レクサスLCが一部改良で洗練された走りを獲得。エッジの利いた走りと内外装を享受できる特別仕様車“EDGE”も設定

■足まわりからトランスミッションまで細部にまで手を入れて走りの質を向上

レクサスは、2023年6月8日にLC500h、LC500、LC500 Convertibleを一部改良して同日発売しました。一部改良とはいえ、改良は多岐にわたっています。

同時に、LC500ベースの特別仕様車“EDGE”が60台限定で抽選発売されます。“EDGE”は、2023年6月27日(火)まで販売店で抽選の申し込みが行われていて、当選すると6月29日(木)より順次、商談がスタートします。

レクサスLCの走行シーン
レクサスLCの走行シーン

LCの魅力は、スタイリッシュな内外装はもちろん、その優れた走りは、同ブランドの全モデルの乗り味を方向づけてきた一台だそうです。具体的には、LC500、LC500 Convertibleのエンジンマウント特性を変更。LC500h、LC500のリヤサスペンションメンバー取り付け部も補強されています。

レクサスLCの「ソニックカッパー」
レクサスLCの「ソニックカッパー」

また、LC500 Convertibleには、トンネルブレースが追加され、床下ブレース補強も含めて剛性向上が盛り込まれています。加えて、ホイールの締結にワッシャ付ハブボルトが備わったことで締結力を向上。ノーマルタイヤを標準設定されたこともあり、快適な乗り心地とハンドリング性能を高次元に両立したとしています。

サスペンションなどにも手が入れられています。コイルスプリングやショックアブソーバー、スタビライザーが最適化され、接地感や操舵応答性が向上させ、よりリニアで滑らかな乗り味や走りを実現したそう。

LC500 Convertibleのルーフ色(レッド)
LC500 Convertibleのルーフ色(レッド)

トランスミッションでは、AT制御が見直され、よりドライバーに心地良いシフトスケジュールとすることで、アクセルレスポンスに優れたドライブフィールが得られるそうです。

統合型走行安定システム(VDIM制御)に「EXPERT」モードが設定され、スポーツ走行時の選択肢が拡大。デフォルトとしてVDIM制御がオフになり、車両のコントロール性を最大限に残しながらも、車両挙動が大きく乱れた場合には制御が介入。また、オートマチックトランスミッション(AT)オイルクーラーの採用により、サーキット走行時などでの油温上昇も抑制されます。

●先進安全装備や車載インフォテイメントシステムを大幅アップデート

安全安心な運転を実現するため、「Lexus Safety System +」の機能も拡充されています。

単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大。昼間の自転車や夜間の歩行者が検知可能になっています。加えて、交差点右折前に前方から来る対向直進車、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知できます。ドライバーの操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援や低速時の事故予防をサポートする低速時加速抑制などの機能も追加されています。

レクサスLCの「ヒートブルーコントラストレイヤリング」
レクサスLCの「ヒートブルーコントラストレイヤリング」

さらに、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト(LTA)」の車線認識に、AI技術を活用することで支援範囲を拡大。これにより、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現しているそう。

自動車専用道路などで設定された車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速制御する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」に、コーナーの大きさに合わせてあらかじめ減速するカーブ速度抑制機能も用意されています。

またカメラで主要な道路標識を読み取り、マルチインフォメーションディスプレイに表示される「ロードサインアシスト(RSA)」も採用されています。

12.3インチタッチディスプレイオーディオ
12.3インチタッチディスプレイオーディオ

そのほか、マルチメディアシステムの進化に合わせて、タッチディスプレイ化されたことで使い勝手も向上。ナビや音楽、車両設定などの各種メニューの選択スイッチが運転席側に常時アイコンで表示されるため操作性が高まったそうです。

また、画面全体のレイアウトも情報の粒度に応じて表示エリアを分けることで、操作の流れが統一されています。

特別仕様車専用インテリアカラー。写真は「KACHIIRO(勝色)」
特別仕様車専用インテリアカラー。写真は「KACHIIRO(勝色)」

ボディカラーに「ソニックカッパー」と「ヒートブルーコントラストレイヤリング」、内装色に「ダークローズ」が新規に用意されています。さらに、LC500h、LC500に「ブルー&ホワイト」が新規採用されています。

内装ではカラー配色が一部変更され、より上質なキャビンに仕立てられています。LC500 Convertibleは、ルーフカラーにスポーティで優雅な印象をもたらす新規色「レッド」が採用されています。

●専用の内外装カラーと走りを磨き上げた特別仕様車の“EDGE”

一部改良と同時に発表された特別仕様車の“EDGE”は、LC500をベースに、開発コンセプトの「より鋭く、より優雅に」を追求するため、ボディ剛性や空力性能を高める技術を採用。内外装に専用カラーをまとい、ドライバーが運転に没入できるキャビンに仕立てられています。

レクサスLCの「ダークローズ」のインテリアカラー
レクサスLCの「ダークローズ」のインテリアカラー

ボディカラーには、光と影が織りなす静寂の銀世界から着想を得たという「HAKUGIN(白銀)」を採用。きめ細やかな粒子感で美しい造形を際立たせる「マットホワイト」の新たな質感が追求されています。また、エクステリア加飾が漆黒調のブラック加飾、塗装で統一され、走りに徹する表現と、コントラストが映えるカラーが目を惹きます。

レクサスLCの「ブルー&ホワイト」
レクサスLCの「ブルー&ホワイト」

一方のインテリアカラーには、藍を生地に染み込ませるために行う作業の「かつ(叩く)」から転じ、古くから勝利の色として伝わる「KACHIIRO(勝色)」が用意されています。細部までこだわり抜いたブルーの1トーンコーディネイトで、洗練された世界観が表現されています。

走りも磨き込まれています。リヤアルミ中空サスペンションメンバーが新たに開発され、フロントにも床下ブレースが追加されたことで、ボディ剛性が大きく引き上げられています。また、固定式リヤウイングに加え、一体成型バンパーカナードが備わり、空力性能の改善が図られています。

ボディ剛性の向上と空力マネジメントに合わせたサスペンションチューニングも盛り込まれ、その名にふさわしい“EDGE”の利いた鋭い切れ味の旋回性、操縦安定性を実現するとのこと。

ハブボルト締結構造を採用
ハブボルト締結構造を採用

さらに、高精度のチューニングが施されるエンジンもユーザーの所有する喜びを増してくれそう。ムービングパーツの質量合せなどによる回転バランス取り、寸法のつくり込みによるフリクション低減を実現することで、V8エンジンの伸び感に磨きをかけ、滑らかな回転フィールを実現。

高精度なチューニングではリヤディファレンシャルもメニューになっていて、熟練の技術者が手作業でバックラッシュ再調整を実施。加減速の応答性を向上するとともに、上質なドライビングフィールをもたらしてくれるそうです。

特別仕様車専用のブラック塗装スピンドルグリル&漆黒メッキフレーム
特別仕様車専用のブラック塗装スピンドルグリル&漆黒メッキフレーム

なお、特別仕様車の“EDGE”は、抽選申し込み期間中の6月17日(土)から6月26日(月)までレクサスインターナショナルギャラリー青山にて特別仕様車“EDGE”(北米仕様)が展示されます。さらに、6月22日(木)から6月27日(火)までレクサスギャラリーミッドランドスクエア(名古屋)において特別仕様車“EDGE”(日本仕様)が展示される予定です。

リヤバンパーロアガーニッシュ/バンパー付きバッフル(特別使用車専用漆黒メッキ)
リヤバンパーロアガーニッシュ/バンパー付きバッフル(特別使用車専用漆黒メッキ)

●価格
「LC500h」:1450万円〜1533万円
「LC500」:1400万円〜1483万円
「LC500 Convertible」:1550万円
「LC500 特別仕様車“EDGE”」:1760万円

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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