鈴鹿8耐で先行公開、ホンダ・CBR600RRの気になるポイントとは?【バイクのコラム】

■鈴鹿8時間耐久レースのホンダブースで先行公開

”Awaken the Race”というコンセプトはそのままに進化しているようだ。
”Awaken the Race”というコンセプトはそのままに進化しているようだ。

2023年8月4日~6日のスケジュールで開催される『2023 FIM世界耐久選手権 “コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会』は、モータースポーツの枠を超えたバイクファンにとって夏の祭典といえる大イベントです。

CBR1000RR-R FIREBLADEでの連覇を狙っているホンダのブースでは、様々な展示が実施されていますが、鈴鹿サーキットを訪れるようなレース好きのバイクファンにとって注目なのは、CBR600RRの市販予定車が先行展示されたことでしょう。

センターアップマフラーがスタイリングの特徴といえるCBR600RR。2020年8月に現行型が誕生した際のコンセプトは”AWAKEN THE RACE”というものでした。

鈴鹿サーキットでの新型CBR600RR先行公開にタイミングを合わせて公開されたティザームービーのオープニングでも”AWAKEN THE RACE”の文字は画面中央に浮かび上がっています。レースのために生まれたモデルというコンセプトは不変というわけです。

●公道走行モデルは法規を満たす必要がある

最新の法規対応に合わせて排気面での改良が予想される。
最新の法規対応に合わせて排気面での改良が予想される

モータースポーツ専用モデルとしてナンバーをつけることを想定していないのであれば、おそらくCBR600RRをモデルチェンジする必要はないのでしょうが、公道を走るモデルである限り、年々厳しさを増している保安基準をクリアする必要があります。

ティザームービーで一瞬だけ映るエキゾーストマニホールドは、従来モデルにはなかったはずの2番・3番のマニホールドをつなぐパイプがあるように見えます。

これが、どんな狙いなのか現時点では不明ですが、あえてティザームービーでアピールしているということは、最新の排ガス規制をクリアするための対応のひとつと予想できます。

もちろん法規対応によって単純にパフォーマンスダウンするような変更をするのは、600ccクラスのスーパースポーツとしては許されることではありません。公道を堂々と走る仕様としながらも”AWAKEN THE RACE”というコンセプトにふさわしい走りに仕上げられているはずで、そのあたりの工夫については興味を惹かれるファンも少なくないのでは?

●新型モデルにはブラックカウルも登場するか?

新世代のHRCロゴとブラックカウルのコントラストがうつくしい。
新世代のHRCロゴとブラックカウルのコントラストがうつくしい

現行型CBR600RRのボディカラーは、グランプリレッドを主体にホワイトとブルーをあしらった、いわゆるホンダワークスカラーだけの設定となっています。しかしながら、新型モデルのティザームービーに映っているのはブラックボディの一台。

トリコロールのワークスカラーが消えることは考えづらいので、新型CBR600RRはレッドとブラックの2色展開となるのかもしれません。

ちなみに、現行型のメーカー希望小売価格は税込み160万6000円です。世界的なインフレ基調や法規対応のコストを考えると、お値段そのままというのは難しいでしょうが、開発コンセプト同様に価格も現行並みをキープすることを期待したいものです。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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