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■人気の「モダンクラシック」シリーズに400ccモデル登場
最近、日本では普通二輪免許を取得する若い世代が増えているといわれています。ご存じのように、400ccまでのバイクに乗れるバイク免許ですが、各バイクメーカーでは近年、そうした新規のエントリーユーザー向けモデルを続々と投入してきています。
そんな中、イギリスの老舗バイクメーカー「トライアンフモーターサイクルズ」では、2024年の最新モデルとして、400ccの新型モデル「スピード400(Speed400)」と「スクランブラー400X(Scrambler400X)」を日本市場に投入することを発表しました。
いずれも、トライアンフが展開する「モダンクラシック(Modern Classics)」シリーズに属するモデルで、ビンテージ感溢れるスタイルと現代風のアレンジが魅力です。
スピード400は、クラシカルなロードバイクを彷彿とさせるロードスターのスタイルを継承。スクランブラー400Xでは、往年のオフロードレーサー風フォルムを持つスクランブラーというスタイルをあしらって登場します。
●新開発の水冷398cc単気筒エンジンを搭載
新型のスピード400とスクランブラー400Xは、いずれも120年以上の歴史を誇るトライアンフが生み出してきた数々の名車たちをオマージュしたスタイルと、最新のテクノロジーを融合した400ccのネイキッドモデルです。
両モデルともに「TRシリーズエンジン」と名付けられた新開発のパワートレインを搭載。20世紀初頭に、オフロード競技などで活躍したトライアンフ「トロフィ(Trophy)」シリーズなど、かつての名車に搭載されたエンジンを血統に持ちつつも、最新のテクノロジーも投入されたエンジンです。
最高出力40PS・最大トルク38Nmを発揮する水冷398cc・単気筒エンジンを採用。見た目は、伝統的なフィン付きシリンダーヘッドやエギゾーストヘッダークランプなどの採用で、かなりトラディショナルな印象です。
一方中味は、最新のフューエルインジェクションを採用したほか、4バルブDOHCシリンダーヘッドや、慣性バランスを最適化したクランクシャフトなどを装備。低速域の乗りやすさを追求したハイクラスな技術が満載です。
また、フィンガーフォロワーロッカーアームや、フリクションを低減するDLCコーティングの採用により、スムーズな回転と扱いやすさも両立。これらにより、400ccという排気量とは思えないほどの高いパフォーマンスを発揮するといいます。
●軽量な車体で取り回しも楽
車体には、ボルトオンのリヤサブフレームと鋳造アルミニウム製スイングアームを備えた新型フレームを採用。シート高はスピード400で790mm、スクランブラー400Xで835mmに設定し、幅広い体格のライダーに対応する良好な足着き性を実現しています。
また、車両重量はスピード400で171kg、スクランブラー400Xで180kg。どちらも軽量な車体を持つことで、街中などの低速走行時でも扱いやすいハンドリング性能や、駐車場などでの取り回しのしやすさなどに貢献します。
足まわりでは、両モデルに大型43mmのビッグピストン倒立フロントフォークを採用。また、リヤサスには、外部リザーバー付きモノショック式リアサスペンションユニットを装備します。
さらに、スピード400には軽量な前後17インチホイール、1418mmという専用のホイールベースを採用し、軽快な走りを実現。300mm径のフロントディスクを備えた強力な4ピストン・ラジアルフロントブレーキやメッシュ・ブレーキホースなどにより、レスポンスの良いブレーキフィールや、信頼性の高い制動力なども発揮します。
対するスクランブラー400Xでは、サスペンションのストローク量を増やすと共に、フロント19インチ、リヤ17インチのホイールを採用。さらに、ワイドハンドルバーも装備することで、オフロードなど不安定な路面での安定性やコントロール性も高めています。
加えて、最新テクノロジーも満載です。リニアで直感的なスロットルレスポンスを生むライドバイワイヤースロットルや、滑りやすい路面などでパワー特性を制御するトラクションコントロールを搭載。あらゆるコンディションで確実なブレーキングを実現するデュアルチャンネルABSなどの先進装備を持つことで、高い安全性能などを実現しています。
●「競争力のある価格」を設定
ボディカラーは、どちらのモデルも3種類のツートンカラーを設定しています。スピード400は「カーニバルレッド×ファントムブラック」「カスピアンブルー×ストームグレイ」「ファントムブラック×ストームグレイ」から選択可能。
また、スクランブラー400Xでは「マットカーキグリーン×フュージョンホワイト」「カーニバルレッド×ファントムブラック」「ファントムブラック×シルバーアイス」を用意しています。
国内モデルの価格については、まだ未発表ですが、日本でトライアンフ車を扱うトライアンフモーターサイクルズジャパンでは、「競争力のある価格設定となっている」といいます。
クラシカルなスタイルなどを持つ400ccのネイキッドモデルは、現在あまりラインアップはありませんが、たとえば、2023年4月に発売されたカワサキのクルーザーモデル「エリミネーター/SE」が75万9000円〜85万8000円。
スピード400やスクランブラー400Xが、これくらいの価格帯になるのかなども注目です。
市場投入の時期は、まず2023年7月にインドで先行発売を開始。日本をはじめとする他の市場では、2023年末の発売予定だといいます。
老舗トライアンフが手掛ける新型の400ccバイクですが、さて、実際にどんな質感や乗り味を持つのか、今からとっても気になりますね。
(文:平塚 直樹)