ヤマハMotoGPチームに2024年シーズンからアレックス・リンスが電撃移籍。LCRホンダからモルビデリの後任として加入

■スズキ→ホンダで活躍した実力派がヤマハへ

世界最高峰のバイクレース「MotoGP」で、電撃移籍が発表されました。なんと、ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)のワークスチーム「モンスターエナジー・ヤマハMotoGP」のライダーに、2024年シーズンから「アレックス・リンス」選手が加入することが正式に決まったのです。

フランコ・モルビデリ選手の走り(2023MotoGP第8戦オランダGP)
フランコ・モルビデリ選手の走り(2023MotoGP第8戦オランダGP)

これは、2023年シーズンいっぱいで現在ヤマハワークスで参戦中の「フランコ・モルビデリ」選手が契約終了することに伴い、その後任としてリンス選手が抜擢された模様。

リンス選手といえば、2022年シーズンまでスズキのワークスチーム「チーム・スズキ・エクスター」に所属し、大活躍したライダー。

スズキMotoGP撤退後の2023年シーズンは、ホンダ・サテライトチームの「LCRホンダ」から日本人ライダー「中上貴晶」選手のチームメイトとして参戦し、第3戦アメリカズGPでは移籍後初の優勝も果たしたトップ選手です。

現在、MotoGPで苦戦中のヤマハワークスですが、エースライダーの「ファビオ・クアルタラロ」選手とリンス選手のコンビが、2024年シーズンのMotoGPで大暴れしてくれそうです。

●優勝18回を獲得しているトップライダー

MotoGPファンならよくご存じの通り、リンス選手は2017年〜2022年までスズキのワークスライダーとして活躍してきたスペイン出身のレーシングライダー。

2023年シーズンのMotoGPも、第3戦アメリカズGPで優勝したリンス選手(左)
2023年シーズンのMotoGPも、第3戦アメリカズGPで優勝したリンス選手(左)

小排気量クラスから最高峰クラスまで豊富な経験を持ち、優勝は合計18回(MotoGPで6回、Moto2で4回、Moto3で8回)、表彰台は合計58回(MotoGPで18回、Moto2で17回、Moto3で23回)を獲得してきたトップ選手です。

筆者が個人的に印象的だったレースは、2022年シーズン限りでMotoGPを撤退したスズキのラストレース・最終戦のバレンシアGPで優勝し、有終の美を飾ったこと。

また、ホンダのサテライトチーム「LCRホンダ」に移籍した2023年シーズンでも、前述の通り第3戦アメリカズGPで移籍後初の優勝を獲得。ここ数年、なかなか結果を出せないホンダにとって、かなりうれしい今季初の優勝となったのです。

リンス選手の走り(2023MotoGP第3戦アメリカズGP)
リンス選手の走り(2023MotoGP第3戦アメリカズGP)

そんなリンス選手は、第6戦イタリアGPで負傷して、現在レースを欠場中。すでに2度の手術を受け、完治に向け懸命に取り組んでいるそうで、世界中のMotoGPファンがその復帰を待ち望んでいるといえます。

ちなみに、リンス選手の先任であるモルビデリ選手は、残念ながら2023年シーズン限りでヤマハのワークスチームから去ることに。

フランコ・モルビデリ選手
フランコ・モルビデリ選手

モルビデリ選手といえば、伝説のライダー「バレンティーノ・ロッシ」選手が主宰するレーシングスクール「VR46ライダースアカデミー」の門下生。ロッシ選手直伝のスキルを学んだトップライダーです。

特に、2020年シーズンには当時のヤマハ・サテライトチーム「ペトロナス・ヤマハSRT」で年間ランキング2位を獲得し大活躍しました。

2021年シーズン終盤以降は、ヤマハのワークスチームに昇格し、さらなる活躍が期待されていましたが、ケガなどもあり実力が発揮できないまま。日本にも多くのファンがいる選手だけに、今後の動向が気になります。

ともあれ、ヤマハのエースライダーで、2021年MotoGPチャンピオンのクアルタラロ選手と、3つの日本メーカーを渡り歩くことになるリンス選手が、ワークスマシン「YZR-M1」を駆り、2024年シーズンにどんな活躍を見せてくれるのか、今からとっても楽しみですね。

(文:平塚 直樹

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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