目次
■スタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザイン
8月10日、第30回インドネシア国際オートショーで世界初公開された、三菱の「エクスフォース」がカッコいいと話題です。
デリカミニのヒットや新型トライトンの発表など、勢いに乗る同社ですが、さらに次の世代を示したという新型のエクステリアデザインについて、さっそくファーストインプレッションをお届けしたいと思います。
●自由自在に変化できるダイナミックシールド
全長4390mm×全幅1810mm×全高1660mmのスリーサイズは、同じグループ内ではルノーのキャプチャー、他メーカーではホンダのヴェゼルなどと近く、逆にトヨタのハリアーなどよりはひと回り小さいもの。いかにも使い易そうなサイズで「日本でも売って欲しい!」という声にも頷けます。
デザインコンセプトは「Silky & Solid」。三菱自身が「優雅さと堅牢性を融合させた」と謳っている通り、全体の佇まいは流行のコンパクトSUVながら、フロントの厚みを筆頭にダイナミックさと力強さを感じさせます。このさじ加減が新しい三菱デザインの一端かもしれません。
フロントではもちろん、新世代の「ダイナミックシールド」が話題です。新型は、LEDデイタイムランニングランプにスリット状のグラフィックを組み合わせて、T字型に発光するランプが自慢ですが、新しいシールドはこれを支えた奥行きのあるコンパクトな形状が特徴。従来の細長いシールドがランプを囲むような表現からは、かなり解釈が拡がっています。
また、低く構えた台形グリルも新表現ですが、グリル内のドットパーツを大きくすることでシンプルな表情を作っています。新型が持つ力強いカタマリ感にうまくマッチングした造形です。
●シルキーでソリッドな新しい面の表情
ダイナミックな佇まいの一方、ボンネットやボディサイドなどのパネル面は抑揚のあるシンプルなもので、これがコンセプトの「Silky」を思わせるところ。
では「Solid」は?というと、ボンネット左右両端や前後ホイールアーチに刻まれた、深くシャープなラインに顕著です。最近のプジョーやシトロエンも同様の造形が見られますが、決してクドくならない適度さがポイントでしょうか。
「Silky」については、三菱自身、あたかも浮いたように見えるフローティングルーフの軽やかさに注目と語っていますが、Aピラーやリアピラーの一部をブラックアウトさせる手法は最近の流行でもあります。これは、キックアップさせたベルトラインと、それに沿うように張り出させたリアフェンダーにも言えます。
リアビューの自慢は、フロント同様、T字型に発光するテールランプです。三菱車としても新しい表現ですし、先のプジョーなど、どこか輸入車の後ろ姿にも見えます。また、大きく張り出した下半身は、厚みのあるアンダーカバーとともに堅牢さを打ち出していますが、要素が多い割にはガチャガチャしていないところも美点です。
最後にインテリアも少し。現行アウトランダー以降、ガッシリした造形と高い質感の内装が好評の三菱車ですが、今回はインパネをドアトリムまで繋げるなど、より大胆なチャレンジをしています。
ただ、それが三菱車らしいのか?は少々疑問で、たとえばホンダやマツダ車のように、一見して三菱車と分かる個性が欲しいところです。
以上、新型エクスフォースのエクステリアをザックリとチェックしてみましたが、いかにも勢いに乗ったスタイリングが印象的です。こうした三菱デザインの仕事を見ると、たとえば軽よりひと回り大きなコンパクトクラスの新型車を日本市場でも見てみたいと思えるところです。