光岡自動車の4代目「ビュート」はトヨタ・ヤリスをベースにした「ビュート ストーリー」に

■ベース車両の変更だけにとどまらない想像以上の充実度を誇る、ミツオカの意欲作

ミツオカViewt(ビュート)がモデルチェンジを受け4代目となる「Viewt story(ビュート ストーリー)」が9月21日(木)に発表され、実車が光岡自動車のMITSUOKA麻布ショールーム/Gallery麻布で展示されました。

LEDヘッドライトを採用。先代ビュートと比較して約1.5倍メッキ部分を増やしており、キラキラ感は増幅。
LEDヘッドライトを採用。先代ビュートと比較して約1.5倍メッキ部分を増やしており、キラキラ感は増幅

ミツオカ・ブランドのロングセラーモデルであった「ミツオカ・ビュート」は、2代目日産マーチ(K11型)をベースに、ジャガー・マークIIをモチーフにしたコンパクトカーとして1993年に誕生しました。

ミツオカの手掛けるモデルの中でも大ヒットを記録し、現在のミツオカを代表するモデルとなりました。ベースの日産マーチの進化に合わせ、K12型マーチをベースにした2代目ビュートは2005年に登場、そしてK13型に移行したマーチに合わせ、2012年には3代目へとモデル進化。これまで1万3500台を販売しています。

12色のボディカラーがあり、この撮影車両のボディカラーは「ピスタチオカーキ」。
12色のボディカラーがあり、この撮影車両のボディカラーは「ピスタチオカーキ」

そのミツオカ・ビュートは2023年1月20日に生誕30周年を迎えました。その翌月、ビュートの新型モデルとなる4代目モデルが2023年2月17日に発表され、同時に先行予約がスタートしました。

これまで一貫して日産マーチをベースに製造してきた車両ですが、その日産マーチの国内販売が終了したことで、このビュートも変更を余儀なくされました。

ステアリングスポークにはオーディオコントロールや運転支援のスイッチ類が並び、最新装備が詰まっていることがわかります。
ステアリングスポークにはオーディオコントロールや運転支援のスイッチ類が並び、最新装備が詰まっていることがわかります

そして登場したのが、トヨタ・ヤリスをベース車両にしたビュートです。車両名は「Viewt(ビュート)」ではなく「Viewt story(ビュート ストーリー)」となりました。丸型ヘッドランプやハート型のグリルなど既存のビュートのデザインを継承しています。このあたりを見ているとまぎれもないビュートです。

ついにボンネットは鉄板になりました。
ついにボンネットは鉄板になりました

これまでの「ビュート」では、外装部品のほとんどがFRP製でしたが、今回の「ビュートストーリー」では、スチール製のボンネットを採用することになりました。さらにリアまわりの外装パーツ類も射出成形による樹脂パーツになりました。

フロントフェイスだけは、これまでどおりのFPR一体成形で作ってあるのですが、そこには、大事な顔に継ぎ目を作りたくない、という製作者の思いが詰まっているわけです。大きく品質も向上したといえるのがビュートストーリーなのです。

セダンモデルは「ありません」ということで、今回は5ドアハッチバックモデルだけとなりました。
セダンモデルは「ありません」ということで、今回は5ドアハッチバックモデルだけとなりました

ただ、モデルとしては4ドアセダンではなく、5ドアハッチバックモデルに統一されたようです。ヤリスのラインナップを継承するので、エンジンは1Lと1.5L、そしてハイブリッドモデルが用意され、ミッションはCVTと6MT、駆動方式はFFと4WD、そしてE-Fourが選べることとなり、グレードは全部で12種類となりました。

装備面でも、レーン逸脱警告機能、先行車発進告知機能などは全車に標準装備。さらにレーダークルーズコントロール、パーキングブレーキアシスト機能などの先進安全装備を選べるグレードもラインナップに加わっています。

また、ミツオカの車両はボディカラーのラインアップが豊富なことも特徴のひとつですが、このビュートストーリーもボディカラー12色を用意しました。内装色は、シート生地色とインパネ加飾パネルの同色セットの8色です。

2月の発表から予約を受け付けており、年内に40台の生産出荷を予定しているということです。すでに2024年8月までの生産分が予約で埋まっているということです。

ビュート ストーリーの価格は1Lガソリンエンジンモデルが308万円(2WD/CVT)から。1.5Lガソリンエンジンモデルが347万6000円(2WD/6MT)から。そしてハイブリッドモデルが399万3000円(2WD/電気式無段変速機)からとなります。

ちなみに販売終了モデルとなってしまった3代目「ビュート」ですが、ミツオカの展開する「メイクアップ」シリーズとしてまだ生産は続いていくとのことです。

この「メイクアップ」とは、高品質な中古車をベースに、ミツオカの新車生産ラインで組み上げる車両のことで、「メイクアップ・ビュート」として継続販売をしていくことになっています。

(青山義明)

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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