ホンダ「プレリュード」3代目デビュー。148.5万円~の価格で登場した「乗ってればモテる」デートカー【今日は何の日?4月9日】

■ホンダの先進技術を結集した3代目でプレリュードの人気は最高潮に

1987年にデビューした3代目プレリュード。2代目のキープコンセプトながらブラッシュアップして人気が加速
1987年にデビューした3代目プレリュード。2代目のキープコンセプトながらブラッシュアップして人気が加速

1987(昭和62)年4月9日、ホンダが3代目プレリュードを発表、翌4月10日から発売が始まりました。

プレリュードは、ホンダが初めて挑戦したFFクーペのスペシャリティカー。スタイリッシュなデザインで大ヒットした2代目に続いた3代目は、さらにその魅力に磨きをかけて、2代目を上回る人気を獲得しました。


●ホンダ初のスペシャリティカーとして誕生したプレリュード

1978年に誕生したプレリュード。スペシャリティカーにしては、やや地味なスタイリング
1978年に誕生したプレリュード。スペシャリティカーにしては、やや地味なスタイリング

1978年、ホンダからFFスペシャリティクーペの「プレリュード」が誕生。初代プレリュードは、直線基調のワイド&ローのオーソドックスなクーペスタイルを採用。若者というよりは、落ち着いた大人をターゲットにしたモデルでした。

パワートレインは、アコード1800と共通のCVCCを組み込んだ1.8L直4 SOHCエンジンと、5速MTおよびホンダマチックATの組み合わせ。駆動方式はFFながら、ホンダらしく優れた走行安定性と操縦安定性を誇りました。

スペシャリティカーとして登場したプレリュードでしたが、スタイリングが地味だったため、FRのトヨタ「セリカ」や、日産自動車「シルビア」のようなスタイリッシュさやダイナミックさに欠け、日本での販売は期待されたほど伸びず、むしろ米国で評価されたのです。

●ワイド&ローのスポーティなフォルムで大ヒットした2代目

プレリュードは、1982年に初めてのモデルチェンジで2代目に移行。2代目は、初代のコンセプトを継承しつつも、スタイリッシュに変貌し、ホンダ独自の先進技術が採用されました。

1982年にデビューした2代目プレリュード。ワイド&ローのスタイリッシュなフォルムで大ヒット
1982年にデビューした2代目プレリュード。ワイド&ローのスタイリッシュなフォルムで大ヒット

リトラクタブルヘッドライトによってノーズを下げ、全高が1300mmを下回る超ワイド&ローのスポーティなスタイリングを採用。パワートレインは、1.8L直4 SOHCのCVCCエンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FRが主流の時代にホンダは先進的なFFで勝負したのです。

インテリアについても、低いドライビングポジションやバケットタイプのシートなど、スポーティさをアピール。サスペンションは、フロントに新開発のダブルウィッシュボーン、リアはストラット式で快速の走りを支えました。

スタイリッシュでエレガントなフォルムに、ホンダ自慢のハイテクを組み込んだ2代目プレリュードは、販売目標台数を大幅に上回り、若者層を中心に大ヒットを記録したのでした。

●ブラッシュアップしてデートカーの象徴的存在となった3代目

スタイリッシュに変身して、デートカーの元祖と呼ばれて大ヒットした2代目の後を継いだ3代目は、1987年に登場。人気のワイド&ローのスタイリングとリトラクタブルを継承しながらも、さらに最新技術が投入され、ブラッシュアップが図られました。

3代目プレリュードのリアビュー。ハイデッキダックテールが特徴
3代目プレリュードのリアビュー。ハイデッキダックテールが特徴

なかでも最大のアピールポイントは、世界初を謳った4WS(4輪操舵)です。ステリングの角度0~230度の状態で同位相、230度以上では逆位相に後輪が転舵し、安定性と最小回転半径の縮小を実現。

また2.0L直4 DOHC 16Vエンジンには、電子制御燃料噴射式、可変式デュアルポート・インテークマニホールドを採用するなど、エンジンも最新技術満載でした。

大ヒットした2代目プレリュードに磨きをかけた3代目は、148.5万円~で販売され、2代目を凌ぐ人気を獲得。バブル時代に生まれたデートカーを象徴するクルマとなったのです。


プレリュードとともにデートカーの代表的なクルマと言えば、ソアラ、シルビアがあります。ソアラは高級感、シルビアはFRらしい走り、そしてプレリュードは華麗なスタイリングが特徴でしょうか。この3台に乗れば、無条件にモテた時代でした。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
続きを見る
閉じる