塚田勝弘 
■マイナーチェンジを受けたばかりの最新モデルをベースに、強力な心臓部を付与
メルセデス・ベンツAクラスは、2023年2月末にマイナーチェンジを受けたばかりです。2023年4月26日（水）、「メルセデス AMG A 35 4MATIC」「メルセデス AMG A 45 S 4MATIC+ 」「メルセデス AMG A 35 4MATIC セダン」というスポーツグレードが加わりました。
先のマイナーチェンジでは、ボンネットにパワードームが配され、エクステリアがスポーティなデザインに刷新されています。
そのほか、安全性や快適性を高めるアダプティブハイビームアシストが標準化され、Cセグメント初の「MBUX ARナビゲーション」などが「A 200 d」に標準装備されています（A 180にオプション設定）。「MBUX」のアップデートも図られていて、操作性が向上されています。
待望のAMGシリーズとなる新型「A 35 4MATIC」「A 45 S 4MATIC+」も内外装のデザインをリフレッシュ。「MBUX」を含めたナビゲーションシステムが、Sクラスなどに採用されている最新世代にアップデートされています。「MBUX ARナビゲーション」「アドバンスドサウンドシステム」なども標準装備されています。
さらに、「A 35 4MATIC」には、48V電気システムとBSG（ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター）が搭載され、速さだけでなく、効率性や高性能化も同時に果たしています。
エクステリアは、縦ルーバーが配置されたAMG専用フロントグリルが「A 35 4MATIC」に採用され、新デザインのボンネットエンブレムも用意されています。さらに、ベース車と同様に、サメの尖った鼻先を想わせる、前傾されたフロントエンドによりシャープさを強調。水平基調のヘッドライトデザインも印象的です。
一方のリヤまわりは、スポーティで安定感をもたらす新デザインのリヤディフューザーをはじめ、LEDリヤコンビネーションランプのデザインが水平基調になり、シャープな後ろ姿に変身しています。
足元では、両グレードともにホイールデザインも刷新されています。「A 35 4MATIC」には、18インチの「AMG 10スポークアルミホイール」が、「A 45 S 4MATIC+」には、19インチの「AMG 5ツインスポークアルミホイール」が用意され、スポーティなムードを演出。
ボディカラーには新色の「ローズゴールド」が追加されています。
インテリアでは、「A 35 4MATIC」にオプションの「アドバンスドパッケージ」を用意。シックで高級感のあるインテリアを演出する本革ブラックを選択できるようになっています。
パワートレーンをチェックしていきます。
「A 35 4MATIC」には、最高出力306PS（225kW）、最大トルク400Nmを発揮する2.0L直列4気筒ターボエンジン「M260」が搭載されます。低回転域から分厚いトルク感とレスポンスの良さ、中高回転域での伸びやかな加速感を両立。ツインカムトロニックスクロールターボや可変バルブリフトシステム「CAMTRONIC」が採用されているだけでなく、ベルトを介してクランクシャフトと接続される、スターターとジェネレーターを兼ねるモーター「BSG」と48Vシステムも搭載されています。
この「BSG」は、回生ブレーキなどにより発電された電気を約1kWhのリチウムイオン電池に蓄電され、振動の少ないエンジン始動、滑らかで力強い加速、素早いギヤシフトなどの必要に応じて、最大トルク160Nm（モーター単体ではなく、クランクシャフトに作用するトルクで）の加勢が行われます。燃費向上だけでなく、動力性能も向上。また、ウォーターポンプが電動化され、冷却能力を最適に調整することが可能になり、さらに効率化されています。
「A 45 S 4MATIC+」には、「M260」エンジンと同様に、「CAMTRONIC」を搭載。最高出力421PS（310kW）、最大トルク500Nmに達する2.0L直列4気筒ターボエンジンの「M139」が積まれています。
トルクフルなエンジン特性に加えて、レスポンスや吹け上がりの改善も盛り込まれています。レブリミットが7200rpmに設定されるなど、高回転域まで伸びやかな加速が可能で、ピュアスポーツカー並みのエンジン性能を備えているとのこと。
さらに、ターボとエグゾーストマニホールドをエンジン後方に、インテークマニホールドなどの吸気系をエンジン前方に配置。エンジン搭載位置を下げることで、ハンドリングに寄与し、空力性能にも効いているそうです。
組み合わされるトランスミッションは、8速の「AMG スピードシフト DCT（デュアルクラッチトランスミッション）」で、全速度域でのきわめて自然な加速性能に加え、 素早いシフトダウンとシフトアップを可能にするとしています。
エグゾーストシステムには、自動制御のフラップが備わり、選択されたドライブモードに応じて、 バランスの取れた音色からモータースポーツ譲りのエグゾーストサウンドまで切り替えできるそうです。
Aクラスは、ベース車でもスポーティな内外装と走り、先進装備の数々により、質感の高い走りと利便性の高さを享受できます。2タイプのAMGモデルの追加で、スポーティ志向のユーザーや高級スポーツハッチを求めるニーズにも応えることになります。
●価格
「メルセデス AMG A 35 4MATIC（BSG 搭載モデル）」：754万円
「メルセデス AMG A 45 S 4MATIC+ 」：922万円
「メルセデス AMG A 35 4MATIC セダン（BSG 搭載モデル） 」：761万円
（塚田 勝弘）
