ヤマハ発動機が高品質の環境対応型リサイクルポリプロピレン材の開発に成功。二輪車から採用し、リサイクル材の採用比率を向上

■環境に優しいリサイクル原材料を拡大

このほどヤマハ発動機は、二輪車の主要外装部品に使用できる高品質の「環境対応型リサイクルポリプロピレン材(ポリプロピレン材)」の開発に成功したと明らかにしました。アセアン市場向けコミューターの2023年型主要モデルから同原材料が採用されます。

「環境対応型リサイクルポリプロピレン材」の採用例。写真はインドネシア市場向けの「GEAR125」
「環境対応型リサイクルポリプロピレン材」の採用例。写真はインドネシア市場向けの「GEAR125」

「環境対応型リサイクルPP材」の条件を満たすには、石油化学や成形メーカーの工程内で発生するパージ材(樹脂合成切替時に発生する中間材)や端材など、製造履歴の追跡が可能であることです。

さらに、環境負荷物質が混入する懸念のないプレコンシューマー材(消費者による使用を経ずにマテリアルリサイクルとして供給された材料)のみが使われることも条件で、環境に優しいリサイクル原材料。

二輪車製品の外装部品には多くの樹脂材が使われています。PP材(ポリプロピレン材)は、約半分を占める主要部材。

ヤマハ発動機では、以前よりリサイクルPP材の開発と使用を推進していて、新たに開発された「環境対応型リサイクルPP材」は、従来のリサイクル材との比較で、強度や外観の品質レベルを向上させることが可能になったそう。これにより、高いデザイン性が要求されるエクステリアパーツにも使用できるようになっています。

「環境対応型リサイクルPP材」の活用により、二輪車製品におけるリサイクル材の採用比率を高め、二輪車以外の製品にも段階的に採用を拡大するとしています。

同社は「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」において、2050年までに事業活動を含むサプライチェーン全体のカーボンニュートラルを掲げています。カーボンニュートラル実現のため、100%サステナブル材への切り替え(2050年)を目標として、グリーン材の採用やリサイクル材の拡大などを推進する構えです。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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