■大幅に進化したインテリアやインフォテイメントシステムにも注目
「上海モーターショー2023」にも出展されているポルシェ・カイエン。そのマイナーチェンジ版が、2023年4月18日(火)に日本でも予約受注を開始しました。
カイエン生産ライン担当副社長のミヒャエル・シェッツレ氏は、「ポルシェ史上、最大級のアップグレード」と表現しています。
日本向けには、マトリクスLEDヘッドライト、ポルシェアクティブサスペンションマネージメントシステム(PASM)、20インチホイール、フロント&リアパークアシストなどが装備されます。
新型カイエンのエクステリアで目を惹くのが、新デザインのフロントマスクです。曲線が強調されたフェンダーや、新しい造形になったボンネットやヘッドライトによりワイド感を演出。
立体的にデザインされたテールライトや、ボディロア部のすっきりしたデザインなどが印象的なリヤビューも見どころ。ナンバープレートホルダーが一体化された新しいリヤエプロンも特徴となっています。
エクステリアでのトピックスは、マトリクスLEDヘッドライトの標準化と、新たに「HDマトリクスLEDヘッドライト」がオプション設定されたことです。
2つの高解像度モジュールと各ヘッドランプあたり3万2000以上の画素で構成され、他のクルマを識別するとハイビームを画素単位で遮断することで、周囲のドライバーの眩惑を抑制。
モジュールの明るさは、走行状況に応じて1000段階以上で調節できるそうです。これにより走行状況を問わず、高い視認性や安全性が確保できます。
さらに、車両重量を最大33kg減らせるカイエンクーペ向けの軽量「スポーツパッケージ」、新デザインとなる20インチ、21インチ、22インチホイールというアルミホイールの設定により、予算や好みに合わせて選択できるのも魅力です。ボディカラーには、3色の新色が追加され、選択肢が増えています。
インテリアも大幅に進化を遂げています。「ディスプレイ&コントロールコンセプト」が全面的に刷新されています。ポルシェ・タイカンで初めて導入された「ポルシェドライバーエクスペリエンス」は、画期的な表示方法と操作コンセプトを採用。使用頻度の高い機能は、ステアリングホイール上、またはステアリングホイールのすぐ近くに配置されています。
ステアリングホイール左側のレバーには、運転支援システムを操作するための追加機能を配置。ATのセレクターレバーは、ダッシュボードに用意されています。新しいセンターコンソールにスペースが生まれたことで収納力が高まっています。
さらに、エレガントなブラックパネルデザインの大型エアコンコントローラーも設置されています。手の届きやすい大きな操作部に、機械式エアコンディショナースイッチと触覚ボリュームコントローラーが採用されたことで使いやすく、スマートなデザインを両立。デジタルとアナログ操作部のバランスをとることで、操作性と見た目が両立されています。
曲線を描く自立型デザインのフルデジタル12.6インチメーターパネルの初採用も見どころです。可変表示オプションを備えるほか、ヘッドアップディスプレイもオプションで設定されています。標準装備の12.3インチ「ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)センターディスプレイ」は、新しいデザインのダッシュボードにマッチしているだけでなく、関連する車両機能にアクセスできます。
また、コネクティビティでは、「Spotify」や「Apple Music」などのアプリを用意。助手席に10.9インチディスプレイも初めて配置されています。助手席の乗員がインフォテイメントシステムやパフォーマンスデータなどを操作したり、チェックできたりします。
そのほか、新たに標準装備された「エアクオリティシステム」には、空気中の微細な粉塵をセンサーで検出し、必要に応じて何度も微細ダストフィルターを通過させるオプション機能も用意。さらに、イオナイザーで空気中の雑菌や汚染物質も除去され、快適な車内空間を維持できます。
ビッグマイナーチェンジにふさわしく、パフォーマンスの面でも大幅な進化を遂げています。標準で「ポルシェアクティブサスペンションマネージメントシステム(PASM)」を含むスチールスプリングサスペンションを装備。
ショックアブソーバーも新しくなり、圧縮ステージとリバウンドステージが別々の2バルブテクノロジーが搭載され、路面や走行状況を問わず最適なパフォーマンスが得られるそう。とくに、低速走行時の快適性、ダイナミックなコーナリング時のハンドリング、ピッチとロールの制御も大幅に進化。
さらに、2チャンバー、2バルブテクノロジーを採用した新しい「アダプティブエアサスペンション」を選択すれば、走りを高めることができます。標準のサスペンションや改良前カイエンよりもソフトなサスペンション特性によって乗り味が磨かれているだけでなく、走行安定性も向上。オンロード、オフロードを問わず良好なハンドリングも得られるとのこと。
さらに、「アダプティブエアサスペンション」では、ドライビングの精度とパフォーマンスも引き上げられ、スポーティな走りでも身体の動きを抑制。また、「ノーマル」「スポーツ」「スポーツプラス」の走行モードもよりシャープになります。
新型「カイエンS」に搭載されるパワーユニットは、従来のV6エンジンからポルシェにより開発された4.0L V8ツインターボエンジンに変更。最高出力は先代比25kW(34PS)増の349kW(474PS)、最大トルクは改良前よりも50Nm増の600Nmになり、カイエンとカイエン・クーペともに0-100km/h加速を4.7秒でクリア。最高速度は、273km/hに達します。
また、カイエンのベースモデルには、最適化された3.0L V6ターボエンジンを搭載。最高出力は、先代比10kW(13PS)増の260kW(353PS)、最大トルクは50Nm増の500Nmに達しています。
この6気筒エンジンは、「カイエンE-ハイブリッド」のパワートレインのベースでもあります。30kW増の130kW(176PS)を発生する新しいモーターと組み合わせにより、合計出力は346kW(470PS)にアップ。
高電圧バッテリーの容量も17.9kWhから25.9kWhに増大されたことで、電気のみによる航続距離は最長90km(WLTP)になっています(装備レベルによって異なります)。また手が入れられた「E-ハイブリッドドライビング」モードにすると、高効率な走りになります。
●価格
「カイエン」:1198万円
「カイエンE-ハイブリッド」:1395万円
「カイエンS」:1561万円
「カイエンクーペ」:1273万円
「カイエンE-ハイブリッドクーペ」:1440万円
「カイエンSクーペ」:
(塚田 勝弘)