目次
■インド軍でも活躍した歴史的モデルを復刻
120年以上の歴史を誇る老舗バイクブランドのロイヤルエンフィールドが、インドで新型モデル「ブリット350(Bullet 350)」を発表しました。
1932年に登場した伝説的モデルを復刻した新型は、ティアドロップ型の燃料タンクや丸型一灯ヘッドライト、美しいフィン形状を持つ349cc・空油冷単気筒エンジンなどにより、クラシカルなスタイルを採用。
それでいて、デジタル・アナログ併用式メーターやUSBポートなど、現代的な装備も合わせ持つネオレトロというジャンルに属するモデルです。
ロイヤルエンフィールドの本拠地であるインドでは、3つのエディションをラインアップするそうで、日本への導入もあるという注目モデルが登場します。
●90年以上の伝統を誇る名車を復刻
今回、新型モデルを発表したロイヤルエンフィールドは、1901年にイギリスで発祥し、120年以上の歴史を誇る老舗のバイクブランド。現在はインドのアイシャーモーターズ・リミテッド傘下に属しており、新型ブリット350も本拠地であるインドのチェンナイで発表されました。
新型の源流となるブリットは、初代モデルが1932年に登場。伝統的な英国製OHV単気筒エンジンを持つ、ロイヤルエンフィールドを象徴するバイクの1台です。
初代モデルの外観には、当時の最先端デザインを採用。1948年のモデルチェンジでは、やはり当時としては画期的だったスイングアーム式リヤサスペンションを装備するなどで、高い走行性能を実現。マン島TTなど数々の有名レースで活躍したことで知られています。
また、シンプルで耐久性が高いことに定評があったことで、インド軍にも採用された実績も誇るなどで、数々の歴史的な偉業を達成したモデルだといえます。
●レトロなフォルムに最新装備を融合
そんな伝統的バイクを復活させた新型ブリット350には、ロイヤルエンフィールドの「メテオ350」「クラシック350」「ハンター350」といったモデルにも搭載している、349cc空油冷単気筒エンジンを採用。
空冷フィンを持つクラシカルなフォルムながら、フューエルインジェクションなど最新技術を投入したエンジンは、最高出力20.2PS/6100rpm、最大トルク27N・m/4000rpmを発生。低回転域での力強いトルク特性や、スムーズでリニアなパワーデリバリーなどにより、爽快な走りを実現します。
また、振動を低減するプライマリーバランサーシャフトを採用することで、快適性はもちろん、優れたアクセルのレスポンス性も持つことで、洗練された走行フィーリングを体感できるといいます。
ハンドリングと操縦性を向上させる設計を施したという車体まわりでは、大径41mmフロントフォークや、フロント100/90-19・リヤ120/80-18というワイドセクションタイヤなどを採用。
また、サスペンションは硬めに設定することで、コーナリングスピードを上げたときの安心感を高めると共に、直線道路ではしっかりとした安定性も確保。クラシカルなフォルムに貢献するシングルベンチシートは、快適性にも優れることで、ツーリングなどでの疲労軽減にも貢献します。
ほかにも、特徴的な13Lのティアドロップ型の燃料タンク、ロイヤルエンフィールド製バイクの伝統ともいえる「タイガーアイ」と呼ばれるパイロットランプを持つヘッドライトなども採用。クラシカルな全体のフォルムを生み出しつつ、このモデルならではの個性も演出します。
加えて、液晶インフォメーションパネルを内蔵するデジタル・アナログ併用式メータークラスター、ハンドルバー下にはUSB充電ポートも配置。これら最新の装備もマッチングすることで、使い勝手の良さも実現しています。
●インドでは3つのエディションをリリース
そんな新型ブリット350ですが、本拠地のインド市場では、3つのエディションをリリースするといいます。
まず、「スタンダード」仕様には、ボディカラーにブラックとマルーンを採用。デュアルチャンネルABSとリヤディスクブレーキを装備し、エレガントな手描きのピンストライプが施された燃料タンクなどを装備します。
また、「ミリタリーレッド」と「ミリタリーブラック」というカラーを採用した仕様では、シングルチャンネルABSとリヤにドラムブレーキを装備。ソリッドカラーのシングルタンクと上品なデカールなどが特徴だといいます。
さらに、「ブラックゴールド」という仕様では、デュアルチャンネルABSとリヤディスクブレーキを装備。マット&グロスブラックの燃料タンク、カッパー&ゴールドの3Dバッジ、カッパーのピンストライプなどを装備。エンジンは流行のブラックアウトカラーを施すなどで、印象的なフォルムを実現しています。
なお、日本市場では、上記3エディションのうち、どの仕様が導入されるのかや、発売時期、価格なども未発表。日本仕様の詳細は、今後アナウンスするとのことです。
(文:平塚 直樹)