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■現在のジムニーの原形を作り上げた2代目
1981(昭和56)年5月1日、スズキの「ジムニー」が初のモデルチェンジを行い2代目(SJ30型)がデビューしました。
軽自動車初の本格的なオフロード4WDとして、人気を獲得した初代に続いた2代目は、ジープ風からRV風のスタイリングに変わり、現在のジムニーの原型が出来上がったのです。
●軽自動車のオフロード4WDを確立した初代ジムニー(LJ10型)
ジムニーの原型は、ホープ自動車が1967年に発売した4WDの軽自動車「ホープスターON型」です。ホープ自動車は、戦後1950年代から主として林業の作業車や山岳地域、積雪地の足となるクルマを製造していましたが、販売が不調で経営難に陥り、ホープスターON型の製造権をスズキに譲渡したのです。
スズキは、ホープスターON型を改良し、スポーティなスタイリングに変更して1970年にジムニーを誕生させました。ジムニーは、ラダーフレームや頑丈な前後リジットアクスル、2WD/4WDを切り替えるパータイム4WD、大径タイヤという本格的なクロカン車。この構成は、その後のジムニーの進化の過程でも引き継がれています。
パワートレインは、359cc直2の空冷2ストロークエンジンと4速MTの組み合わせでしたが、車重が600kgという軽量ボディなので悪路や砂地でも十分な走破性を発揮しました。
ジムニーは、本格的なオフロード性能と手軽なサイズで大ヒットとなり、スズキの基幹モデルに成長したのです。
●小型ジープ風からRV風のスタイリングに変貌(SJ30型)
2代目ジムニーは、輸出も意識した世界戦略車として1981年に登場。内外装を一新して、エクステリアは当時のRV感覚を取り入れたダイナミックなボクシースタイルと、直線基調のボディいっぱいに広げたキャビンルームが特徴でした。
ボディのタイプは、キャンバスドア/ハーフメタルドア/フルメタルドア/バンデラックス/バンと豊富なバリエーションを用意。パワートレインは、パワーアップした539cc直3の2ストロークエンジンと4速MTの組合せで、駆動方式は耐久性と信頼性を高めたパートタイム4WDが継承されました。
初代の小型ジープというイメージから、当時のRV風のスタイリングに変わった2代目ジムニー。武骨なイメージから乗用車感覚を取り入れた、今でいうSUV風に変貌したジムニーは、標準仕様77万円でアウトドア好きの若者からの人気を獲得することに成功、この2代目で現在のジムニーの原型が出来上がったのです。
●40年以上愛され続け、不動の人気を誇るジムニー
ジムニーは、その後も進化を続け、唯一無二の4WD軽SUVとして不動の人気を獲得し、1998年にモデルチェンジした3代目(JB23型)は、当時流行っていたライトクロカン風の丸みを帯びたフォルムに変わりました。
そして、20年ぶりにモデルチェンジした2018年に登場した現行4代目(JB64型)は、初代や2代目のようにジープ風の四角張ったフォルムに原点回帰。パワートレインは、660cc直3 DOHCターボエンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせで、もちろん伝統のパートタイム4WDが踏襲されました。
そのほか、最新の安全技術も搭載され、相変わらずの大人気で、発売当初から納期待ちが続き、2022年以降は半導体不足の影響もあり、納期は1年以上かかっているようです。
2023年初頭、スズキの”2030年度に向けた成長戦略説明会“で、欧州に投入予定のBEVラインナップにジムニーらしきモデルがあることが、話題となっています。本当にジムニーは電気自動車になるのか、その場合ジムニーの伝統である4WDはどうなるのか、注目は尽きません。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)