Mr. ソラン 
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■走破性に加えて、乗用車テイストを加味したオフロードSUV
1990（平成2）年4月13日、ランドクルーザー・シリーズの乗用車系SUV「ランドクルーザー・プラド（70系）」がデビューしました。
ランドクルーザーは、大排気量エンジンを搭載したオフロード4WDとして圧倒的な存在感を放っていましたが、その派生車で乗用車系SUVとして登場したのが、ランドクルーザー・プラドです。
●戦後警察予備隊の制式車両の候補として誕生したランドクルーザー
ランクルの起源は、1951年に自衛隊の前身である警察予備隊が使う制式車両の入札のために試作した、小型4輪駆動車に遡ります。
この時に落札し採用されたのは、米国カイザー・ウィリス社と技術提携していた中日本重工業（現在の三菱重工のルーツのひとつ）の「三菱ジープ」でした。しかし当時の自動車メーカーで、日産は「4W60ジープ」で、トヨタは「トヨタジープBJ」で競合に参加していました。
その後“ジープ”の名がウィリスオーバーランド社の商標であることから、日産は「パトロール」、トヨタは「ランドクルーザー」と名乗って、それぞれ市販化されていくのです。
初代のランドクルーザー（BJジープ）は、小型トラックSB型用のシャシーを4WD用に改造し、これに6気筒3.4Lのガソリンエンジンを搭載して、1953年から生産を開始しました。
●プラドの源流は、ライトデューティのランクル70系ワゴン
ランクルは、その後20系、30系、40系と進化していきました。1980年に50系の後継として高級化が進められたステーションワゴン系の60系が登場、さらに80系、100系、200系、そして現行ランクルの300系へとつながります。
一方で、40系の流れから1984年に70系バンが登場して、その派生として70系ワゴンが誕生しました。70系ワゴンは、70系バンをベースにコンパクト化したショートボディの乗用モデルで、乗り心地を改善し十分な室内スペースを確保するなど、乗用車のような快適性を追求。
パワートレインは、2.4L直4 SOHCディーゼルターボと5速MTの組み合わせで、本格オフロード4WD車とは異なるライトデューティのオフロードSUVでした。
ランクル70系ワゴンは、期待したほどの人気は得られませんでしたが、後継のランクル・プラドへの道筋を立てたという重要な役割を担ったのです。
●ラグジュアリーなSUVへと進化したプラドの登場
70系ワゴンの後継として登場したプラドは、3ドア5人乗りのショートボディと5ドア8人乗りのロングボディを設定。パワートレインは、電子制御2.4Lディーゼルターボと、5速MTおよびCVTの組み合わせ、駆動方式は副変速機付パートタイム4WDです。
オフロード性能を生かしながらも、ランクルよりも小振りで誰でも扱える身近なSUVへと変貌し、その後はモデルチェンジを続けながら、パワーアップしてラグジュアリーなSUVへと進化しました。
圧倒的な走破性を誇るランクルシリーズの中にあって、200～323万円で登場したプラドは、走破性に加えて通常の使い勝手に配慮したオールラウンダーとして人気を獲得したのです。
当時のプラドのライバルは、パリダカの活躍で大人気となった三菱パジェロでしたが、パジェロが生産終了となった今となっては、プラドの独壇場となっています。
今年（2023年）プラドは、モデルチェンジして新型が登場しそうです。ハイブリッドモデルも計画されているとか、ついにランクルシリーズにも電動化の波が押し寄せています。
ただ、現行のランクル300系がなんと「4年待ち」とも言われているほどですので、新型プラドが発売されても入手するのは至難の技かもしれませんね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
（Mr.ソラン）
