■これまでの活動で回収されたゴミの総量は約2.5t
ヤマハ発動機は、ボートをはじめ水上オートバイ、船外機など多彩なマリン製品をラインナップしています。今回のニュースレターは、マリン製品の「母なる湖」への恩返しがテーマです。
●浜名湖でゴミ拾いは「社会貢献」「商品理解」「シーマンシップの伝承」

2023年5月中旬、静岡県の浜名湖に同社マリン事業本部のメンバー約100人が集結。メンバーたちは、PWC(水上オートバイ)やスポーツボート、プレジャーボート、和船などのヤマハ発動機製のマリン製品に分乗し、湖畔にある弁天島の大鳥居付近に上陸。ゴミ袋を持って清掃活動が行われました。
4年ぶりとなる「マリンクリーン活動 in 浜名湖」が開催され、138袋(240kg)のゴミが回収されています。
マリン事業本部全体の取り組みとして実施されているこの清掃活動には、1回目から受け継がれている3つの目的があります。
まずは、浜名湖への感謝を込めたヤマハ発動機らしい「社会貢献」、そして活動を通じた参加者たちの「商品理解」の促進、さらにマリン人材としての「シーマンシップの伝承」。
11年前に同活動を起ち上げ、現在も運営責任者を務める池田啓二郎さんは「浜名湖は、私たちにとってかけがえのないフィールドです。製品評価など、業務のシーンでも使わせていただいているこの湖に、恩返しをしたいというのが、活動の始まりです。このエリアでは、4年前に212袋(450kg)以上を回収しました。また、他の団体も同じエリアで清掃活動をされた実績があるのですが、それでもこれだけのゴミが集まりました。今後も継続して活動する必要があることを再認識しました」と、清掃活動の想いを語っています。

なお、これまでの「マリンクリーン活動 in 浜名湖」で回収されたゴミの総量は約2.5tにも達しています。参加社員はのべ約1,000名。
先述の池田さんが11年前に立ち上げた際は「長く続けて、まずは浜名湖一周を目指したい」と話していたそうですが、その目標も達成。それでも、マリン事業本部の恒例行事として定着した同活動は、池田さんの決意からも分かるように、今後も続けられるのでしょう。
浜名湖の周囲長は、日本の汽水湖で最も長い約114km。清掃エリアを毎年小分けして地道に活動を重ねてきたことで、4年前に奥浜名湖の一部を除くほぼすべての清掃を完了し、活動は2周目に入っています。
先述の池田さんは「参加者は、マリン事業本部の各部門から集まってきます。技術系の社員もいれば、営業や間接部門の若い人たちもいます。この活動は、先輩から水の上での常識やマナーを学ぶ機会にもなります。製品と触れ合うことで、ユーザーの気持ちや視点を持つことにもつながると考えています」と、その意義を説明。
出航前の準備から帰港後の片づけまで、協力し合い、時には教え合いながら、自分たちの手で各種作業を進めていました。

参加者からは、「ジェット推進器の搭載艇が浅瀬に強いことや、浅瀬に近づけるからこそ、アプローチできるエリアがあることを実感した」「仕事以外の場面で製品に触れる機会はそれほど多くない。この経験を今後の業務にも活かしていきたい」「他部門の人たちと一緒に船に乗って、互いの仕事について話せたことがうれしかった」などの声があったとのこと。
集めたゴミを回収トラックに乗せながら、このように話し合っていた姿からも、池田さんたちの想いが十分に伝わっているのがうかがえたそうです。
(塚田 勝弘)