塚田勝弘 
■クイーンサイズのバンクベッド、子ども用常設2段ベッドを完備
1BOXのコンパクトモデル（バン仕様、ワゴン仕様）をベースとしたバンコン人気に加えて、キャブコン（キャブコンバージョン）化したコンパクトモデルの注目度も高まっています。AtoZの「ALEN-H（アレン・ハイ）」もそんな1台で、ライトキャブコン、コンパクトキャブコンなどと呼ばれています。
人気の理由は、ミドルサイズミニバン並の全長という持て余さないサイズ感でありながら、広いキャビンを備えていること。ただし全高は、低いタイプでも2600mmくらいありますので、駐車場などでは要注意です。
ベースは、ダイハツ・グランマックス トラックのOEM版であるマツダ・ボンゴ トラック。
AtoZといえば、マツダが自社生産していた、いわばオリジナル時代のボンゴ トラックをベースとしていた「AMITY（アミティ）」が絶大な支持を集めてきました。同社ではできるだけ台数を確保していたそうですが、完売しています。どうしてもアミティをご指名であれば、中古車で探す手もあります。
今回、ピックアップする「アレン・ハイ」は、2人がゆったり横になれるクイーンサイズのバンクベッドを備え、リヤには子ども向けの常設2段ベッドを用意。フロアベッドを展開すれば大人2人が眠れますから、就寝人数は「4＋2」。子どもが4人いるファミリーにも対応してくれます。
子ども2人であれば、フロアベッドを展開する手間も省けますし、バンクベッドとフロアベッドにそれぞれ1人ずつ、とにかくゆったり就寝することもできます。
キャブコン化されていますから室内高もゆとりがあり、最大室内高は1850mm。大半の人が屈まずに立って歩くことができます。もちろん、開放感の高さも魅力です。
ダイネット部は、大人4人がゆったりくつろげる広さで、コンパクトにまとめられたキッチンも備わり、外部収納庫や外部電源など装備も充実。ニーズに応じて電子レンジやFFヒーター、12Vタイプクーラーなども設定されています。
写真は、インテリアコーディネイターが提案する「Kiseki（キセキ）」で、エメラルドグリーンをベースとした爽やかなムードを享受できます。
日本でストレスなく取り回しできる現実的なサイズ（高さは要注意）でありながら、広く使えるキャンピングカーを探しているなら、トヨタ・ハイエースベースのバンコンまでも選択肢に入れて検討したいところ。なお、筆者の知人がライトキャブコンを購入したところ、動力性能はそれなりなので、のんびり旅を楽しむのに向いているとのことです。
●ベース車：マツダ・ボンゴ トラック
●ボディサイズ：全長4620×全幅1880×全高2740mm（ファン込み）
●搭載エンジン／トランスミッション：1500cc／4AT
●駆動方式：2WD／4WD
●乗車定員／就寝人数：6名／4＋2人（子ども2人）
●標準装備：エアコン（カーエアコン）、給排水タンク（各10L）、網戸、シンクシャワーヘッド（伸縮式）、FRP製高断熱ボディ、サブバッテリー（105Ah）、AC外部入力コンセント、2段常設ベッド、冷蔵庫（49L）、調理器具（カセット式）、走行充電システム、遮光カーテン
●主なオプション：MAXファン、KMEクーラーセット、ツインバッテリー＆50Aバッテリーチャージャー、エントランスステップ、FFヒーター、インバーター1.5kW（矩形波）、ミラー型ドライブレコーダー（前後）、電子レンジ
●車両本体価格：517万円
●展示車両価格：646万8968円
（文・写真：塚田 勝弘）
