■高い走行性能と最高レベルのラグジュアリーを組み合わせた世界初のスーパーツアラー
2023年5月24日(水)、東京・青山にあるホンダ本社において、2026年シーズンからホンダは、アストンマーティン・アラムコ・コグニサント・フォーミュラー・ワン・チームにパワーユニットを供給するワークス契約を結ぶことで合意しました。
そして翌日の5月25日(木)、ホンダ本社の前にあるアストンマーティン青山ハウスにて、アストンマーティンの次世代スポーツカー第1弾となるDB12が発表されました。
2023年はアストンマーティンが誕生して110周年。そして、DBシリーズが登場して75周年というメモリアルイヤーとなっています。
そのような年に登場するのがアストンマーティンの主力モデル・DBシリーズの最新モデルであるDB12です。
ニューモデルのDB12は、伝統的なDBシリーズの血統であるスポーティなキャラクターとダイナミックな走行性能を受け継ぎつつ、最先端のテクノロジー、最高レベルのラグジュアリーを組み合わせグランツーリスモを再定義した、世界初のスーパーツアラーという独自のカテゴリーを確立したモデルです。
DB12の接着アルミニウム構造を採用したボディは、様々なアンダーボディ・コンポーネントの変更により、全体的なねじり剛性が7%向上しています。これにより、サスペンションのパフォーマンスやステアリングフィールが向上しました。
DB12の外観デザインは、先代モデルであるDB11からフロント6mm、リア22mmボディ幅を拡大し、高速コーナリング時の安定性を向上させています。
また、DB12はフロントバンパー、フェンダー、グリルデザインを一新。従来モデルより圧倒的な存在感を誇っています。伝統的な“DB”シングルベーングリルは拡大され、開口面積が56%増加し冷却性能を向上させています。
LEDを採用したヘッドライトのデザインも一新。デイタイム・ランニングライトが組み込まれた、新しいライトシグネチャーを導入。ヘッドライト内部にアストンマーティンのワードマークが刻み込まれるなど、細部まで精巧な作り込みが施されています。
DB12はボディ同色のサイドシルを採用し、サイドシルに描かれたパワーラインを組み合わせることで、力強いスタイリングを実現しています。
そして、ドアハンドルはフラッシュマウントタイプを採用。軽く押す、もしくはリモコンキーで開けることができ、高い利便性を実現しています。
外観デザイン以上に大きく進化しているのが、DB12のインテリアです。DB12に採用したデジタル10.25インチTFTドライバーディスプレイは、人間工学に基づき最適化され、鮮明度を最大限に高めています。
そして、センターパネルには10.25インチのタッチスクリーンを配置。これはDB12のインテリアの中心的存在です。
この新しい画面で、インフォテインメントをはじめ、様々な機能、そして一般的な車両設定の全てをユーザーが操作することが可能です。
先進的なディスプレイを採用したDB12のインテリアは、新しいトリムの構成を導入。現代的なクラフトマンシップと精巧なディテールにより、質感の高い空間を演出しています。
また、DB12はハンドステッチ・レザーの伝統的なクラフトマンシップとインフォテインメント、安全装備などに関する最新のドライバーコントロールを組み合わせた、新しいステアリングホイールを採用しました。
DB12に搭載されているエンジンは、最高出力680ps・最大トルク800Nmを発生する4L V型8気筒ツインターボ。トランスミッションは8速ATが組み合わされ、最高速度は325km/h、0-100km/h加速が約3.6秒というハイパフォーマンスを発揮します。
このハイパワーエンジンのパフォーマンスを発揮させるため、DB12には新しいインテリジェント・アダプティブダンパーや、エレクトロニックリアディファレンシャル(E-diff)などの電子デバイスを採用しています。
DB12の足元には21インチの鍛造アルミホイールと、専用開発されたミシュラン・パイロットスポーツ5sを装着。21インチホイールは、従来の20インチホイールと比べて8kgの軽量化を達成しました。
オーディオは、新たなパートナーとなった「Bowers&Wilkins」と共同開発したサラウンドシステムをオプションで設定するなど、ラグジュアリーな演出にもこだわっています。
速さとラグジュアリーを両立した世界初のスーパーツアラーのアストンマーティンDB12の車両本体価格は2,990万円から。2023年第3四半期からデリバリーが開始されます。
早く4L V8ツインターボエンジンが奏でるサウンドを聴いてみたいです。
それにしても、国道246号線を隔てて隣どうしといえるホンダとアストンマーティンが、F1でパートナーシップを組むというのは、運命的なものだったのかもしれませんね。
(文・写真:萩原 文博)