ボディサイズ、最小回転半径の違いは? トヨタ新型「アルファード」と「ヴェルファイア」新型と旧型、徹底比較【新型アル/ヴェル徹底解剖】

■先代とボディサイズ、最小回転半径を比較

新型アルファード、ヴェルファイアのホームページには、納期については販売店まで問い合わせるように掲載されています(2023年8月1日時点での工場出荷時期目処)。

販売会社や販売店によって対応は異なると思いますが、関東地方の某販売会社では、既存ユーザー(いわゆるお得意様)を対象に抽選販売、新規顧客についてはサブスクリプションのKINTOを案内しているようです。抽選に当たっても1〜2年待ちは覚悟する必要がありそう。

手前がアルファード、奥がヴェルファイア
手前がアルファード、奥がヴェルファイア

なお、KINTOのホームページによると、アルファードの納期目処はガソリン車が6~7ヵ月程度、ハイブリッド車は9~10ヵ月程度だそうです。一方のヴェルファイアは、9〜10ヵ月程度(いずれも2023年8月18日時点)と掲載されています。

KINTO向けの生産枠は確保されているものの枠には限りがありますので、KINTOにオーダーが集中すると、納期の目処よりも遅れる可能性があることも記載されています。

新型アルファードのエクステリア
新型アルファードのエクステリア

なかなか手に入らないのは、新型アルファード/ヴェルファイアに限ったことではありません。ここでは、こうした状況をひとまず置いておき、先代モデルと新型アルファード、ヴェルファイアの見た目の違いについて確認していきます。

●新旧アルヴェル ボディサイズ/ホイールベース/室内寸法/最小回転半径

先代アルファード(3.5エグゼクティブラウンジ):全長4945×全幅1850×全高1935mm/3000mm/室内長3210×室内幅1590×室内高1400mm/5.8m

先代ヴェルファイア(2.5X):全長4935×全幅1850×全高1935mm/3000mm/室内長3210×室内幅1590×室内高1400mm/5.8m

新型アルファード(エグゼクティブラウンジ):全長4995×全幅1850×全高1935mm/3000mm/室内長3005×室内幅1660×室内高1360mm/5.9m

新型ヴェルファイア(Zプレミア):全長4995×全幅1850×全高1935mm/3000mm/室内長3005×室内幅1660×室内高1360mm/5.9m

新型ヴェルファイアの外観
新型ヴェルファイアの外観

全長はグレードにより異なりますが、先代よりも40〜60mm延び(エグゼクティブラウンジ同士の比較だと、新型は45mm長くなっています)、全幅は1850mmを死守し、全高はほとんど変わっていません。

ホイールベースは同値で、45mm延びた分はフロントオーバーハングの延長に当てられています。

新型アルファードのリヤビュー
新型アルファードのリヤビュー

最小回転半径も0.1m大きくなっているものの、前方視界の良さ、ドライビングポジションの改善、床下透過表示機能付パノラミックビューモニターによる高精細な映像によるサポート機能もあって、新型の取り回しは、先代と同等レベルのように感じられました。

意外なのは、室内寸法のうち、室内長が205mm短く、室内高も40mm低くなっている点。室内寸法の計測方法は、日本工業規格(JIS)により測定方法が決まっていますが、メーカーや車種によって計測方法や計測場所は微妙に異なります。

室内長はインパネの凹凸などもあるため、シートの前後席距離間は延びていても、室内長の数値は短くなることもありそうです。

●進化したサイドシルエットと両者で異なる前後ビュー

新型アルファードのサイドビュー
新型アルファードのサイドビュー

なお、新型はステアリングの角度を約5度起こして、乗用車感覚のドライビングポジション(先代はややトラック的なステアリング操作、運転姿勢になっていた)になり、運転姿勢が改善されているのが実感できます。また、1列目から3列目までの前後席距離間をプラス10mmとしています。

室内長が短くなっても、体感的には1列目から3列目まで、フットスペースは同等レベルに感じられました。

新型アルファード、ヴェルファイアは、運転姿勢の改善もポイント
新型アルファード、ヴェルファイアは、運転姿勢の改善もポイント

そのほか、先代とのパッケージングでの違いは、スライドドアの開口幅が40mm広くなり、センターピラーの細長い乗降グリップも135mm延びています。なお、6万6000円でオプション設定される「ユニバーサルステップ」は、ノア/ヴォクシーとは異なり、助手席側だけでなく後席側にも設定。同ステップ高は、約220mmと低い位置に展開されます。

ノア/ヴォクシーも含めて、足が当たって邪魔という声もあるようですが、実際に使ってみると、筆者には身体の上下動が少なくて楽に感じられました。小さな子どもやお年寄りなどがいる場合は、検討したいところです。

●全幅は先代と同値でも躍動感が違う

新型アルファード、ヴェルファイアのエクステリアの違いについてチェックする前に、先代との大きな差は、箱型感が薄まり、ダイナミックな面構成、とくにサイドビューを実現していることです。

日本の駐車場事情に配慮して、1850mmという全幅を守りながらも、機能部品のレイアウトを最適化することで、ボディ側面は+20mmという、デザインに使える余力を稼ぎ出しています。

新型ヴェルファイアのサイドシルエット
新型ヴェルファイアのサイドシルエット

トヨタでは「凹凸max」という呼び方をしていますが、抑揚の効いたダイナミックなサイドシルエットは、日向でも日陰でも目を惹くだけでなく、平坦に見えがちなホワイト系であっても、動きのある姿に映るのも印象的でした。

そのサイドでは、新型アルファードがアウタードアハンドルがメッキになるのに対し、新型ヴェルファイアはエグゼクティブラウンジがメッキ、Zプレミアはカラード(ボディ同色化)になります。

両車ともに、センターピラー下にエンブレムが両モデルともに配置されていて、アルファードは車名ロゴと「α」を象ったエンブレム、ヴェルファイアも車名ロゴと「V」を象ったエンブレムがドライバーと乗員を迎えてくれます。

センターピラー下のアルファードのエンブレム
センターピラー下のアルファードのエンブレム

アルファードとヴェルファイアの大きな違いは、フロントとリヤまわり。アルファードは、ブロック状のグリルを、大きさを変えながら全体に配置しています。

アルファードのフロントマスク
アルファードのフロントマスク

異形3眼式LEDヘッドライトの下にあるシーケンシャル式ターンシグナルランプは、4分割式で先進性を主張。フロントグリルのエンブレムは、両車ともにトヨタマークに統一されています。

また、バンパーの両サイドは、大きく内にえぐられたような三角形に近い形状になっていて、両サイドにあるスリット部は小さめになっています。

スリット内には、中央よりも少し上の位置にフォグランプを配置。この凹凸感のあるボディサイドは、地面を蹴るような印象も付加しています。

アルファードのヘッドライトまわり
アルファードのヘッドライトまわり

ヴェルファイアは、新グレードのZプレミアのグリルを黒基調としたのがポイントです。漆黒メッキやツヤ有黒塗装、スモークメッキなどを配置することで、精悍さを強調。グリルは横長のルーバータイプになり、大きく口を開けたようなバンパーサイドのデザインも横基調になっています。

ヘッドライトのメインは、アルファードと同じ異形3眼式で、その下にスモールランプとウインカーを用意。

ヴェルファイアのフロントマスク
ヴェルファイアのフロントマスク

アルファードのリヤまわりは、精緻な作り込みが目を惹くリヤコンビランプが見どころです。フロントグリルの各ブロックと似た、いくつものエレメントからなるように見えますが、一体式でシームレスに点灯するのがポイント。メインユニットの上に、シーケンシャルウインカーが配置されています。

アルファード、ヴェルファイアの顔つきの違い
アルファード、ヴェルファイアの顔つきの違い

ヴェルファイアは、先進的でトレンドをキャッチした後ろ姿になっています。流行の横一文字のラインは、中央のトヨタ・エンブレムを挟み、両サイドのテールランプ上まで延びています。

アルファードのリヤコンビランプ
アルファードのリヤコンビランプ

「U」字型のメインユニット、その下にヘッドライトまわりと同じような印象をもたらすシーケンシャル式ウインカーを配置。ヴェルファイアは、一番下側に横長のメッキが配されているのもアルファードとの違い(アルファードはなし)。

また、細かいところではリヤのリフレクターの長さ、形状も両者で異なって見えます。

ヴェルファイアのリヤまわり
ヴェルファイアのリヤまわり

足元では、アルファードの「エグゼクティブラウンジ」が17インチ(225/65R17)、「Z」が18インチ(225/60R18)なのに対し、ヴェルファイアは全車19インチ(225/55R19)を装着しています。

ヴェルファイアは19インチのみになる
ヴェルファイアは19インチのみになる

(文:塚田 勝弘/写真:平野 学、トヨタ)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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