ヤマハ発動機の農業用ドローン「YMR-II」と自動二輪車関連の「Yamaha motor LAB for R7」が受賞【2023年度グッドデザイン賞】

■初心者でも簡単に扱える農業用ドローン「YMR-II」

以前お伝えしたように、ヤマハ発動機は小型船舶用の次世代電動操船システム「HARMO(ハルモ)」、電動トライアルバイク「TY-E 2.0」、自動搬送サービス 「eve auto(イヴオート)」が2022年度のグッドデザイン賞に輝いています。

「グッドデザイン賞2023」を受賞したヤマハ発動機の農業用ドローン「YMR-Ⅱ」
「グッドデザイン賞2023」を受賞したヤマハ発動機の農業用ドローン「YMR-Ⅱ」

2023年度も、同社の製品1点とサービス1点が同賞を受賞しました。2023年度のグッドデザイン賞の受賞は農業用ドローン「YMR-II」と自動二輪車関連の「Yamaha motor LAB for R7」です。

農業用ドローンの「YMR-II」は、農業現場が抱えている労働力不足や生産性向上といった課題に、効率化や省力化、データを用いた生育管理などで貢献する高性能ドローンです。

初心者でも簡単に扱える自動航行、離着陸機能をはじめとした、安心で安全なセキュリティ機能を備えていて、農業の近代化に貢献。安定した飛行性能、保管や運搬に便利な軽量、コンパクト設計が特徴で、機体は汎用性や拡張性の高さを有しています。

グッドデザイン賞の審査員からは、

「ドローンを日常の道具として利用することは、新しい製品や流行に敏感なアーリーアダプター(初期採用者)から、より慎重に検討しながらも、比較的新しい商品やサービスにも関心の高い層(アーリーマジョリティ)に移行する段階になっています。
その中で、導入の障害になる課題が明確に分析され、高いレベルで解決されています。性能、使い勝手、価格など、直接的な課題解決だけでなく、情報セキュリティという間接的に農家を守り、農業を守る機能が搭載されることは、暮らしを豊かにするだけでなく、社会や産業を豊かにする開発です」

と高く評価されています。

●「YZF-R7」限定のファンとメーカーの共創型コミュニティ「Yamaha motor LAB for R7」

自動二輪車関連である「Yamaha motor LAB for R7」は、趣味性がとても高いオートバイ「YZF-R7」に限定されたファンとメーカーの共創型コミュニティです。

ファンが現役開発者と直結の日常的な交流が可能という、あまり例のないコミュニティ。用品などの共創活動も行われ、これまでにない濃密な関係性が構築されています。各種イベントに加え、プライスレスな顧客体験会に参加できる、完全受注生産型の外装キットなどもリリースされています。

自動二輪車関連の「Yamaha motor LAB for R7」もグッドデザイン賞を受賞
自動二輪車関連の「Yamaha motor LAB for R7」もグッドデザイン賞を受賞

同賞の審査員からは、

「メーカーが自らファンとつながり、オートバイの文化の再興を目指す取り組みであり、かつて販売店が担っていた役割を再構築しています。企業内で文化の醸成が重要だと位置づけ、採算度外視で取り組まれていることは特筆すべきです。
こうした試みは、長期的なユーザーの質と量にも影響するはず。根づくタイミングを見極め、短期で手放さずに伴走することが重要。業界を超えて、利用者数ピークを超えた文化の展開例として、示唆に富む取り組みになることを期待したいです」

と、今後の長期的な取り組みに期待が寄せられています。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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