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■250や125なども含めた全4機種に2024年モデル登場
バイクのオフロード競技のなかでも、近年アマチュアライダーなどから大きな支持を受けているのがクロスカントリー。夏場のスキー場や山野に作られたクローズドの専用コースをバイクで走り抜ける競技で、自然をできるだけ活かし、山林のかなり入り組んだ地形を走るハードなレースです。
そんなクロスカントリー向けとして人気が高いヤマハ発動機(以下、ヤマハ)の「YZ450FX」に、フルモデルチェンジを受けた2024年モデルが登場しました。
新型は、2023年にフルモデルチェンジした市販モトクロッサー「YZ450F」のエンジンやボディをベースに、クロスカントリー向けに最適化を実施。
新型バイラテラルビーム・フレームを採用したほか、エンジンや前後サスペンション、クラッチやトランスミッションなど、細部をアップデートしていることがポイントです。
ほかにも、250ccの4ストモデル「YZ250FX」や2ストモデル「YZ250X」、125ccの2ストモデル「YZ125X」にも、新色を採用した2024年モデルが登場します。
●市販モトクロッサーYZ450Fがベース
バイクのオフロードレースではモトクロスも有名ですが、こちらは、整地されたコースや人工的に作られたセクションを飛んだり跳ねたりする競技。大きなジャンプやコブが連続するフープス(ウォッシュボード)と呼ばれるセクションなどを、かなり高速で走るモータースポーツです。
一方、今回紹介するヤマハ・YZ450FXなどが活躍するクロスカントリーは、ウッズ、ガレ場、マディ、ダートなど、さまざまな路面状況があるコースをバイクで走り抜ける競技。マシンには、速さだけでなく耐久性などもより求められることが多く、モトクロス競技用マシンなどをベースに、エンジンのパワー特性や足まわりなどを最適化したバイクなどがよく使われています。
そんなクロスカントリー向けバイクのなかでも、高い戦闘力を持つことで人気なのがYZ450FX。ヤマハのオフロード競技用マシンのトップモデル、市販モトクロッサーの「YZ450F」をベースとしたモデルです。
新型のYZ450FXは、前述の通り2023年にフルモデルチェンジしたYZ450Fをベースとしていることが特徴です。
まず、外観は、リヤフェンダー、フューエルタンクからシュラウドのライン、そしてフロントフェンダーに直線的なデザインを施すことで、突き刺すような力強いフォルムを演出しています。
特に、YZ450Fと共通のシュラウドは、先代モデル比で左右幅50mmのナロー化と側面形状のスムーズ化を実現。足を動かしやすくなったことで操縦性の向上に貢献すると共に、見た目の軽快感にも貢献します。
エンジンには、やはり2023年「YZ450F」のエンジンをベースとする449cc・水冷4ストローク単気筒を搭載。専用ECUを採用することで、パワフルで扱いやすい特性、クロスカントリー走行で重要な「極低速域での粘り」と「中高速域での力強さ」などを実現しています。
また、エンジンガードも新設計を施し、エッジを抑えた滑らかなデザインを採用。車体デザインとマッチさせつつも、ガード機能が求められる箇所をしっかりと保護する機能性も向上しています。
さらに、クラッチとトランスミッションにも2023年型YZ450F用ユニットを採用し、クロスカントリー用途に調整するなどの改良が施されています。
●バイラテラルビーム・フレームで車体も刷新
車体関連では、これも同じくYZF450Fで採用しているバイラテラルビーム・フレームを装備。スピードを維持したままコーナー進入ができ、旋回中のライン自在度が広い特性を持たせると共に、エンジン懸架を専用開発。クロスカントリーで求められる走破性、操縦性などを支えています。
また、前後サスペンションも、YZ450F用のKYB製ユニットをベースに、ストロークを短縮化するなどの専用セッティングを実施。足着き性も求められるクロスカントリー競技向けにローダウン化を図り、シート高を2023年型YZ450F比で10mmダウンの955mmに設定しています。
ほかにも、スマートフォンで簡単にマシンチューニングができる「パワーチューナー」アプリもバージョンアップ。3段階で調整できるトラクションコントロール、スタート時の「レブリミット機能」を加えたローンチコントロール、ラップタイム計測機能などを追加しています。
●全4機種にシリーズ共通カラーリング採用
なお、新型のYZ450FXをはじめ、YZ250FXやYZ250X、YZ125Xといったヤマハのクロスカントリー競技モデル全4機種には、いずれも、シリーズ共通となるカラーリングも採用しています。
主な特徴は、共通コンセプトである直線的なホリゾンタル・ムーブメントのグラフィックを採用していること。また、ヤマハ製レーシングマシンの象徴ともいえる「ヤマハブルー」には、異なる色域のブルーを組み合わせた色調を採用することで、よりスポーティなイメージを演出しています。
各モデルの価格(税込)と発売日は以下の通りです。
・YZ450FX:122万6500/2023年11月20日(月)発売
・YZ250FX:100万6500円/2023年10月20日(金)発売
・YZ250X:81万9500円/2023年10月20日(金)発売
・YZ125X:77万円/2023年10月20日(金)発売
各モデルは「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2023年12月3日(日)までの期間限定で予約を受け付け中。予約が生産計画を上回る場合は、予約受付期間終了を待たずに受け付けを終了する場合があるそうです。
(文:平塚直樹)