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■RVブームをけん引し、パリダカで大活躍したオフロード4WD
1982(昭和57)年4月22日、三菱自動車がRVのパイオニア「パジェロ」を発表、発売は5月7日に始まりました。
パジェロの源流は、三菱重工時代の「三菱ジープ」ですが、乗用車的な快適性を融合させたオフロード4WD車のパジェロは、パリ-ダカール・ラリー(通称パリダカ)での活躍もあり、大人気モデルとなりました。
●パジェロの礎となった三菱ジープ
パジェロの源流は、1956年から生産された三菱ジープです。もともとのジープは、米国陸軍の要請で開発された小型4輪駆動の軍用車が元祖で、ジープの名前が正式に付けられたのは、第二次世界大戦後に米国ウイルス・オーバーランド社が商標登録したことに始まります。
ウイリス社は、1949年から日本での販売も始めますが、1953年に三菱重工がジープの国内ライセンス契約生産を取得し、三菱ジープが誕生したのです。最初は、ウイリス社の技術支援を受けていましたが、1956年からは自社エンジンを搭載して、完全国産化を果たしました。
その後、三菱ジープはバリエーションを増やしながら進化を続け、一方で1982年にそれまでのジープの開発で培った技術を生かしたパジェロが誕生します。
●乗用車感覚を纏ったオフロード4WDパジェロ
初代パジェロが目指したのは、ジープの走破性能を持ちながら、乗用車的な快適性や安全性を合わせ持つオフロード4WDでした。車名のパジェロは、南米チリとアルゼンチンに生息する野生の山猫で、オンロードとオフロードを問わない軽快な走りをイメージしたものです。
ボディタイプは、当初は2ドアのメタルトップと帆をまとったキャンパストップの2種だけでしたが、翌年1983年に乗用車系のワゴンタイプと、7名乗車を可能にしたロングボディを追加。パワートレインは、低中速トルクに優れた2.3L直4 SOHCディーゼルターボと、3.0L直4 SOHCディーゼル、2.0L直4 SOHCガソリンの3種のエンジンと、4速および5速MTの組み合わせが用意されました。
ちなみに車両価格は、2ドアでガソリンが189万~256万、ディーゼルが163万~255万円でした。
従来の武骨なオフロード車とは異なり、スタイリッシュな新しいタイプのパジェロは、瞬く間に人気モデルとなり、日本のRVブームの先駆けとなったのです。
●パリダカでの活躍でパジェロ人気が爆発
発売の翌年1983年から、パジェロのオフロード性能の高さをアピールするために、パリ-ダカール・ラリー(通称パリダカ)に参戦します。パリダカは、毎年、正月元旦にパリをスタート、アフリカの砂漠地帯を走破してセネガルのダカールにゴールする、当時世界一過酷なレースでした。
初参戦は、2.5L直4ガソリンエンジン搭載のキャンパストップモデルで、さっそく市販車無改造クラスで優勝。その後、エンジンを同エンジンのターボ仕様に変更して、市販車改造クラスに移り、1985年に日本車初の総合優勝を果たします。1997年には、篠塚建次郎選手が日本人初となる総合優勝を飾ります。
1999年から篠塚選手に代わって、同じく三菱社員の増岡浩選手が参戦。パジェロは、2001年から2007年まで破竹の7連覇、7連覇中の2002年と2003年は、増岡選手が連覇を達成。三菱は、パリダカ通算12勝という金字塔を打ち立てました。
1990年代から、このパジェロの活躍ぶりをNHKが連日特番で放映しため、パリダカブームに火がつき、パジェロ人気はさらに加速したのです。
残念ながら、パジェロは2019年に国内向け生産を終了し、伝説となりました。未だに復活を願うファンもきっと多いハズ。もし復活が叶ったとしたらPHEVやBEVでしょう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)