トヨタ「ランドクルーザー プラド」がフルモデルチェンジでランクル「250」に改名?

■「プラド」改名の次期モデルにハイブリッド仕様を設定

現行ランドクルーザー「プラド」のフロントマスク
現行ランドクルーザー「プラド」のフロントマスク

初代モデルが1951年に発売され、その歴史は70年を超えるなど、トヨタの現行生産車種で最も歴史が長い“ランクル”こと「トヨタ・ランドクルーザー」。

現在も世界的な人気を誇る同車ですが、1990年には軽量化を図った派生モデル「プラド」が誕生。

コンパクトなボディサイズをウリに誕生しましたが、その後代を重ねるごとに大型化・高級化が加速し、2009年から販売されている現行の4代目では全長が4,825mmにまで拡大するなど、すでにランドクルーザー(全長4,985mm)に近づきつつあります。

そうした中、中部地方の大手新聞が先頃、「ランドクルーザーシリーズに初めて電動車が誕生する」と報道。

歴代のトヨタ・ランドクルーザー系図
歴代のトヨタ・ランドクルーザー系図

同紙によると、誕生後14年目に当たる今秋をめどに、ランドクルーザー「プラド」を全面改良し、エンジン車に加えHEV(ハイブリッド)仕様が追加されるとしています。

5代目となる新型では新たなハイブリッドシステムを採用し、燃費とパワーを両立させつつ脱炭素化を図るようです。

●ランクル300と同じTNGAのラダーフレームを採用

新型はランクル300と同じラダーフレームを採用し、ランクル「250」として発売するそうです。

ランドクルーザーのラダーフレーム
ランドクルーザーのラダーフレーム

同車に搭載するハイブリッドシステムは、これまでの燃費を重視したシステムと異なり、「走り」を重視している模様。

2021年秋にフルモデルチェンジした北米専売のピックアップトラック「タンドラ」に採用した「i-FORCE MAX」と呼ばれるもので、標準モデル用の3.5L V6ツインターボエンジン(394ps/66.3kgm)と10速ATの間にモーター(48ps/25.4kgm)を挟み込んだ1モーターのハイブリッドシステム。

米国向けピックアップ トヨタ「タンドラ」
米国向けピックアップ トヨタ「タンドラ」

従来システムのようにエンジンとモーターを交互に使うのではなく、発進や加速時にエンジンとモーター双方の出力を同時に引き出すことが可能で、大型車に必要なパワー&トルクに加え、オフロードで必要となる瞬発的な大トルクが得られると言います。

タンドラに搭載のHVシステム「i-FOCE MAX」
タンドラに搭載のHVシステム「i-FOCE MAX」

「i-FORCE MAX」のシステム最高出力は443ps/80.6kgmに達するそうです。

同システムが国内市場向けにそのまま搭載されるかどうかについては不明ながら、ランクルファンにとっては大いに気になるところ。

トヨタ自動車は2025年頃までに全ての車種で電動車を用意すると宣言しており、ランクルシリーズにHEV仕様が追加されれば、その実現にまた一歩近付くことになります。

●次期型のエクステリアはフロントマスクがシャープな印象に

次期型では縦基調のラジエターグリルを継承するようで、フロントバンパーの上下幅拡大により、フロントマスクの迫力が一段と増すようです

次期ランドクルーザー「プラド(250)」のエクステリア(筆者予想)
次期ランドクルーザー「プラド(250)」のエクステリア(筆者予想)

プロジェクター式3連LEDヘッドライトを採用し、下辺にL字型DRL(デイタイムランニングランプ)を装備することでシャープな印象を演出。

大きく張り出した前後フェンダーパネルを継承しつつ、ホイールアーチはスクエアな意匠に改められる模様。また足元には新意匠のアロイホイールを装着。

今秋にはネーミングを「250」に改めた新型が正式発表される見込みで、半導体不足などで生産台数が限られるなか、ランクル300系にも増して受注が殺到することになりそうです。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

トヨタ ランドクルーザー プラド
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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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