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■30km/Lを達成したアコードハイブリッドをHPで先行公開
2013年(平成27)年5月31日、ホンダは9代目アコードの「アコードハイブリッド」をホームページで先行公開しました。
新しいハイブリッドは「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載し、上級セダンにふさわしい上質な走りと30.0km/Lという圧倒的な低燃費を実現したのでした。
●シビックの兄貴分として登場したアコード
初代アコードは、1976年に「シビック」よりワンクラス上のミドルクラスの3ドアハッチバック、翌年には4ドアセダンとして登場。基本的にはシビックベースで、多くの部品が流用され、丸目4灯のヘッドライトに大きなテールゲートを持つハッチバックボディに、1.6L CVCCの4気筒OHCエンジンが搭載されました。
アコードは、シビックにはない広い室内空間と荷室を特徴として国内でも人気を博し、世界戦略車として多くの国に輸出されました。その後も、ボディと搭載エンジンを拡大しながら、アッパーミドルクラスへと進化。
さらに1993年の5代目では3ナンバー化され、7代目、8代目ではさらにボディを大型化して車格のワンランクアップが図られたのです。
8代目アコードは、狙い通り乗り心地や静粛性は高く評価されましたが、市場の評価は『アコードがまた大きくなった』といった程度でした。販売も伸び悩み、ヒットすることなく2013年に9代目にモデルチェンジしました。
●軽自動車並みの燃費30km/Lを達成したアコードハイブリッド
そして、初代から37年後、2013年に登場した9代目アコードは、ホンダ初の本格ハイブリッド「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載したハイブリッド専用モデルとなりました。
それまでのホンダのハイブリッドは、マイルドハイブリッド「IMA」でしたが、i-MMDはアトキンソンサイクルの2.0L直4 i-VTECエンジンに、発電用と駆動用の2つのモーターを組み合わせた本格的なシリーズ・パラレルハイブリッドです。
運転状況に応じて3つの運転モード、「EVモード」「ハイブリッドモード」「エンジンドライブモード」を使い分けます。これにより、ひと回り小さいプリウスに迫る、驚異的な燃費30km/L(JC08モード)を達成したのです。
セダンが低迷する中で燃費の良さをアピールしたアコードハイブリッドは、車両価格365万円(LX)/390万円(EX)で発売され、順調なスタートを切りましたが、その後は販売が低迷してしまいました。
●レジェンドが消え、アコードはホンダのフラッグシップに
好調な海外市場に応えるために、アコードはモデルチェンジごとに大きく、高価になりました。2020年には10代目(現行)アコードハイブリッドが、i-MMDの名称を「e:HEV」へと変更して登場。2021年に「レジェンド」が生産終了になったので、このアコードがホンダのフラッグシップになりました。
アコードは、米国と中国では年間20万台も売れる大ヒットモデルで、世界120ヶ国以上ですでに2000万台以上が販売されているホンダを代表する世界戦略車です。
一方で国内販売に目を向けると、2010年以降は散々とした状況で、現行モデルは200台/月を下回っています。
世界的に見れば、日本での販売低迷は大きな問題ではないかもしれませんが、ホンダが磨き上げてきたスポーツ・セダンが、日本であまり見かけられないというのはやはり寂しいですね。
最新情報では、11代目となるアコードが2023年1月から北米で販売を始め、日本への投入は2023年後半か、2024年初めと予想されています。アコードの久々のヒット・復権に期待したいですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)