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■前後オーリンズ製サスやカーボンパーツを投入
イギリスのバイクブランド「トライアンフモーターサイクルズ」のミドルクラス・ネイキッドスポーツが「ストリートトリプル765」シリーズ。
搭載する765cc・3気筒が世界最高峰2輪レース「MotoGP」の登竜門「Moto2」クラスに参戦するマシンへ供給するエンジンのベースとなっていることでも有名なモデルです。
そして、そんなレースで培ったノウハウをふんだんに盛り込んだ限定モデル「ストリートトリプル765 Moto2エディション」が、いよいよ日本で発売になりました。
最高出力130psを発揮する「ストリートトリプル765RS」をベースに、オーリンズ製の前後サスペンションなどの専用装備を施すことで、シリーズ最高のスペックを有するのがこのモデル。
レーシングマシンに最も近いスーパーネイキッドとして、2023年6月2日(金)より発売が開始されました。
●2023年モデルはエンジンパワーをよりアップ
アグレッシブなカウルレスのネイキッドスタイルに、スーパースポーツ並みの高い動力性能を持つことで、街乗りからサーキットまで俊敏な走りが楽しめる「ストリートファイター」というジャンルに属するのが、ストリートトリプル765シリーズです。
特に、このモデルは前述の通り、トライアンフが2019年よりMoto2へ供給しているレース用パワートレインのベースとなっている、765cc・3気筒エンジンを搭載することでも知られています。毎戦、激しい戦いを繰り広げるMoto2クラスの全マシンが搭載する、高い信頼性や実績を誇るエンジンなのです。
そんなストリートトリプル765シリーズの2023年モデルが発表されたのが、2022年11月。トライアンフがMoto2クラスで培ったテクノロジーなどをフィードバックした数々のモディファイが施されました。
たとえば、パワーをより増大させたエンジンは、最高出力をスタンダード仕様の「ストリートトリプル765R」で118psから120ps、上級グレードの「ストリートトリプル765RS」では123psからクラス最高の130psにアップさせ、より戦闘力に磨きを掛けています。
また、最新の電子制御システムも採用され、最適化されたコーナリングABSや、ライディングスタイルや路面状況に合わせて、介入レベルを4段階で調整できる切り替え式コーナリング・トラクション・コントロールも新装備。
ライディングモードも、Rがロード、レイン、スポーツ、ライダーの4タイプ、RSではそれらに加えトラックモードを追加した5タイプを備え、走行シーンや好みなどに応じた最適な特性を選択することが可能です。
なお、ストリートトリプル765Rとストリートトリプル765RSは、すでに国内でも販売を開始していましたが、同時発表されたMoto2エディションの日本導入時期は今まで未発表。日本ではいつデリバリーされるのか、多くのファンなどが発表を待っている状態でした。
●よりサーキット走行に対応した装備
そして、いよいよ満を持して登場したのが、ストリートトリプル765 Moto2エディション。
前述の通り、上級グレードであるストリートトリプル765RSをベースに、Moto2などのレースにインスパイアされた数々の装備を備えることが魅力のモデルです。
主な特徴は、RやRSがバーハンドルを採用するのに対し、Moto2エディションではセパレートタイプのクリップオン・ハンドルバーを装備。RやRSよりも50mm前方で、80mm低く設定したハンドル位置により、さらに戦闘的なライディングポジションを実現しています。
また、足まわりには、前後にオーリンズ製を装備し、フロントが43mmの倒立式アジャスタブルフォーク、リヤにはピギーバックリザーバー式RSUを採用。特に、フロントサスは、RSがショーワ製41mm倒立式ビッグピストンフォークを装備するのに対し、よりサーキット走行などに対応した仕様に変更されています。
さらに、各部にカーボンファイバー製パーツ、公式Moto2ロゴ、メーターには特別なMoto2起動画面も採用。ほかにも、シリアル番号入りトップヨーク(トップブリッジ)も装備することで、特別仕様であることをアピールしています。
ボディカラーは「トライアンフ・レーシングイエロー」と「クリスタルホワイト」の2色展開で、各色それぞれが世界で765台限定となっています。
価格(税込)は、189万5000円。ベースモデルのストリートトリプル765RSが149万5000円〜152万1000円ですから、37万4000円〜40万円アップになっています。
(文:平塚 直樹)