ホンダ75周年展示で見かけた「サイド・バイ・サイド」が今アツい!【バイクのコラム】

■ホンダ75周年特別展示にサイド・バイ・サイドが登場

北米市場で人気のサイド・バイ・サイド。ホンダTalon 1000xは999cc 水冷並列2気筒エンジンを搭載。6速DCTと副変速機を組み合わせている。
北米市場で人気のサイド・バイ・サイド。ホンダTalon 1000xは999cc 水冷並列2気筒エンジンを搭載。6速DCTと副変速機を組み合わせている。

青山にあるホンダ本社ビル1階のウェルカムプラザにて、創立75周年を記念した特別展示を開催していたことはご存知でしょうか。

2023年7月31日にて特別展示は終了するのですが、ホンダの2輪・4輪のルーツとなるA型とT360が並んで展示されるなど、ホンダの歴史を間近に感じることができる催しとなっていました。

2輪についても、アセアン向けのレアモデルなどを見ることができる貴重な機会でしたから、ウェルカムプラザ青山を訪れたファンの方も少なくなかったかもしれません。

さて、今回のコラムで注目したいのは、2輪と4輪の中間的なレジャービークルとして、北米を中心に人気のカテゴリー「サイド・バイ・サイド」です。

車体としては4輪ですが、むき出しのキャビンやパイプフレーム、2~3気筒エンジンを積んでいることから、バイク的な4輪という印象があるモビリティといえます。

ホンダの75周年記念展示では、2シーターのスポーティなサイド・バイ・サイド「Talon 1000X」が飾られていました。

国内では正規販売をしていないサイド・バイ・サイドをウェルカムプラザに展示したというのは、単純に75周年記念としてホンダのモビリティをすべて展示するということだったのか、それとも何か意味があるのか、大いに気になります。

●カワサキはすでに正規販売を実施している

カワサキモータースジャパンは「TERYX®/MULE®」という2つシリーズを正規販売している。
カワサキモータースジャパンは「TERYX®/MULE®」という2つシリーズを正規販売している。

というのも、サイド・バイ・サイドについては、すでにカワサキモータースジャパンが、日本国内での正規販売をスタートしているからです。

趣味性の強いTERYXシリーズについては320万円~360万円といった価格帯なので、飛ぶように売れる、というタイプの商品ではないでしょうが、クローズドコースで乗るホビービークルとして考えれば、それなりにリーズナブルという見方もできるでしょう。

カワサキモータースが実績を積んでいるのであれば、ホンダが日本での販売を考えていてもおかしくありません。

75周年特別展示においてTalonを飾ったのは、市場の反応を見るためだったというのは考えすぎでしょうか。

●モーターファンフェスタではヤマハも展示した

モーターファンフェスタでヤマハ発動機はYXZ1000Rを展示した。
モーターファンフェスタでヤマハ発動機はYXZ1000Rを展示した。

サイド・バイ・サイドの国内販売については、ヤマハ発動機も検討している様子があります。

当コラムでも紹介したように、2023年4月に富士スピードウェイで開催されたモーターファンフェスタにおいて、3気筒エンジンを積むサイド・バイ・サイド「YXZ1000R」を出展していました。

もしカワサキモータースに続いて、ホンダやヤマハがサイド・バイ・サイドを日本で販売するということになれば、カテゴリーとして盛り上がること確実といえるでしょう。

モーターファンフェスタでは初めて見るサイド・バイ・サイドに興味を惹かれる参加者も多かったようだ。
モーターファンフェスタでは初めて見るサイド・バイ・サイドに興味を惹かれる参加者も多かったようだ。

オフロードバイクを趣味としていたベテランライダーの中には、体力低下によってオフロードバイクを思うようにコントロールできない、というストレスを感じている方もいるかもしれません。

オフロードバイクでコースを走るにしても、ケガが気になるというベテランライダーも少なくないでしょう。

2輪の開放感やダイレクト感と、4輪ならではの安定感を持つサイド・バイ・サイドは、オフロード走行を楽しみたいけれどオフロードバイクを操るのは不安がある、というベテランライダーにとっての福音的モビリティとなるかもしれません。

各社のサイド・バイ・サイドを試乗できるようなオフロードイベントを実施したり、レンタルできるオフロードコースが整備されれば、「サイド・バイ・サイド」というカテゴリーに対する、バイクファンからの注目もますます上がっていきそうです。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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