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■CX-60の収容場所をご紹介
まだまだ続くCX-60のユーティリティ編は、CX-60室内各所に散らばる収容場所を見ていきます。
●室内収容スペース
CX-60のモノ入れスペースは、軽自動車を含むエントリーカーよりも少なめな印象です。
小さめのクルマは、スペースを目ざとく見つけちゃあ、あそこもここもモノ入れにと躍起になっている感すらありますが、こちらCX-60はモノ入れの設置に執着していない様子です。
インストルメントパネルには棚に相当するものはなし。たぶん所帯じみた雰囲気や生活臭を嫌ったのでしょう。
・カードホルダー
運転席まわり編で書きましたがもういちど。
バニティミラー枠の左辺はカードホルダーになっています。バイザーを降ろさなければ使えないので、格納状態で使えるよう、反対面にも設けてほしいのと、左側からでないとはさめないことに違和感がありました。右利きだからかと思ったのですがそうではなく、例えば運転席窓から渡された駐車券をはさむとき、いったん左手に持ち替えなければならないからなのでした。
・オーバーヘッドコンソール(サングラスホルダー)
天井にはサングラスなどを入れるのに便利なもの入れを設置。といっても、真夏の炎天下では樹脂製品を入れるのは望ましくないので注意が必要です。
アメリカ車じゃあ、ガレージのシャッターを電動開閉するためのリモコン置き場として設置されているんじゃなかったけ。
・グローブボックス
機種によりけりですが、内部には照明、植毛処理が施されています。容量はほどほど。
・シフト前もの入れ
カタログにも取扱説明書にもとくに記載はありません。左側には12V電源、平面部は、これも車種によりけりでワイヤレス充電Qi(チー)が内蔵されています。
それにしても、各席足元、シフトレバー部、ドアポケットにグローブボックス、コンソールボックス(後述)・・・車内の至る場所にこれだけ照明が施されているのに、置いたものを夜に照らす照明がここにだけないのが不思議・・・実際、夜は真っ暗けっけでした。
・コインボックス
筆者は、「コイン駐車場やドライブスルーなど、ETCが普及しても窓からお金のやり取りをする機会がなくなったわけじゃないのだから、小銭入れにも使える灰皿がほしい」といつでも書いていますが、CX-60は開閉式のコインボックスを運転席右下に備えています。
が、しかし! 全国で買われるCX-60の中に、取扱説明書に記載されているとおりのコインボックスを備えるクルマはほとんどないでしょう。オプションで選んだETCやドライブレコーダーのユニットが、このコインボックスのスペースをつぶしてはめ込まれるからです。
だから、シフトレバー付近に灰皿がほしいのです。禁煙派は小銭入れに、喫煙派は灰皿として使えばいいでしょう。
・ドアポケット
ドアポケットは各席ドアに設置。フロント用は、前半分がボトル置き場になっています。内部を照らす照明がついています。
・フロントセンターコンソールボックス
この位置のもの入れボックスは、多くのメーカーは「リヤコンソールボックス」と呼んでいますが、マツダ車になると「フロントコンソール・・・」になります。
アームレストにもなるふたは中央で分割された左右開きで、内部にはこちらにも植毛処理が施されています。「各種電源」項で書いたとおり、前部には電源や通信用の端子があるほか、後部からは内部を照らす光が顔をのぞかせています。
・シートバックポケット
多くのクルマでは助手席に限られ、両席に備わることは少ないシートバックポケットが、CX-60では両席に装備。入れているものを運転席から取り出すなら、確かに助手席側のほうが使用頻度は高く、背中を掻くように運転席背後に手を伸ばすことは少ないでしょうが、ないよりはあったほうが便利です。
・ハンガーフック
使っているのをたまに見かけます。スーツをかけたハンガーをひっかけるのに使います。
・カップホルダー
フロント用は、シフトレバー左サイドに設置。上級機種はふた付き、普及機種はふたなしと、細かな区分けが与えられています。ほかに、フロントドアは前半分がボトル置き場になっています。
後席はセンターアームレストに2名分を設置。
というわけで、5人乗りCX-60の飲みもの置き場は合計6つ。
●トランクルーム
ドア同様、ボディが分厚いため、1890mmという車幅からすると荷室幅はずいぶん狭められますが、別にクルマが大きくなったからといって乗る人間や積む荷物のサイズが大きくなるわけじゃなし、日常使用下では充分な容量を持っています。
・パワーバックドア
これくらいの値段のクルマなら、バックドアの電動開閉はあたり前につくようになりました。
<パワーリヤゲートクローズスイッチ>
キーリモコンのボタン1秒以上押しで開閉、ナンバープレート上、または計器盤右下のスイッチでオープンできるほか、バックドア本体下部のスイッチでクローズできます。左側のスイッチは、押すと全ドアと燃料給油口リッドがロックされ、その後バックドアも全閉します。
<ハンズフリー機能>
キーリモコンを携え、リヤバンパー下の、中央から左右30cmずつの範囲(計60cm)に足をかざすとバックドアが開閉します。荷物がいっぱいで両手がふさがっているときに便利です。
・カラクリトノカバー
積んだ荷物が外から見えないよう、荷物隠しのカバーが備わっていますが、その後端をバックドア側にフックでひっかけ、バックドアを開けたときはカバーが上がるようになっています。不要のときはリトラクターで引き込まれ、本体そのものを外し、フロア下に収納することもできます。
フックの脱着は最初わかりにくかったのですが、コツをつかんだらものの一瞬でできるようになりました。
・リモートハンドル
荷室拡大でリヤシート背もたれを、ワンタッチで倒すためのハンドル。バックレストの左と中央は左壁に、右は右壁に、設置されています。
左側のハンドルは二重になっており、内側を引くと背もたれセンターだけ倒せる仕掛けになっています。
・サイドカーゴネット
小さめな洗車用品や軍手などを放り込んでおくのにうってつけです。
このわずかなぶんのスペースも広げたいほど幅広のものを積みたいときは、ネットを下げて拡大することも可能。
・ラゲッジフック
荷室サイド前下部とバックドア開口部下両脇、計4か所に設置。引張荷重は20kgなので、なかなかがんばるね。
・サブトランクボックス
フロア下には何か所かに区切られた、発泡スチロール製のボックスが。
といっても、このクルマの場合、床板をめくるとまずはBOSEサウンドシステムの、おそらくはサブウーファーが目に飛び込んできます。
これがほんとのボーズめくり・・・
と、ユーティリティ編はまだまだ続きます。
また次回。
(文・写真:山口尚志(身長176cm) モデル:星沢しおり(身長170cm))
【試乗車主要諸元】
■マツダCX-60 XD-HYBRID Exclusive Modern〔3CA-KH3R3P型・2022(令和4)年8月型・4WD・8AT・ロジウムホワイトプレミアムメタリック〕
★メーカーオプション
・ドライバー・パーソナライゼーション・システムパッケージ 5万5000円(消費税込み)
・パノラマサンルーフ 12万1000円(同)
・ロジウムホワイトプレミアムメタリック特別塗装色 5万5000円(同)
●全長×全幅×全高:4740×1890×1685mm ●ホイールベース:2870mm ●トレッド 前/後:1640/1645mm ●最低地上高:180mm ●車両重量:1940kg ●乗車定員:5名 ●最小回転半径:5.4m ●タイヤサイズ:235/50R20 ●エンジン:T3-VPTH型(水冷直列6気筒DOHC24バルブ直噴ターボ) ●総排気量:3283cc ●圧縮比:15.2 ●最高出力:254ps/3750rpm ●最大トルク:56.1kgm/1500~2400rpm ●燃料供給装置:電子式(コモンレール) ●燃料タンク容量:58L(軽油) ●モーター:MR型 ●最高出力:16.3ps/900rpm ●最大トルク:15.6kgm/200rpm ●動力用電池(個数/容量):リチウムイオン電池 ●WLTC燃料消費率(総合/市街地モード/郊外モード/高速道路モード):21.0/18.0/21.2/22.4km/L ●JC08燃料消費率:- ●サスペンション 前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク ●車両本体価格:505万4500円(消費税込み・除くメーカーオプション)