目次
■絶好調で連勝記録更新中のレッドブル
●F1スプリントレースって…なに?
開幕戦から連勝中のレッドブル。2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP(4月28日~30日)、第5戦マイアミGP(5月6日〜8日)で2連勝し、連続優勝記録を更新しています。
3年連続チャンピオンを狙うマックス・フェルスタッペンは、マイアミGPで9番手スタートから脅威の追い上げを見せ、見事な逆転優勝を果たしました。「もう予選グリッド関係ないのでは…?」なんて思ってしまうほど、強かったです。
そしてチームメイトのセルジオ・ペレスは、アゼルバイジャンGPのスプリントレースと決勝でW優勝!
決勝ではセーフティカーのタイミングが良かったとは言え、最大のライバルであるフェルスタッペンに隙を与えない走りはお見事でした。ペレスの職人技をたっぷりと味合わせてもらいましたよね。
アゼルバイジャンGPと言えば、新たなレースフォーマットが実施されました。2021年から導入された、決勝のスターティンググリッドを決めるための、スプリントレース。金曜日にフリー走行1とスプリントレースのための予選、土曜日にフリー走行2とスプリントレース、そして日曜日に決勝という流れでした。
しかし、日曜日の決勝を重視して、スプリントレースでドライバーがアグレッシブに攻めないことなどが指摘され、今シーズンから決勝に影響を与えない独立したイベントにしたのです。そのスケジュールは…。
・金曜日:フリー走行1、決勝のための予選
・土曜日:スプリント・シュートアウト(スプリントレースのための予選)、スプリントレース
・日曜日:決勝
ドライバーやチームにとって、なかなかのハードスケジュールではないですか? 実際に見ていても、慣れないせいもありますが一体今、何の予選をやっているのか頭が混乱状態。
娘の推しドライバー、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が今シーズン初のポールポジションを獲得し、「明日の決勝楽しみだなぁ♪」とルンルン気分でいたら、まだ金曜日。なんてこともありました(汗)。
注目のスプリントレースはというと、スプリント・シュートアウトでもポールポジションを獲得したルクレールが、2番手のペレスに抜かれてしまい2位に。優勝ペレス、2位ルクレール、3位フェルスタッペンとなりました。
とは言え、これはスプリントレース。上位8名のドライバーとチームにポイントが与えられるので、今後のチャンピオンシップを考えると大事な1戦だとは思うのですが…。
正直、必要?と思ってしまいました。
日曜日の決勝に向け、ドライバーやチームが全力で挑んでいるからこそ、見ている私たちも興奮し応援にも力が入ると思うんですよね。でも、その前日に独立したスプリントレースをやるというのは、拍子抜けというか、力が抜けるというか…。
チャンピオンシップが面白くなる可能性があるのも分かるし、もっとライトなファンを増やすためというのは分かるんですけどね。エンターテインメント性を重視するあまり、ドライバーたちが客寄せパンダみたいになっている気がしちゃったんです。
彼らはレースをするために日々努力しているわけで、それがなんだが軽く見られてない?って。個人的にはスプリントレースをするなら、昨シーズンまでのように決勝グリッドを決めるためにしてほしいと思いました。
皆さんはどう感じましたか?
●「選手紹介セレモニー」はドライバーには不評?
エンターテインメントと言えば、翌週に開催されたマイアミGPでちょっとした問題が起こりましたよね。決勝前のメインストレート上で、アメリカを代表するヒップホップアーティストのLL・クール・Jとウィル・アイ・アムが共演。ウィル・アイ・アムが指揮するオーケストラの生演奏の中、LL・クール・Jがドライバーを紹介し1人1人登場するというセレモニーが行われました。
三度の飯よりドライバー好きの私にとって、それはそれは幸せな時間で。1人1人しっかり見ることができるし、何よりみんなめちゃくちゃかっこいい(音楽と映像もかっこよかった)!
「さすがアメリカ。日本GPでもやってくれないかなぁ」なんて呑気に思っていました。
しかし、このセレモニーがドライバーたちから不評だったという記事をautosport webにて発見したのです。
「ボクはここにレースをしに来たのであり、ショーに出るために来たのではない。ボクはドライバーだ。勝つためにここに来た。でもボクたちは適応するしかないみたいだ。これによって集中力がそがれるんだけどね。全員がレーシングスーツを着込んで炎天下のグリッドに30分も立たされていたんだから」(ジョージ・ラッセル)
「もし今回のようなイベントを行うならば、そのほかの部分のどれか、たとえばパレードラップのようなものを取り止めるべきだ。エンジニアとの打ち合わせや戦略ミーティングといった準備のまっただ中に入ってくるのだから。もしこれをやるのなら、他のすべての開催地でもやるべきだ。マイアミのファンがイタリアのイモラのファンやスペインやメキシコや日本のファンよりも優遇されるべき要素などないと思う」(フェルナンド・アロンソ)
そうだよね。決勝前の1番大事な時間だよね。記事を読んで、私は恥ずかしい気持ちになりました。ドライバー大好き!と言っているけれど、全然彼らの事を考えていなかった…。しかも、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は日本のファンの事を言ってくれている(涙)。
猛反省です。F1の運営さん、ファンを楽しませてくれるのは嬉しいけれど、今後はドライバー優先でお願いします!
●アロンソはレースしながらスクリーンでレース観戦!?
エンタメ重視に感じたアゼルバイジャンGP、マイアミGPですが、真のエンターテインメントを見せてくれたドライバーがいました。それが、今シーズン絶好調のアロンソ!!
マイアミGPのレース終盤。3番手独走中のアロンソから、チームに「ランスは何番手なんだ? ターン1で良い動きをしたね」と無線が入ったのです。え? どういうこと? 何ではるか後ろにいるチームメイトのオーバーテイクを知っているの?
どうやらアロンソは、走りながらコース脇の巨大モニターで見ていたようなんです。確かに4番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)との距離があったから、走りに余裕が出るのは分かる。でも、レーシングスピードで周回中ですよ!? どんな動態視力をしているの〜!
レース中にチームメイトのオーバーテイクを褒めるドライバーなんています(笑)? フェルスタッペンも会見で、「まるでライフコーチみたいだよね。アゼルバイジャンでは『オレのブレーキバランスを試してみろ』みたいな事を言っていたし」と笑っていましたからね。
いや〜、面白かった。これぞ真のエンターテインメントだと感じました。この様子はF1公式ツイッター(@F1)に投稿されているので、たくさんの人に見てもらいたい! スプリントレースやセレモニーをしなくても、レースの中でドライバーの凄さやF1の面白さを伝えることができる!! そうアロンソに教えてもらったような気がします。
豪雨の影響で第6戦エミリア・ロマーニャGP(5月19日〜21日)が中止となり、次戦は伝統のモナコGP(5月25日〜28日)です。
「もっと上のポジションにいきたくなってきた。モナコではチャンスがあるかもね」と話していたアロンソに期待大です!
(yuri)