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■クイックシフターも別売アクセサリーに設定
ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、軽量な車体に320cc 2気筒エンジンを搭載するスーパースポーツ「YZF-R3 ABS(以下、YZF-R3)」をマイナーチェンジした2023年モデルを発表しました。
250ccの「YZF-R25 ABS(以下、YZF-R25)」と共通の車体を持ちながら、より余裕ある走りが楽しめるのがこのモデル。
新型では、パープルなど新色3タイプを設定するとともに、最新の平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させるなどのアップデートを受けています。
●高速域でゆとりあるパワーを実現
ヤマハの「YZF-R」シリーズといえば、世界最高峰2輪レース「MotoGP」を戦うワークスマシン「YZR-M1」を彷彿とさせるスタイルや、レースからフィードバックされた最新テクノロジーを投入したフルカウルのスーパースポーツ。
ラインアップには、1000ccのフラッグシップ「YZF-R1/M」を筆頭に、700ccの「YZF-R7」、250ccの「YZF-R25」など、さまざまな排気量のモデルがありますが、YZF-R25と共通の軽量な車体に320cc直列2気筒エンジンを搭載するのがYZF-R3です。
搭載する直列2気筒エンジンは、軽量かつ高温強度に優れるアルミ鍛造ピストン、オールアルミ製DiASilオフセットシリンダー、浸炭コンロッドなどのテクノロジーを惜しみなく投入。
また、兄弟車といえるYZF-R25のエンジンが排気量249ccなのに対し、より排気量をアップさせることで、市街地で常用する低・中回転域での扱いやすさを維持しながらも、高速域でもゆとりあるパワー特性を実現しています。
ちなみに、YZF-R3は最高出力42ps/10750rpm、最大トルク3.1kgf・m/9000rpmを発揮。YZF-R25が最高出力35ps/12000rpm、最大トルク2.3kgf・m/10000rpmですから、より低い回転域で、さらなるパワーを発生させることが分かります。
スタイルは、フラッグシップのYZF-R1を彷彿とさせるM字ダクトを採用したフロントカウルなどにより、精悍な顔付きを演出。また、肉抜き加工を施したアルミ鋳造製ハンドルクラウンなど、ヤマハのMotoGPマシンYZR-M1さながらの装備も光ります。
ほかにも、高剛性と快適性を両立する倒立フロントフォークや、幅広いステージに対応するリヤのモノクロスサスペンションなど、足まわりも充実。
さらに、エッジの効いたデザインのフューエルタンクカバーは、スポーティなフォルムだけでなくストレートでの伏せやすさや、制動〜旋回時のホールド性の向上に貢献しています。
●パワーはそのままに、最新の排出ガス規制に適合
YZF-R3の2023年モデルでは、最新の平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合。最高出力などのパワーはそのままに、より環境に配慮した仕様となりました。
ボディカラーは新しく3タイプを設定しています。新設定の「パープル」は、従来からのスポーティなイメージはそのままに、これまでにない新鮮なトレンドカラーを採用。
ほかにも、YZF-R1などとのリレーションを図った「ブルー」、ブラックとマットダークグレーの組み合わせでモダンさを演出した「ブラック」もラインアップしています。
ちなみに、いずれのカラーも2023年2月に発売されたYZF-R25の2023年モデルにも設定されており、兄弟車である両モデルに統一性を持たせていることが分かります。
ほかにも、クラッチ操作なしでシフトアップを可能とする「クイックシフター」も別売アクセサリーとして設定。よりスムーズでスポーティな走りを楽しめると共に、ツーリングなどでの疲労度の軽減などにも貢献します。
価格(税込)は、72万6000円。2023年5月10日(水)に発売予定です。
(文:平塚 直樹)