ホンダ「S660 モデューロX」デビュー。「ホンダアクセス」のS660コンプリートカーはスポーツ走行派納得の285万円【今日は何の日?7月6日】

■純正カスタムパーツを装着したコンプリートカー登場

2018年にデビューしたS660 モデューロX
2018年にデビューしたS660 モデューロX

2018(平成30)年7月6日、ホンダから軽MRオープンスポーツ「S660」をベースとしたコンプリートカー「S660 Modulo X(モデューロエックス)」が発売されました。

モデューロXは、ホンダ車の純正カスタムメーカーである「ホンダアクセス」が手掛ける専用カスタムパーツを装着、S660の魅力をさらに高めたモデルです。


●軽のMRオープンスポーツS660デビュー

1992年にデビューしたビート
1992年にデビューしたビート

ホンダS660の源流は、1992年に発売されたMR(ミッドシップ)オープンスポーツカー「ビート」ですが、ビートはバブル経済崩壊の煽りを受けて、1996年に生産を終えました。

その19年後の2015年に、ビートを継承する形でデビューしたのがS660です。エンジンは、ビートが660cc直3 SOHC NA(無過給)であったのに対して、S660はDOHCターボを装着。トルクを太くして中高速域の伸びを向上させて走りに磨きを掛けました。

トランスミッションは、軽初の6速MTとCVTを用意し、CVTには力強い走りのスポーツモードと標準モードの切替え機構が装備されました。

2015年にデビューしたS660
2015年にデビューしたS660

ターボエンジンによるハイパワーとMRレイアウトで実現される理想的な前後重量配分によって、軽快な走りとハンドリングを実現した久しぶりのオープンカーS660は、発売当初は1年以上の納車待ちとなったのです。

その後も、オープンカーファンには人気を博しましたが、S660の販売台数は限定的、惜しまれながら2022年3月に生産を終了してしまいました。

●モデューロシリーズを手掛けるホンダアクセス

モデューロXは、ホンダの純正カスタム部品を手掛ける子会社「ホンダアクセス」が開発したホンダのコンプリートカーです。モデューロXシリーズは、初代「N-BOX」を皮切りに「N-ONE」「ステップワゴン」「フリード」と製作され、S660は第5弾となります。

S660 モデューロXのリアビュー
S660 モデューロXのリアビュー

主な変更内容は、専用のエアロパーツ装備や足回りのチューンアップ、さらに内外装のドレスアップです。特にエアロパーツによる空力性能改善で生み出す上質の走りが、ホンダアクセス専用品の強みです。見た目のドレスアップ効果だけでなく、空力性能が高速走行の安定性やコーナリング時の操縦安定性の向上に大きく貢献するのです。

●さらなる走りのレベルアップを目指したS660モデューロX

S660モデューロX グリル一体型専用フロントバンパー
S660モデューロ X グリル一体型専用フロントバンパー

モデューロシリーズ第5弾となるS660モデューロXのコンセプトは、“真のスポーツドライビングの喜び”。

空力パーツや専用アルミホイール、チューンアップされたサスペンションなどを装備することによって、上質な走りと意のままに操れる操縦安定性の向上が図られるのです。

S660 モデューロ X 専用アクティブスポイラー(ガーニーフラップ付)〈格納時〉X 専用アクティブスポイラー(ガーニーフラップ付)〈格納時〉
S660 モデューロ X 専用アクティブスポイラー(ガーニーフラップ付)

具体的には、グリル一体型のフロントバンパーにエアガイドフィンを採用するなどの空力改善、リアのアクティブスポイラーでのガーニーフラップ装着によるダウンフォースの強化などで走行安定性を向上。

さらに、5段階の減衰力調整機構を備えた専用サスペンションや、ドリルドタイプのディスクローター、スポーツブレーキパッドなどで、足回りとブレーキも強化されました。

そのほか、インテリアにも多くの専用品が装備され、ボディカラーも専用色を取り入れるなど、走りの上質化とともに見た目のスポーツ感も演出。車両価格は、6速MT車、CVT車とも285万円、当時の標準的なハイグレードモデルは218万円でしたので、さらなるハイレベルが実現された、それなりの高額車と言えます。


ホンダS660モデューロXの販売比率は、S660全体の約15%もあったそうです。70万円近い価格アップのカスタマイズにも関わらず、これだけ比率が高いというのは、いかにS660のユーザーが走りにこだわっているかの証ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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