ベスパが新型スクーター「GTV」を発売。1940年代の初代モデルを継承したフェンダーライトや史上最強エンジンに注目

■23.8馬力の単気筒エンジンでツーリングも楽

イタリアの老舗スクーターブランドが「ベスパ」。

1946年の設立以来、長年個性的なモデルを数多く排出しており、今やスクーターの代名詞ともいえるブランドですが、そんなベスパが、初代モデルの雰囲気を継承したクラシカルなスタイルと、現代的でスポーティな乗り味などをマッチングさせた300ccモデルが「GTV」。

ベスパ・GTVのサイドビュー
ベスパ・GTVのサイドビュー

ベスパのなかでは、ラージボディの部類に入る高級モデルですが、そのGTVに2023年ニューモデルが登場。

伝統あるフロントフェンダー上のヘッドライトなど、ビンテージ感溢れる装備を継承しつつも、ベスパ史上最強の23.8馬力を発揮する新型エンジンや、キーレスシステムなど最新の装備を投入し、より走りや使い勝手が向上しています。


●ヘッドライトユニットをフルLED化

GTVは、2006年に登場した、クラシカルでスポーティなスタイルを持つ300ccスクーターです。

特に注目なのが、フロントフェンダー上に取付けられた 「ファロバッソ(ローヘッドランプ)」や、むき出しの金属製パイプハンドルバーなど。これらは、1946年のベスパ初代モデル「98」に採用されていたヘッドライトやハンドルをオマージュしたもので、ベスパシリーズの中で最もビンテージ感溢れる装備を持つモデルだといえます。

ベスパ・GTVのフロントビュー
ベスパ・GTVのフロントビュー

そんなGTVの新型では、パワートレインに最新の278cc・水冷4ストローク単気筒、300hpe(ハイパフォーマンスエンジン)を搭載。ベスパ史上最強を誇る最高出力23.8HP(17.5kW)/8250rpm・最大トルク26Nm/5250rpmを発揮し、街中の移動はもちろん、ツーリングなどでも快適で余裕ある走りを実現します。

外観では、ヘッドライトユニットをフルLED化。また、ベスパの特徴のひとつであるフロントシールド中央のステアリングコラムカバー、通称ネクタイは、横方向のスリットをオレンジの縁取りで装飾することで、おしゃれな雰囲気も醸し出します。

ベスパ・GTVの正面
ベスパ・GTVの正面

また、5本スポークのホイールも新デザインを採用。マットブラックに塗装され、リム部分にはオレンジのグラフィックが施されたツートン仕様を装備します。

さらに、シングル風シートの装備により、さらにレーシーなフォルムを実現。シートのタンデム側には、オプションでボディカラーに合わせたハードカバーも装着が可能で、スタイルをさらにスポーティに演出することもできます。

●キーレスシステムも導入

新型では、街乗りからツーリングまで、幅広い用途で利便性などを向上させる最新テクノロジーも備えます。

ヘッドライトのフルLED化や新型メーターなども採用
ヘッドライトのフルLED化や新型メーターなども採用

まず、キーを挿入することなく始動できるキーレスシステムを導入しています。アクセサリー電源などの起動は、レッグシールドの内側に配置されたイグニッションスイッチの代わりとなるノブを押し、「ON」の位置に回すだけ。

その後、右側のハンドルスイッチボックスにあるスターターボタンを押せば、簡単にエンジンを始動させることができます。

メーター類では、新型のデジタルLCDインストルメントを採用。エレガントな円形を維持しながらも、完全にデジタル化しており、豊富な走行情報(最高速度、平均速度、瞬間燃費、平均燃費、航続距離、バッテリー電圧)の表示が可能となっています。

また、オプションにはベスパMIAシステムも用意。これは、自分のスマートフォンと車両を接続することで、通話、メッセージ、音声通知といったスマホの情報をメーターに表示する機能などを持ちます。

ベスパ・GTVの左サイドビュー
ベスパ・GTVの左サイドビュー

さらに、レッグシールド内側の収納スペースには、USBポートも標準装備。ASR電子制御トラクションコントロールやアンチロックブレーキシステム(ABS)といった先進安全装備は、走行時の高い安心感や心地良い走りに貢献します。

ボディカラーはサッビアベージュの1色展開。価格(税込)は91万3000円で、2023年7月18日より発売中。2023年8月上旬より順次出荷される予定です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
続きを見る
閉じる