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■ハンガリーGPの表彰台「がっしゃん事件」、でも頑張れ〜ノリス!
●誰も止められないフェルスタッペン独走のシーズン?
毎日身の危険を感じるほどの暑さが続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 私は2歳の娘とどのように過ごそうかと模索中な毎日です(暑すぎて公園に行けない…)。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が脅威の速さを見せつけている、2023年シーズンのF1。いや〜、今シーズンのフェルスタッペンは強すぎる! 第13戦ベルギーGP終了時点で優勝10回、ドライバーズチャンピオンシップはもちろん首位で、2位のセルジオ・ペレス(レッドブル)と125ポイント差をつけています。
ベルギーGPではギヤボックス交換ペナルティで6番手スタートでしたが、何事もなかったかのように優勝。スタートからあらよあらよと順位をあげていき、17周目にチームメイトのペレスを抜いてトップに躍り出た時には、「今のフェルスタッペンはどこからスタートしても関係ないのでは? まるでスーパーマリオのスター状態だな」なんて思ってしまいました。
そして、前戦のハンガリーGPではルイス・ハミルトン(メルセデス)にポールポジションを奪われるも、スタート直後のターン1で抜くとそのまま独走状態。2位のランド・ノリス(マクラーレン)が「彼は速すぎるよね。疲れたりミスをしない限りは勝てないよ」と言うほどです。
このまま勝ち続けて驚くような新記録を樹立して欲しいけれど、ライバルとの熱いバトルも見たいかなぁ。誰が最強モードのフェルスタッペンを止めることができるのか、シーズン後半が今からとーっても楽しみです♪
が、まずは第12戦ハンガリーGPと第13戦ベルギーGPを振り返っていきます♪
ハンガリーGPといえば、ダニエル・リカルドがアルファタウリから電撃復帰を果たしましたね! リカルドは2011年、イギリスGPでHRT F1チームからデビュー。翌シーズンにはトロ・ロッソ(現アルファタウリ。2020年に名称を変更)でのレギュラーシートを手に入れ、その後レッドブル、ルノー、マクラーレンで活躍してきたベテランドライバーです。今シーズンはレギュラーシートを得られず、レッドブルのサードドライバーとしてチームに帯同していました。
取材やF1現地観戦の際に何度も会ったことがあるのですが、いつも飛び切りの笑顔を見せてくれ、その場の雰囲気をパァと明るくしてくれるナイスガイ。私の中ではどちらかというと走っている姿より、彼の素晴らしい人柄が印象的でした。しかし、ハンガリーGPでは今シーズン初戦とは思えない走りを見せてくれたのです!
スタート直後の混乱で最後尾まで順位を落とすも、残り42周という早い段階でミディアムタイヤに交換。さすがにもう1回ピットインするだろうなぁと思っていたら、なんと最後までタイヤをもたせて走りきったではありませんか! これにより大きく順位を上げ、13番手でフィニッシュ。最高の復帰戦となりました。
タイヤに優しいドライバー好きの私にとって、このリカルドの走りがたまらなくて。人柄はもちろん、実力があるからこそ長くF1の世界にいられたということを再認識しました。
そうそう、ランド・ノリス(マクラーレン)の“優勝トロフィーがっしゃん事件”は衝撃的でしたよね。開幕戦では17位に沈み(リタイアした3台を除くと最後尾)、その後も不調が続いたので「今シーズンはなかなか厳しいかなぁ」と思っていました。
しかし、第10戦オーストリアGPでのマシンのアップグレード導入が見事にきまり、今ではトップ争いに食い込んでくるほどに。
ハンガリーGPで2戦連続の2位を獲得したノリスは、それはそれは大喜び! 表彰式でシャンパンを開栓するために、ボトルの底をポディウムに思いっきり叩き付けたのですが…。あれ? 今、何か落ちなかった?
その直後、口をおさえながら何かを見つめフェルスタッペンに話しかけるノリス。フェルスタッペンはびっくり&大笑い。でもTV画面上では何が起こっているかは分かりません。
しばらくしてSNSを見ていると、フェルスタッペンの優勝トロフィーが破損している投稿を発見! どうやら、シャンパンボトルを叩き付けた衝撃でトロフィーが落ちたらしいのです。1986年の初開催から地元名産の陶磁器でできた、とても美しい形のトロフィー。そのお値段、日本円で約700万円とも言われているそうです。
いつもジョークを交えながら話すノリスも、ベルギーGPの会見でこのことについて聞かれると「マックスには謝罪したよ。悪いと思っているし、製作する上で時間と努力を注いでくれた人たちにも謝りたい。本当にこんなことを起こそうとしたわけじゃないんだ。次回からはもっと気をつけようと思う」と、さすがに気まずそうな顔をしていましたね。
F1の歴史にユニークな(!?)爪痕をのこしてしまったノリスですが、私にはなんだか可愛く思えてしまって。推しドライバーの1人に仲間入りです。トロフィーを壊してしまうのはダメだけど、またポディウムでシャンパンを勢いよく開けて欲しい! 頑張れ頑張れノーリース、負けるな負けるなノーリース!!
●スプリントレースならではの「雨のドラマ」に大興奮のスパでした
さて、お次は“スパ・ウェザー”の洗礼を受け、大雨が降ったかと思えばパーッとお日様が出たりと、目まぐるしい天候の変化の中、開催されたベルギーGPのお話を。私的ハイライトは、土曜日に行われたスプリントレースで、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が2位、そしてピエール・ガスリー(アルピーヌ)が3位になったことです。
スプリントレース開始前から小雨が降り始め、スタート近くになるとさらに雨脚が強くなり、全車ウエットタイヤを装着します。雨の影響でディレイした後、セーフティカー先導でフォーメーションラップが開始。5周のフォーメーションラップを経て、残りの周回数は11周となる超スプリントレースがローリングスタートで始まりました!
1周目。ここで大きく明暗が分かれます。路面が急速に乾いたため、ピアストリとガスリーはインターミディエイトタイヤへ交換。ポールポジションスタートだったフェルスタッペンは2周目に交換するも、ピアストリにトップの座を奪われてしまいます。
誰も太刀打ちできなかったフェルスタッペンを抜いて、新人ピアストリがトップを走行している姿は興奮したなぁ。現地のファンも大盛り上がりで、大歓声が聞こえてきました。
しかし、ここでフェルスタッペンに好機が。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がコースオフしてしまった影響で、セーフティカーが導入されたのです。6周目にレースが再開されると、いとも簡単に抜いて首位を奪い返します。さすがにこれにはピアストリも為す術なく…。それでもよく頑張った! 素晴らしい2位だったと思います。
そして、ガスリーはスタート直後のタイヤ交換により、6番手スタートから3番手にジャンプアップ。2021年アゼルバイジャンGP以来のポディウムで、チェッカーを受けるとマシンの中でガッズポーズをしながら喜んでいましたね。
レース後のインタビューで「最高だね。ここで3位でフィニッシュできたことは幸せだよ。ホームレースに近いしね。難しいコンディションでタイヤマネジメントができた」と笑顔で話している姿を見て、とっても幸せな気持ちになりました。
正直、スプリントレースのことあまり好きではなかったんです。いつもスタートからほとんど順位が変わらないし、やる意味あるのかなぁって。
でも、今回はめちゃくちゃ面白かった! めまぐるしく変わるコンディションの中でのスプリントレースは、ガスリーのように順位を大きく覆すことができる。決勝だったら後続のマシンに抜かれてしまっていたかもしれませんが、スプリントレースだったからこそ生まれたドラマがあったように思えました。
さて、次戦は第14戦オランダGP(8月25日〜27日)です。そうこうしている間に日本GP(9月22日〜24日)がやってきます。大好きなドライバーたちに会える! キャー。楽しみすぎるーーー!!!
(yuri )