スバル「レヴォーグ」に大人のための最上級グレード「STIスポーツ」追加。専用足回りなどで一番人気のグレードへ【今日は何の日?7月21日】

■STIとコラボして作り上げたレヴォーグの最上級グレード

2016年に追加で設定されたレヴォーグSTIスポーツ
2016年に追加で設定されたレヴォーグSTIスポーツ

2016(平成28)年のこの日、スバルから「レヴォーグSTIスポーツ」が発売されました。

2014年にデビューして人気モデルとなったレヴォーグですが、レヴォーグSTIスポーツは“STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)”とのコラボによって誕生したレヴォーグの最上級モデルです。


●先代レガシィは、ステーションワゴンブームをけん引して大ヒット

レヴォーグの先代にあたるのは、「レオーネ」の後継車として1989年にデビューした「レガシィ」です。

1989年にデビューした初代レガシィ・ツーリングワゴン
1989年にデビューした初代レガシィ・ツーリングワゴン

レガシィには、ツーリングセダンとツーリングワゴンの2タイプが用意され、搭載エンジンは新開発の2.0L水平対向DOHCエンジンで、そのターボ仕様は当時最強の最高出力220PSを発揮しました。これに、VCU(ビスカスカップリング)付フルタイム4WDを組み合わせた“シンメトリカルAWD”は、スバルが誇る唯一無二の優れた運動性能を生み出したのです。

それまでの商用チックなワゴンではなく、お洒落なスタイリングと走りを極めたツーリングワゴンは大ヒットモデルとなり、ステーションワゴンという新しいジャンルを開拓。レガシィはセダンもヒットして、当時低迷していたスバルの救世主となりました。

さらにWRC(世界ラリー選手権)に参戦し、1993年に念願の初優勝を果たすなど、日本のみならず世界中にスバルの名声を轟かせたのです。

●レガシィ・ツーリングワゴンをコンパクトにしたレヴォーグ誕生

スバルの基幹モデルとなったレガシィですが、北米を意識してボディが徐々に大きくなり、5代目では世界で通用するプレミアムブランドを目指し、さらに拡大。この大きくなり過ぎたツーリングワゴンを、2014年に日本市場用にダウンサイジングして登場したのがレヴォーグなのです。

2014年にデビューしたレヴォーグ
2014年にデビューしたレヴォーグ

新世代ツーリングワゴンのレヴォーグは、扱いやすいボディサイズながら十分な室内空間を確保し、ルーフ後端を低く抑えた流麗なスタイリングを採用。パワートレインは、1.6L&2.0L水平対向エンジンとCVT(2.0Lには8速マニュアルモード付CVT)の組み合わせ、駆動方式はもちろんフルタイム4WDです。

さらに、当時最も進んでいた安全運転支援技術「アイサイト」の最新Ver.3を搭載していることも注目されました。

多くのスバリストの原点回帰の熱望に応えたレヴォーグは、大ヒットを記録し、ワゴン人気が低迷する中、2023年現在も堅調な販売を続けています。

●高級バージョンにチューンアップされたSTIスポーツ

落ち着いた雰囲気に仕立てられたレヴォーグのインテリア
落ち着いた雰囲気に仕立てられたレヴォーグのインテリア

レヴォーグ誕生の2年後、2016年のこの日、レヴォーグSTIスポーツが追加で設定されました。レヴォーグSTIスポーツは、スバルのモータースポーツ統轄会社「STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)」とのコラボレーションによって誕生したレヴォーグ最上級モデルです。

アイサイトver.3のステレオカメラ
アイサイトver.3のステレオカメラ

スバル伝統の1.6L&2.0Lの水平対向DOHCターボエンジンと、フルタイム4WDのシンメトリカルAWDに加えて、安全運転支援「アイサイト(Ver.3)」を装備。さらに、専用チューニングしたサスペンション、専用デザインのフロントバンパー・グリル、LEDフォグランプ、18インチアルミホイール、大型マフラーカッターなど、STIのチューニングが施されました。

STIスポーツ・アイサイトAWDは、ベースのアイサイトAWDの356.4万円に対して、約40万円高い394.2万円に設定。それまでのSTIシリーズとは異なり、走りに特化するのではなく、レヴォーグの高級バージョンをアピールし、その分価格も控えめでした。

発売1ヶ月の受注は3000台を超え、レヴォーグ全体の40%を占める好調なスタートを切ったのです。


レヴォーグSTIスポーツは、比較的落ち着いた雰囲気で大人っぽく仕上げられていたこともあり、妥協していると揶揄する向きもありましたが、購入者の8割近くが40歳以上。目論見通り、大人のスポーツモデルとして成功したと言えます。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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