のお気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込むというコンセプトのもと、リラックスできる相棒として開発されたそうです。従来のキャンピングカーなどとは違う、これまでにない新たなカテゴリーのクルマを目指したとしています。

MYROOM跳ね上げベッドの使用イメージ
MYROOM跳ね上げベッドの使用イメージ

木目をふんだんに使ったインテリアは、クルマの内装感を徹底的に消し、シンプルでミニマルなデザイナーズホテルのような洗練された趣を放っています。ベッドとテーブルを組み合わせることで、リビングルームモードやベッドルームモード、ダイニングルームモードなど車内を自在にアレンジすることもできます。

キャンピングカーが驚くほど多様化している中、個人的には、こうした架装は珍しくないように思えますが、写真からは木目化が徹底されているのが伝わってきます。

「キャラバン MYROOM Launch edition」のエクステリア
「キャラバン MYROOM Launch edition」のエクステリア

2列目の「2 in 1シート」は、用途に合わせて簡単にシートをアレンジすることが可能です。自動車業界初(同社調べ)となる、シート表裏で硬さが異なるクッションパッド構造が採用され、移動時には程よい硬さで乗り心地を追求。

駐車や休憩時にリヤシート側に反転させて使用する際は、柔らかなソファのような座り心地が得られるとのこと。キャンピングカーでもシート表皮で硬さが異なるという例はほとんど見かけませんので、自動車メーカーならではの利点といえそうです。また、テールゲートを開ければ、車内で自然の景色を楽しみながらくつろぐことができます。

「キャラバン MYROOM Launch edition」のリヤビュー
「キャラバン MYROOM Launch edition」のリヤビュー

車中泊用のベッドは、折りたたみベッドもしくは「MYROOM跳ね上げベッド」の2パターンから選択可能。どちらもヘリンボーン生地が採用され、シンプルながらもハイクオリティを実現。

中でも後者は、ワンアクションでベッド展開をすることが可能で、手を放してもしなやかに倒れてきて、手を挟むことなくベッドにすることができるそう。折りたたみベッドは2分割式で、荷物などに応じてアレンジできます。

好きな位置で固定したり、取り外したりすることができるスライドテーブルも用意。「2 in 1シート」やスライドテーブルを活用することで、部屋にいるかのようなリラックスした時間を楽しめます。

エクステリアは、ブラックグリルやブラックドアハンドル、ブラックドアミラー、ブラックスチールホイールなどの専用パーツで仕立てられていて、外観を引き締めつつ「MYROOM」ならではの雰囲気を醸し出しています。リヤクォーターウインドウとテールゲートにはMYROOM専用ステッカーを配置。ボディカラーは、専用色の「サンドベージュ/ホワイト」の2トーンをはじめとした、4色展開となっています。

「キャラバン MYROOM Launch edition」の専用ステッカー
「キャラバン MYROOM Launch edition」の専用ステッカー

車中泊やオートキャンプで重宝するポータブルバッテリーも用意。リーフで使用されていたバッテリーを再利用して開発された「ポータブルバッテリー from LEAF」から給電が可能で、電源のない場所でも車内のAC100V電源を活用できます。

「Launch edition」は、車内カーテンやウッドブラインド、AC100V電源、スポット照明付木目調ルーフパネル、ロールスクリーン、ルーフサイド間接照明が標準装備されます。

また、カーテンと同じ生地で制作された「キャラバン MYROOM」オリジナルクッションも付属していて、車内でくつろぐ際や仮眠する時などに重宝するはずです。

「ポータブルバッテリー from LEAF」から給電が可能
「ポータブルバッテリー from LEAF」から給電が可能

そのほか、停車時換気システム、木目調サイドトリム、AC100V外部電源入力システムなどが特別装備されています。

キャラバンをベースとしたキャンピングカー(バンコン)の中にはもっと高額なモデルもあります。

今回の価格設定からはメーカーならではの利点が伝わってくる一方で、とくに夏や冬場の車中泊で効果を発揮する断熱加工は未設定になっています。

●価格
「折りたたみベッド」:595万8700円(2.0Lガソリン/2WD)
「折りたたみベッド」:662万6400円(2.4Lディーゼル/2WD)
「折りたたみベッド」:669万4100円(2.4Lディーゼル/4WD)

「MYROOM 跳ね上げベッド」:613万4700円(2.0Lガソリン/2WD)
「MYROOM 跳ね上げベッド」:680万2400円(2.4Lディーゼル/2WD)
「MYROOM 跳ね上げベッド」:714万100円(2.4Lディーゼル/4WD)

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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