目次
■現在人気のコンパクトなクロスオーバーSUVを開拓したジューク
2010(平成22)年の6月9日、日産自動車からコンパクトなクロスオーバーSUV「ジューク」が発売されました。
SUVとコンパクトスポーツの融合というユニークなジャンルを開拓、注目を集めたのは、コンパクトながらボリューム感のある斬新なフォルムでした。
●斬新なコンセプトとスタイリングで注目を集めたジューク
ジュークの特徴は、SUVとコンパクトスポーツの融合というユニークなコンセプトで、それを象徴したのがスタイリングでした。大きなフェンダーと丸みを帯びたボンネットに異径4灯ヘッドライト、ブーメラン型のリアランプなど、コンパクトながらボリューム感のある斬新なフォルムが圧倒的な存在感を放ちました。
パワートレインは、世界初のデュアルインジェクター(1気筒あたり2本のインジェクター)を組み込んだ1.5L直4 DOHCエンジンと副変速機付CVTの組み合わせですが、秋には1.6L直4 DOHCターボの高性能モデルと、FFに加えて4WDモデルも追加されました。
斬新なスタイリングや車両価格169万円というリーズナブルな価格設定によって人気を集め、発売1ヶ月で約1万台の受注を記録し、順調に滑り出しました。しかし、2013年に同様のコンセプトで追走してきたホンダ「ヴェゼル」や2016年のトヨタ「C-HR」の人気に押されて、徐々に存在感が薄れてしまったのです。
●モデルチェンジすることなく国内販売を終了
2019年に欧州では2代目が投入されましたが、国内の人気低迷を受け、ジュークは2019年に国内販売を終了しました。
ヴェゼルやC-HRには、ハイブリッドが設定されているのにジュークにはないなど、バリエーションが少ないことが商品力低下につながり、またデザインが斬新で個性的な印象のジュークは、昨今のファミリー志向の市場に合致しなかったのかもしれません。
日産でも、少し大き目のミドルクラスのクロスオーバーSUV「エクストレイル」には、2015年にハイブリッドが設定され、最新モデルでは「e-POWER」が搭載されて話題となっており、順調に販売を増やしています。
ジュークはモデルチェンジすることなく、2020年に登場したe-POWER搭載の「キックス」にバトンを渡して、その役目を終えたのです。
●ジュークの後を受ける形で登場したキックス
実は、キックスという名前は2008年に三菱自動車「パジェロミニ」のOEM供給を受けた軽自動車がキックスという名前で販売されたことに始まります。その後、軽のキックスは生産を終えますが、2016年に登場したコンパクトSUVにキックスとネーミングされ、海外で販売が始まりました。
そしてジュークの後を引き継ぐ形で、2020年にキックスがe-POWER専用車のコンパクトクロスオーバーSUVとして日本でデビュー。高い燃費性能と力強い走りを両立させ、e-POWERドライブやプロパイロットなどを装備して、好調に滑り出しました。
とは言え最近は、販売もやや右肩下がりなようで、モデルチェンジを期待する声も多いようです。
ジュークは、国内販売は終えましたが、2019年にモデルチェンジした2代目は欧米では人気を誇っています。そろそろモデルチェンジが予想される3代目ジュークの日本復活を望む声もあるようですが、国内ではキックスが後を継いでいる状況ですので、ジューク復活の可能性は…どうなるでしょうか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)